[写真はクリックすると大きくなります]
季節を感じさせる鳥のひとつにヒレンジャク、キレンジャクがある。漢字で書くと、緋連雀、黄連雀となる。連雀の雀とは、広く小鳥類を指しているという。そして連は、文字通り、連なったり、群れを作ったりの意であるとのこと。
そのレンジャクに出会う機会に恵まれた。それも群れをつくっているレンジャクではなく、1羽のレンジャクが、ヤドリギへと道案内してくれた。一瞬のことでヒレンジャクかキレンジャクか判断出来なかったが、私の目の前を横切って飛び、スーと姿が消えた。
鳥との出会いは、いつも新鮮である。群れを作って飛行するレンジャクが、この時、たった1羽で私の前に姿を現してくれたのは、何とも不思議な縁と言えるのではないだろうか。
朝から降り続いている雨がみぞれになり、いつしか雪になった。病院の大きな窓から眺める光景は、「雪踊る」、「雪歌う」という雰囲気の心弾むものであった。子供の頃は、雪の日が、ずいぶん待ち遠しかった。今では、翌日の朝の路面が、どのようになっているかを想像し、夢の世界からは、程遠い。
♪雪やこんこ あられやこんこ
降っては降っては ずんずん積もる
山も野原も 綿帽子かぶり
枯れ木残らず 花が咲く
久しぶりに童心にかえって、降りしきる雪の中を近くの公園に向かった。水分を多く含んだ雪が、辺りを覆っているが、意外と暖かい。公園近くの空き地で、何やら鳥の姿が見えた。1羽のタゲリが、餌を啄ばんでいる。淡雪の中で鳥と出会えた喜び。雪は、いつしか雨に変わっていた。
今日も暗い一日だった。雨が降り出す前に、ほんのひととき、鳥見を楽しみたい。そう思って自宅を出た。通勤時間を避けて電車に乗ったので、機材の入ったリュックもあまり気にならなかったが、電車やバスでの移動は、いつも迷惑にならないようにと気を使い、頭が痛い。
お目当てのオシドリは、岸辺にあがってお休み中。前回、訪れたときもお休み中だった。今日は、何とか写真を撮りたいなあと、しばらく様子を見ていると、何に驚いたのか、一斉にワァーと飛び立って湖面に数羽降りた。急いでカメラを向けたが、予想以上に暗い。カッシャンというシャッター音に慌ててISOを上げる。オシドリは、また一目散に木の陰に入ってしまった。
オシドリは、暗いところがお好き。木陰に入って仲良く、くつろいでいるようだった。
予報通り、雨になった。午後からは、雨もあがり、いくぶん明るくなってきたが、写真の整理に時間を費やし、削除、削除の一日だった。
数日前、近くのフィールドで、久しぶりに雄のキジに出会った。キジを見かけた位置からは、逆光で真っ黒。これでは、写真を撮ってもシルエット状態なので、前進し振り返って何とか撮影した。久しぶりに見る緑と紫の光沢は、なかなか美しい。
春から初夏にかけてキジとの出会いは、多くなる。もう少し暖かくなってくれば、若緑の草や野の花と一緒に、撮影出来る機会が訪れるかもしれない。あと少し。春は、そこまで来ている。
低い雲に覆われた暗くて寒い一日だった。4日間過ごした北海道では、何枚も重ね着し、しっかりと防寒対策をしていたので、手足を除けば、それほど寒いとは思わなかった。しかし、問題は、手足、特に手の指先が痛くて、どうにも耐え難かった。その後遺症で、人差し指が、今もぎこちない。
そのような訳で、うまくシャッターを押せないのだが、ふと思いついて近くの公園に出かけることにした。小さな公園だが、手入れが行き届き、しっとりと落ち着いて風流な世界に身をおくことが出来る。今にも泣き出しそうな空模様だったためか、庭の手入れをしている3名の女性以外に、人影はなく、紅梅、白梅をゆっくり眺め楽しむことが出来た。
紅梅は、今がちょうど見頃、白梅は、少し時期が遅いかなという感じだった。あまりに静かで鳥の声もしなかったが、しばらくして、2羽のメジロが飛んで来た。白梅の蜜を吸ったり、紅梅の蜜を吸ったり、結構、忙しく動き回っている。動きに合わせてシャッターを切ったつもりなのだが、暗くてシャッタースピードが上がらないのと、人差し指が不自由なので、ブレ写真をたくさん撮ってしまった。
散歩の人や、梅の写真撮影に来られた方の姿がちらほら見え始め、小さな梅園が、賑やかになってきた。空は、いよいよ暗くなり、一雨降りそうである。今度は、もう少し暖かい日に訪ねてみよう。そう思いながら家路を急いだ。
道東の旅の最終日を迎えた。ホテルを5時に出て音羽橋に向かった。雪裡川にかかる音羽橋、ここで夜明けを待つ。厳寒、三日月の月明かりが、一層、寒さを増す。橋の中央部付近は、すでに三脚を構えた人でいっぱいである。三脚を置いて、しばらく車の中で待った。薄いベールを剥ぐようにうっすらと明るくなってきた。いよいよ撮影準備。零下20度という寒さ。この寒さだからこそ見られる「けあらし」。タンチョウが夜明けと共に起き出し、羽を広げる。朝の光が差し始めると、「ダイヤモンドダスト」が、きらきらと輝いて見えた。
あまりの寒さに指が凍りつき、感覚を失っていた。ホテルに戻り、温泉で体を温め朝食。朝食後、鶴居村へと向かった。鶴居村へ向かう途中、嬉しい出会いが待っていた。コアカゲラ。初めての出会いである。草の間に体が隠れ、なかなか撮影は、難しい。雪景色の中のコアカゲラ。何とか写真に収めたい。ずいぶんシャッターを切って、何とか撮れたのが、1枚だけ。
鶴居村では、この日、タンチョウの数が少なく、タンチョウの撮影は諦め、センター前で、アカゲラ、ハシブトガラなどを撮影した。
鶴居村は、短時間で切り上げ、釧路の阿寒国際ツルセンターへと向かった。ここでの楽しみは、タンチョウは、もちろん、2時の給餌にあわせて姿を見せるオジロワシの撮影である。観察センター前には、たくさんのタンチョウの姿があり、タンチョウが重なり合って撮影が難しい。本館のところのビオトープ近くにいるタンチョウを撮影することにして、しばらく様子をみることにした。しかし、こちらが望むような位置には、姿を見せてくれず、林を背景に飛んだタンチョウの親子とオオハクチョウを撮影するにとどまった。
給餌の時間にあわせて、観察センター前に移動した。上の段も下の段もびっしりとカメラが並んでいる。知人がスペースを作ってくださったので、何とか三脚を置くことが出来た。いよいよ時間が迫ってくると、タンチョウが、皆、左の方向を向いている。学校の全校集会を思い出すような光景で何とも微笑ましい。いつの間にか、オジロワシが、2羽、3羽と大空を舞っている。雲が出てきたので、オジロワシが青空のところを飛ぶのを待ってシャッターを切った。
ずいぶんたくさんの鳥たちとの出会いがあった道東の旅。思い出のアルバムが、また、ずっしりと重くなった。たえず熱心にガイドしてくださったN氏、ご一緒させていただいた皆様、偶然お会いし、ご親切にしてくださった知人ご夫妻、地元の皆様に心から感謝しお礼申し上げます。
3日目の朝、川湯温泉のホテルを出発し屈斜路湖に向かった。屈斜路湖は、冬になると全面凍結するが、地熱が高く、一部解氷部分が出来るため、たくさんのオオハクチョウが、羽を休めるところとして知られている。凍りついた湖面を歩くオオハクチョウ、美しい山並みを背景に飛ぶオオハクチョウの姿をしばし堪能した後、釧路湿原へと向かった。
この日も、エゾフクロウとの出会いがあった。2年前、冬の道東を訪れたとき、初めて出会ったエゾフクロウ。あの時と、同じ場所。同じ洞である。目を閉じた穏やかなエゾフクロウ。いつ出会っても心安らぎ、心温かくなる不思議な力の持ち主だ。
釧路湿原へ向かう途中、嬉しい出会いが待っていた。雪に覆われた大地に1羽のベニヒワ。一心に枯れた草の実を啄ばんでいる。一瞬、飛んでは、また、草の実を啄ばむ。何度も何度も繰り返し、また元のところに戻ってくる。以前、裏磐梯で出会ったベニヒワの群れは、吹雪の中での出会いだった。あの時の感激が、よみがえってくる。この日の出会いは、たった1羽。赤いベレーが、ことさら印象深く心に残っている。
オオマシコにも出会った。バラ色のオオマシコの姿が、目に入ったとき、胸がどっきんとなるのがわかった。木にとまって小さな実を啄ばんでいたが、一瞬、真っ白な雪の上に降りた。しかし、すぐに飛ばれてしまい撮影出来なかったのが何とも心残りである。
昼食の後、近くの林を歩き、探鳥した。ミヤマホオジロが、夢中で草の実を啄ばみ、ぐんぐん近づいてきたのには驚いた。林の中で出会ったのは、ミヤマカケス、ゴジュウカラ、ハシブトガラ、アカゲラなど。ミヤマカケスは、樹間に姿が見え隠れするが、なかなか写真を撮らせてはくれなかった。
モクモクと煙をはいて走るSLにも出会った。近くにはタンチョウの姿もあり、「タンチョウとSLと雪景色」これを1枚の絵として写真に収めたかったが、今回、400mmのレンズを持参しただけだったので、次回への楽しみとして見送りとなった。
この日の締めくくりは、夕日を背景に飛ぶタンチョウの撮影である。現地に着くと、すでにたくさんのカメラマンが、待機している。機材をセットし、夕日を待つ。しかし寒い。ようやく林の間に太陽が顔を隠し始めた。今こそタンチョウが飛んできて欲しい。そう念じてもなかなか願いは通じない。うっすらと暗くなり始めた頃、ようやくタンチョウの姿が見えた。
明日の出会いも期待できそうな予感がする。
2日目は、朝から雪が舞っていた。2年前の2月に道東を訪れたとき、見送りとなった流氷船を今回こそと期待したが、この日も、接岸できないとのことで見送りとなった。
羅臼を8時に出発し野付半島へと向かった。早速、目に入ってきたのが、オジロワシとオオワシの姿である。枯れ木にとまったオジロワシとオオワシに小雪が舞い、北の大地にいることを実感することが出来た。
今回、流氷船が出ないため、旅館の屋上からオジロワシとオオワシの飛ぶ姿を見る機会を設けていただいた。青空を飛ぶオオワシやオジロワシの勇姿を見たことはあるが、大海原を飛ぶオオワシやオジロワシを上から見下ろす形で観察、撮影する機会が巡ってくるとは、思ってもいないことであった。予想外の展開で、しばし夢中でシャッターを切った。しかし何故かピントが甘い。一脚のためか、腕の悪さのためか、いずれにしても折角の機会であったのに残念な思いが残った。
尾岱沼で1羽のコオリガモに出会った。比較的近い距離に姿が見えていたのだが、潜水しては、すぐに遠ざかってしまう。これは、シノリガモにしてもホオジロガモにしても同じことで、前日あまりに近すぎた濤沸湖のホオジロガモの姿とは、あまりに対照的であった。
この日の最後の出会いは、エゾフクロウである。洞の中で、静かに休んでいるエゾフクロウの姿は、神秘的で心休まる思いがする。手も足も寒さで痛くなり、それでもエゾフクロウを見つめていたいと思うのは、私だけではないであろう。
明日は、どんな出会いが待っているのだろうか。
2月16日〜19日まで、真冬の道東を訪れ、鳥たちとの出会いを楽しんできた。暖冬とは言え、やはり北の大地は、さすがに寒い。日暮れ時になると、急激に温度が下がってくるのが、体の芯まで伝わってくる。それでも北国への思いを募らせる魅力は、何なのだろう?
羽田をお昼過ぎにたって、女満別空港に到着したのが、午後2時を回っていた。空港に出迎えてくれたドライバーが、何と女性であったのには驚き、戸惑いを隠せなかった。しかし、後に、彼女がドライバー歴14年という大ベテランと知って、4日間の行程の随所に見せてくれた気配りに感謝の思いを新たにしている。
最初に訪れたのが、濤沸湖。ここは、白鳥公園として観光客も多く、訪れるところである。湖のほとんどが結氷し、わずかに水面の見えるところに、カモやハクチョウがひしめき合っている。いつもは、遠くにしか見ることの出来ないホオジロガモが、あまりに近すぎ、400mmのレンズでは、どのように撮っても大きすぎて苦労した。結氷した湖面には、カモメやユリカモメ、オオハクチョウが休んでいる。遠くにキタキツネが、歩いている姿が見えた。雪を抱いた山並みを背景に歩くその姿は、まるでメルヘンの世界を見ているようであった。
その夜、雪の中のシマフクロウにも会った。シマフクロウには、今まで何度か出会う機会はあったのだが、真冬に出会ったのは、今回が初めてである。正直申せば、シマフクロウの撮影には、あまり気乗りがしていなかったのだが、この日、何度も何度も姿を見せてくれたシマフクロウを見ていると、いつの間にか、撮影に夢中になっている自分の姿があった。
翌朝、宿の外に出てみると、雪が舞っている。その雪の中から「カポン カポン」という乾いた声が聞こえてきた。ワタリガラス。初めての出会いである。枯れ木にとまっていたワタリガラスが「カララララ カララララ」と鳴きながら飛び、しばらくすると今度は、オオワシが飛んで来た。嬉しい出会いが待っていてくれそうな、寒い朝であった。
ミヤマホオジロ。この鳥の印象は、何と形容すれば良いのだろう。雄の方が、黒と黄のコントラストが鮮やかで、人気度が高いが、私は、優しい印象の雌が好きである。ミヤマホオジロの雌は、金髪の乙女といった雰囲気だろうか。
ミヤマホオジロが、落ち葉の中に姿を現すと、遠目に見るとちょっとわかりにくい。雌の愛らしさ、優しさとは、対照的に、雄は、どことなく騎士を連想する凛々しさと異国情緒を感じさせるイメージがある。
いずれにしても、ミヤマホオジロから受ける印象は、気品である。いつか木にとまったところを撮影したいのだが、なかなかチャンスが巡ってこない。
先日、ほんの一瞬、木にとまっているミヤマホオジロを見た。それは、キクイタダキの動きをファインダー越しに追いかけているときだった。木にとまった澄まし顔より、落ち葉の中のミヤマホオジロの方が、親しみがあって、自然なのかもしれない。これは、やせ我慢なのだろうか。
葦原を歩くと、もう春の風が吹いている。頬をなでる風は、まだまだ冷たいが、春の息吹を感じさせてくれる。
オオジュリンが、パキパキ音を立て、葦をつついている。もう、黒くなりかけている固体もあって、そろそろ繁殖地に帰る準備を初めているのだろうか。「チィチィ」と小さな声で鳴いているのは、ホオジロ。間もなく、あの綺麗なさえずりも聞こえてくることだろう。
田んぼに回ると、ヒバリのさえずりが聞こえてくる。葦原を吹く風も、田んぼを渡る風も、春の香りを含んで、優しく通り過ぎていく。
橋の上から、小さな川の流れを見ていると、緩やかで温かみが感じられる。水は澄んで、さらさらと気持ちよく流れていく。川岸の草は、ほとんど枯れているけれど、芽吹きを感じさせてくれる緑が、所々に見受けられる。
春の小川は さらさら行くよ 春の小川は さらさら行くよ
岸のすみれや れんげの花に えびやめだかや こぶなのむれに
すがたやさしく 色うつくしく 今日も一日 ひなたでおよぎ
咲けよ咲けよと ささやきながら 遊べ遊べと ささやきながら
唱歌「春の小川」を思い浮かべていると、ウグイス、ジョウビタキ、ホオジロ、アオジそして嬉しいことにベニマシコの雌雄が姿を見せてくれた。旅立ちの日も、そう遠くはないのだろう。
近くの田んぼでホオアカに会ったのは、昨年末、ちょうどクリスマスの頃だった。ホオアカに初めて会ったのは、野辺山高原。でもかなり距離があり、「あそこにホオアカ。」と言われても、「ふーん、なるほど。」と思えるほど、はっきり姿を確認出来たわけではなかった。
次に会ったのは、飛島。このときは、ずいぶん近くで姿を見ることが出来た。私にとって、これが初めての出会いと言えるかもしれない。このときは、ずいぶんたくさんのホオアカを見ることが出来た。会いたいと思っていた鳥が、いとも簡単に見られてしまって感激も少々薄くなった記憶がある。
しかし近くの田んぼでホオアカに出会ったときの感激は、また別である。ちょうど1週間前、久しぶりにホオアカに出会った。それも2羽。ヒバリを見ているときに、ふいに現れた。クリスマスの頃に出会ったホオアカとは、全く印象を異にし、少し幼い印象を受けた。
鳥との出会いは、いつも新鮮である。
昨日、初夏を思わせるような上天気だったが、今日は、低い雲に覆われた一日だった。それほど寒くはないものの、やはり日の差さない暗さは、春を待ち遠しく感じさせる。
沼のほとりをスタート地点とし、田んぼ、公園など、ぐるっと回ってみた。何故かここのところ、鬱々として気が晴れず、今日のように太陽が顔を出さない日は、一層、心が重くなる。
最初の出会いは、ジョウビタキ(♀)。続いてオオジュリン。葦原でパキパキ音を立てている。カワラヒワの群れには、ずいぶん出会った。久しぶりにキジ(♂)の姿も見た。慌ててシャッターを切ったのだが、写っていたのは、あの長い尾だけ。
最後に訪れた小さな小さな公園では、カシラダカ、アオジ、シジュウカラ、ツグミ、カルガモ、スズメの大群、ヒヨドリなど。わずかの時間、立ち寄っただけなのに、こんなにたくさんの鳥たちに出会うとは、思っていなかった。
スズメの大群は、時折、白梅にワァーと飛んできて、何かの拍子に、またワァーと飛んでいく。その数、200羽くらいであろうか。シュロの木には、ツグミがとまり、紅梅には、ヒヨドリがとまっている。美味しそうに梅の蜜を吸っているヒヨドリは、案外、可愛いものである。
昨日、夕方近くになって吹き始めた強い風は、春一番だったようである。午前中は、所用で外出できず、午後から川沿いの田んぼを回ってみた。
川沿いの桜並木は、明るい日差しを浴びて、花の季節を待ち望んでいるかのように見える。真冬の寒さをじっとこらえた木々は、今、少しずつ木肌にほんのりと明るい色が、現れ始めているように感じる。桜の木は、花が咲く前に、淡いピンクの木肌になると聞いたことがある。春を待ちわびている桜並木の木々が、何だかとてもいじらしい。
野焼きをした後の、黒々とした田んぼに、たくさんホオジロが降りた。そのホオジロが飛んで、枯れ草にとまった。逆光で眩しく一瞬ためらったが、数枚、シャッターを切った。
1枚何とか撮れていたので、今日は、Photoshopで遊んでみました。
どんよりと低い雲に覆われ、日の差さない一日だった。沼のほとりの杭には、カワセミが1羽、湖面を見つめている。湖面に白く見えるのは、ミコアイサ。近づいてくれるのを待ったが、潜水して遠くに行ってしまった。カンムリカイツブリの姿も見える。
歩き始めると、目の前に可愛い小鳥の姿。一瞬、ドキッとするほど可愛かった。落ち着いて良く見るとジョウビタキの雌である。尾羽を広げてピョンと跳ねるような仕草をしたので、見た瞬間、全く別の鳥かと思い、ハッとなって立ち止まった。
田んぼでは、今日もチョウゲンボウに出会った。壊れかけた杭の上にとまって羽繕いしたりずいぶんゆっくりしていた。どうもお気に入りの場所らしい。
夕方近くなって、ずいぶん風が出てきた。春一番が吹くのも、もうすぐかもしれない。
昨日とは、全く違って明るく晴れ渡り気持ちの良い一日だった。道の駅の近くを歩くと、カンザクラが、優しいピンクの花をつけている。母娘と思われる女性二人が、「わぁ!桜が咲いている。カンザクラだわ。あっちのは、紅梅だから、全然、花が違うものね。」としきりに感嘆の声を上げている。青空にピンクの色が、春を告げているようで私も嬉しくなった。
田んぼの方に回ってみると、カワラヒワの群れが飛んだ。飛ぶと羽の黄色が、とっても綺麗だ。「チィチィ」とかすかな声がする。ホオジロが2羽、沼の方に向かって飛んだ。電線にとまったのは、チョウゲンボウ。かなり近づいてカメラを向けても、関心がない様子。うーん。無視されてしまったのかな。それとも舞台慣れ?
傾斜したところには、タヒバリが、数羽見える。よく見ると、土の色も、柔らかな光を浴びて、春の香りがするようだ。春の兆し。殺風景な田んぼにも、もうすぐ春が来る。
低い雲に覆われた暗い一日だった。ほんの少し雨もぱらつき、これから一雨ごとに暖かくなっていくのだろうか。
沼のほとりに立つと、コサギが1羽飛んできて古びた船の舳先にとまった。コサギは、しばらくじっとしていたが、魚を見つけたのか、ふいに飛び立った。枯れた葦のところには、スズメが3羽飛んできて、1本の葦に縦一列にとまった。仲良し兄弟という雰囲気で。
湖面には、オオバン、カイツブリ、カワウ、コブハクチョウ、カンムリカイツブリの姿が見える。ゆったりとした湖面を眺めていると、心が和み、暗い空模様も、明るくなったような気分になる。沼のほとり。温かみがあって、いつ訪れても平和でのどかな雰囲気だ。
朝から気持ちよく晴れ渡り、風もなく穏やか。朝のうちは、ちょっとひんやりしたのだが、だんだん気温が上がり、ぽかぽかと春のようなお天気になった。久しぶりに公園を訪ねると、ロウバイが美しい。華やかさはないが、ロウバイを好む人の気持ちが何となくわかったような気分になった。スイセンも今を盛りと見事な花をつけている。
公園を散策した後、田んぼに回ってみた。遠くの畦にキジが見えた。タヒバリが1羽、目の前を横切って飛んだ。カワラヒワ、ツグミの姿も見える。ふと電柱を見るとチョウゲンボウがとまっている。しばらく後姿ばかり見せていたが、羽繕いをした後、ふいに飛び立った。
青空を仰ぐと春の風が頬をなで、優しい光が微笑んでいるように見えた。
一日中、低い雲に覆われ、暗く寒い日であった。霜柱や薄氷を見かけると、一層寒さを感じてくる。しかし川沿いに歩くと小鳥のさえずりが聞こえ、春を告げる歌を歌っているようだ。
林の中も歩いてみた。林の中は、実に静かだった。その静けさの中で耳を澄ますと聞こえてくるのは、メジロ、アオジ、コゲラ、ヤマガラの声。林の中は暗かったが、小鳥の声が、辺りを明るくし、元気付けてくれる。
いつも歩いたことのない杉林の方にも回ってみた。シジュウカラの声に交じって小さな可愛い声が聞こえてくる。目を凝らしてよく見るとキクイタダキだ!その動きの速さは、相変わらずで、シャッターを押すタイミングの難しいこと。まるでモグラたたきのようだ。その瞬間は、何も考えない。林の中は、静かだった。
とべとべとんび 空高く とぶとぶとんび 空高く
なけなけとんび 青空に なくなくとんび 青空に
ピンヨロー ピンヨロー ピンヨロー ピンヨロー
ピンヨロー ピンヨロー ピンヨロー ピンヨロー
たのしげに 輪をかいて たのしげに 輪をかいて
(作詞 葛原 しげる)
公園の梅林は、5部咲きから8部咲きといったところ。ほんの小さな梅林だけれど、甘い香りが漂ってくる。「梅にメジロ」お決まりの組み合わせだけれど、この組み合わせの写真が撮りたい。そう思って午後から、公園に出かけた。
メジロは、すぐに飛んで来た。しかし、細かい枝がたくさんあって、その枝の奥にメジロが、見え隠れしているのだが、撮影は、なかなか難しい。散歩の人も立ち止まって「メジロですか?」と何度も声をかけていく。梅の蜜が、余程おいしいのか、散歩の人たちが、近づいても夢中で蜜を吸っている。携帯で写真を撮っていく人もいる。
近くの背の高い大きな木には、エナガが2羽飛んで来た。「キョッキョッ」と声がして今度は、アトリが、数羽飛んで来て、すぐに飛び去った。奥の梅には、ツグミがとまった。ムクドリも2羽とまっている。植え込みの中からウグイスの地鳴きが聞こえていたが、一瞬、梅の木にとまり、あっという間に飛び去った。「梅にウグイス」シャッターを押せずに残念無念。
柔らかな光に包まれた小さな公園の小さな梅林。僅かの間に、ずいぶんたくさんの鳥たちと出会った。春の足音が確実に聞こえてくる。
予報通り、風が強く、すっきり晴れ渡った一日だった。車の中にいるとポカポカと暖かくむしろ暑いくらいである。この暖かさを寒い日に少しおすそ分けしたいような、そんな気分になった。
川に沿って歩くと葦原が広がってくる。ここは、あまり強い風は吹かず、葦原が、少し揺れる程度。最初の出会いはカシラダカ。1羽が枯れた葦にとまったと思ったら、次から次へ葦原の中から飛び立ち、あっという間に、10数羽のカシラダカが、道路を隔てた木立の中に消えた。
シジュウカラは、しきりに葦をつついている。アオジも姿を現した。「ジュリ ジュリ ジュリ」今度は、エナガが2羽飛んで来た。近くの木にとまったのは、シメ。シロハラも目の前を横切った。
「フィッ フッィ フィッ」葦原から聞こえてくるのは、嬉しいベニマシコの声だ。葦原に出かけるたびに、耳を澄まして、この声をどれほど期待したことだろう。今、目の前に姿を見せてくれた。お腹の赤い色が綺麗なベニマシコ。今日も嬉しい出会いだった。
広々と広がる葦原。水辺からは、カイツブリの声が聞こえてくる。白い杭にとまっていたカワセミがダイビングして見事に魚をとった。群れになって飛んだのはカワラヒワ。遠くの岸辺に降り立ったカワラヒワは、まるで黒い豆粒のよう、その数、50羽ほどであろうか。
葦原に沿って歩くと小さな声が聞こえてきた。葦の間に見え隠れしているのは、セッカ。そのすぐ近くには、ホオジロの姿も見える。パリッパリッと乾いた音が聞こえてくる。オオジュリンだ。時折、飛び立って、また葦原に入っていく。白っぽい固体もいれば、色の濃い固体もいる。
葦原の奥の方でノスリが飛んだ。葦原を背景に飛ぶノスリの姿は、ゆったりとして余裕のある姿に見えた。「大きな心、広い視野で」そう語りかけているようにも見えた。
高いところから見下ろせる位置にある池には、コガモの姿がたくさんあった。独特のディスプレイの姿は、何とも微笑ましい。街中に残された大きな自然。散歩の人が、時折通るだけの静かなところ。いつまでも大切にしたい空間だ。
今日は、立春。暦の上の春ということだが、「立春」という言葉を聞いただけで、辺りの空気が春めいて感じられる。明け方は冷え込みが弱く、三月下旬並みの暖かい朝だったという。しかし日中は、気温が上がらず、真冬の寒さであった。
その寒さの中、近くの公園で、ほんのひととき、鳥たちとの出会いを楽しんできた。低い雲に覆われた空模様は、寒々としていたが、公園内を流れるせせらぎには、「春の小川」をイメージさせる温かみが感じられた。
そのせせらぎに、時折、姿を現すのが、ミソサザイ。時には、ウグイスやキセキレイ、シメ、シロハラ、ルリビタキなどが顔を出すことがある。嬉しいことに、今日は、ミソサザイが可愛い口を開けて鳴いている姿をじっくり見ることが出来た。ピーンと尾を立てて、何とも微笑ましい姿だ。
春の風を運んでくれたミソサザイ。ほんのひとときだったが、鳥たちとの出会いが、心を癒してくれる。
今日の日差しは、暖かくまるで春のようであった。今日は節分。四季の変わり目を指すのが本来の意味とか。今では、立春の前日だけが強調されているようである。
暖かい日差しの中、久しぶりに出かけた林は、ひっそりとしていて、カメラマンの姿もなく、鳥の声も聞こえてこない。こんな静かな雰囲気で鳥に出会えれば、どれほど嬉しいことか。そう思いながら、ゆっくり林の中を歩く。
暗い林の中で動いたのは、シロハラ。改めてその大きさに驚く。いつも何気なく見ていたシロハラだが、誰もいない林の中で出会うと、その存在感の何と大きいこと。今度は、メジロの声がした。暗くて写真は難しいなと思ったけれど、その愛らしさにひかれてシャッターを押した。
林の空気に慣れてくると、鳥の声が聞こえ、鳥の姿が見えてくる。アオジが苔むした切り株にちょこんと上ったのが見えた。さらにその奥には、シメの姿が見える。シメのすぐ後ろをさっと横切るように飛んだのは、ルリビタキのようだ。
林の中を、もう少し歩いてみると、目の前にルリビタキが現れた。こんな綺麗なルリビタキを独り占め。「本当に誰もいないの?」思わず辺りを見渡してしまった。嬉しい嬉しい出会いだった。
早いもので、1年の1/12が過ぎ、明日は、もう節分。昨日、少し遠い公園に出かけたので、今日は、久しぶりに近くの公園に出かけることにした。
公園に到着すると、早速、出迎えてくれたのが、アトリの群れ。カサコソと音を立てて、枯葉の中のカエデの実を啄ばんでいる。50羽近い群れが、一斉に枯葉を掘り返すので、カサコソ、ガサコソと凄まじい感じがする。キジバトやドバトが、その群れの中に舞い降りると、アトリは、一斉に飛び立つ。今シーズンは、アトリを初め、イカル、シメなどの群れが、あちこちで観察されているようである。先日見たイカルの群れは、バリバリと音立てて採餌していた。
アトリの姿が見えなくなると、シメ、カワラヒワが姿を見せた。やはりカエデの実を啄ばんでいる。こちらは、1羽とか2羽なので、静かにひっそりと啄ばんでいる。シロハラも姿を見せた。「ジュリ ジュリ ジュリ」すっかり葉を落としたカエデの木にエナガが2羽、姿を見せた。「ニー ニー ニー」今度は、ヤマガラの声がする。
少し離れたところから「ギュィ ギュィ ギュィ」と騒がしい声が聞こえてきた。ほどなくオナガの姿が見えた。次から次へと10羽ほどのオナガが飛んできたが、すぐに姿が見えなくなってしまった。
さっと奥の方で飛んだのは、どうもアオバトのようだ。少し待つと姿が見えた。やはりアオバトだった。しかし、アトリの群れが、ワァーと飛んできて、アオバトは、遠くに飛んでしまった。
松林の方に回ってみると、ビンズイがたくさん音も立てずに採餌している。こんなにたくさんいるのに、ビンズイは、とっても静かだ。
如月の公園で出会った鳥たち。わずかの時間に、ずいぶんたくさんの鳥たちに出会った。笑顔で迎えてくれたフィールドの皆様と、姿を見せ心癒してくれた、たくさんの鳥たちに心から感謝の一日だった。
車窓から雪化粧した男体山を含む日光連山が、前方にくっきりと見える。後方には、富士山。右手には筑波山。今日の目的地は、井頭公園。
公園の鳥見亭から見ると、カモたちが、ゆったりとくつろいだ姿を一望できる。オナガガモ、ヒドリガモ、マガモ、コガモ、ミコアイサ。久しぶりにたくさんのカモたちの姿を見て、心が和む。奥の方には、オオハクチョウの姿も見える。マガモに光があたって、緑色が光沢を帯び、とても綺麗だ。ここのカモたちの姿は、ステージにあがった俳優のように、一際輝いて見える。カワウも正装しているようで、とても綺麗だ。
公園をゆっくり回ると、ベニマシコの声が聞こえてきた。姿は、確認出来なかったが、心が弾んでくる。林の中で、さっと飛んだのは、ルリビタキ。今日は、2羽のルリビタキ(♂)に出会った。ジョウビタキ(♂♀)にも出会った。シロハラは、何度か林の中で飛ぶ姿を見た。
林の中で、静かに動いているのは、ビンズイ。何羽も姿が見える。杉林のところでエナガの声が聞こえてきた。エナガが忙しく動き回り、シジュウカラも飛んで来た。杉の中で見え隠れしているのは、キクイタダキ。一瞬、コガラの姿も見えたが、すぐに見えなくなった。マヒワにも出会った。コゲラは、一度に3羽も姿を見せてくれた。
「マガンがいるよ。」との声で振り返ると、あまりに近い。逆光なので、場所を移動し、撮影した。マガンの顔をこんなに近くで見るのは、初めてだ。あまりに近いと感激が薄くなるのは、贅沢だろうか。
風は吹いていたが、寒くはなく、鳥見をするには、絶好の日和であった。期待していたトラツグミには、出会えなかったが、ずいぶんたくさんの鳥たちに出会い、楽しい一日を過ごすことが出来た。ご一緒させていただいた皆様、お世話になりありがとうございました。
◇◇ これまでの 『とりどり日記』 ◇◇ | ||||||||||||
2005年 | 1 - 2 | 3 - 4 | 5 - 6 | 7 - 8 | 9 - 10 | 11 - 12 | ||||||
2006年 | 1 - 2 | 3 - 4 | 5 - 6 | 7 - 8 | 9 - 10 | 11 - 12 | ||||||
2007年 | 1 - 2 | 3 - 4 | 5 - 6 | 7 - 8 | 9 - 10 | 11 - 12 | ||||||
2008年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
2009年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
(戻る) | (Home) |