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今日で三月も終わり。弥生は、草の新芽、木々の芽吹きに春の訪れを味わい、日毎に膨らんでいく桜の蕾に、ひとときの夢を見る月。例年なら、住まいの近くの桜通りの桜は、満開の時期なのだが、ここのところの寒さで相変わらず蕾は固い。
今日、訪れた公園には、数種類の桜があって、それぞれに味わい深い趣があり、しばし、心癒される。それぞれの桜に名札がつけてあり、桜がバラ科であるということを改めて認識した。満開の花に赤味を帯びた葉が美しいオオウチザクラ。そのオオウチザクラにイカルが1羽、静かにとまってくれた。イカルのお花見。何とも嬉しい出会いである。
三月、四月は、花を愛でる月。そして花に絡めて鳥との出会いが楽しめれば、こんなに嬉しいことはない。今日の出会いに心から感謝。
鳥に関心を持つようになったきっかけは、手賀沼のコブハクチョウである。今朝、沼のほとりで、8羽のコブハクチョウの飛翔と11羽のコブハクチョウの飛翔を見た。颯爽と湖面を渡るように飛び、実に優雅で、夢のある絵画を見ているようであった。
鳥たちとの出会いは、本当に不思議である。身近な鳥、渡りの鳥、その地域でしか見られない鳥、珍しい鳥。楽しい出会い、思いがけない出会い、小さな出会い、大きな出会い。出会いの形は、色々だが、鳥に出会えた瞬間の感激は、いつも新鮮である。
1月に神奈川県で発見されたというキヅタアメリカムシクイ。発見者の方は、聞きなれない地鳴きを耳にして、日本初飛来というその鳥の存在に気がついたという。素晴らしい大発見である。しかし、その後、行方知れずとなっていたようだ。それが、最近、再発見されたとの嬉しいニュース。 私も一目会いたさに馳せ参じた。
流石にムシクイというだけあって、その動きは俊敏である。黄色い腰、両腋にある黄色い斑、そして黄色い頭頂の斑。この黄色が、可愛らしいを強調し、鳥の動きを目で追いながら、絶えず楽しい気分であった。鳥は小さかったが、心に残る大きな出会いとなった。
今日も、はっきりしないお天気。窓を開けて外を見ると傘をさして通る人の姿が見える。う〜ん。どうしよう。と迷ったけれど、やはり出かけることにした。ここ数日の寒さは、まるで真冬のよう。今日も厚手のジャケットを羽織りマフラーを巻いて出かけた。
沼のほとりに着くころには、雲の間から、わずかに青空が見え始めた。右手の方から飛んで来て、目の前の枯れ木の天辺にとまったのは、ホオジロ。つい数日前まで、しきりに聞こえていたアオジの地鳴きは、ほとんど聞かれなくなってきた。モズが、固い蕾をつけた桜にとまったり、沼のほとりの杭にとまったり、枯れた葦にとまったりしている。
ウグイスの地鳴きにつられて葦原を覗いてみる。ずいぶん緑の新芽が伸び、葦原も春らしくなってきた。数は減ったが、オオジュリンが数羽、葦から葦へと飛びまわっている。かすかに葦と葦の擦れ合う音がするだけで、静かな静かな葦原である。オオジュリンの姿が見られるのも、後、数日であろう。葦原の奥でコブハクチョウが羽繕いをし、ユリカモメが1羽、ふんわりと飛んで行った。沼のほとりは、だんだん寂しくなってくる。
寒の戻りというのだろうか。ここのところ寒い日が続いている。その寒さの中、久しぶりに湘南の海岸に出かけた。ぎらぎら太陽が輝く真夏の海は、私はあまり好きではない。特にたくさんの人で賑わっている海水浴場は、敬遠して近づかない。泳ぎが苦手ということもあるが、あのカラフルな夏の海辺は、あまり好きになれない。それに対してひっそりとした冬の浜辺は、私は好きである。
もう三月も終わりというのに、この寒さ。磯の香りいっぱいの潮風が吹き、体は、芯から冷え切った。それでも鳥との出会いがあれば、その寒さも吹き飛んでしまう。岩礁にとまったイソヒヨドリは、今まで何度か撮影したが、枝どまりのイソヒヨドリに出会ったことがなかった。枝にとまったイソヒヨドリ。ひととき寒さを忘れさせてくれた、この出会いに感謝。
三月も残り少なくなってきた。住まいの近くの桜通り、ソメイソシノがわずかに花開き始めたが、寒さで、花も震えているような気がする。昨日、久しぶりに訪れた上野で見た桜は、木によって色々。三分咲きもあれば、七分咲きもあり、実に多彩であった。
今日、久しぶりに近くの公園に出かけた。シダレザクラは、見事な花をつけていたが、ソメイソシノは、まだ固い蕾のまま。その固い蕾のところに姿を見せてくれるのは、ムクドリ。ヤナギは、柔らかい葉を風になびかせている。ハンノキには、新芽が遠慮がちに顔を覗かせている。そのハンノキに、ヒョイと飛んで来たのは、モズ。ハンノキから彼女へのプレゼントを物色中。モズも恋の季節になったようだ。公園の春は、これからが楽しみ。
二日間降り続いた雨も上がり、今日は、迷わず鳥見に出かけることにした。三月も残り少なくなり、固かった桜の蕾も一輪、また一輪とほころび始めている。
今日の鳥見は、静かな森の中。メジロの声が時折、聞こえてくるが、後は実に静かである。その静けさの中で姿を現したのは、シロハラ。藪の中で見え隠れしていたウグイスは、ほんの一瞬、姿を見せただけ。奥の方で動いていたクロジの♂が姿を現し、しばらくするとクロジの♀が姿を見せてくれた。今までクロジの♂を見る機会は多かったが、♀をじっくり観察する機会はなかったので、今日の出会いは嬉しかった。鳥は、見る角度によって、ずいぶん表情が違う。クロジに続いてアオジも姿を見せてくれたが、その表情を見ていると、鳥たちへの愛着が湧いてくる。
森の中は、寒くて体が冷え切ってしまったが、鳥たちの表情に心癒されたひとときであった。
ヤツガシラは、不思議な鳥である。興奮したときに扇状に広げるという、あの見事な長い冠羽。背と翼は、白と黒の縞模様で、尾は黒く、中央部付近に白斑があり広げると帯のように見える。冠羽を、扇状に広げ、白と黒の縞模様の翼を広げた姿は、あまりにも魅力的で目に焼き付いて離れない。
初めてヤツガシラに会ったのは、2005年3月。場所は、八潮市であった。たくさん並んだカメラマンのわずかの隙間に入れていただいて初めての出会いを楽しんだ。次に出会ったのは、2008年4月。多摩川の河川敷である。その数日後、与那国島を訪れたのだが、何故かヤツガシラに会えなかった。春の渡りのこの時期に与那国島でヤツガシラに会えないのは、非常に珍しいことであるとのこと。そして昨年、駒込の六義園での出会いの機会はあったのだが、あえて出かけようとしなかった。理由は、あの庭園に大勢のカメラマンが集まった情景を想像したからである。
今回、自分の住む千葉県でヤツガシラが見られると聞き、それではと重い腰をあげたのが2月の終わりごろ。今まで私の400mmレンズでは、歯がゆい思いの距離であったヤツガシラが、目の前の木にとまり、悠然としている姿を見たときの驚き。こんな出会いがあるから、鳥見はやめられないのかもしれない。
朝から雨になり、静かに時間が流れて行く。今日は、いくぶん寒さが戻ったような感があるが、それでも開花を待つばかりの駅前のソメイソシノは、春の訪れを喜んでいる風情である。これからは、一雨ごとに春らしさを増していくことだろう。
私の大好きな鳥のひとつがエナガである。あの小さな体で、木々の間を動き回る姿は、何とも愛おしく、あの忙しい動きに合わせてレンズを向けるときの心弾む思いは、何と表現したら良いのだろう。
そのエナガが巣材集めをしている場面に遭遇した。以前にも蜘蛛の巣を集めたり、羽を集めたりしている姿を見たことはあるのだが、結構、距離があったりして、なかなかゆっくり観察することは出来なかった。ところが今回は、あまりにも近く、目の前という感じであったので、こちらが焦ってしまい、折角のシャッターチャンスを不意にしてしまったような気もする。それはともかく、2羽のエナガが、一心に羽を集めている姿に、心打たれた春の朝の出会いであった。
曇り空ながら、穏やかなお天気。少し迷ったが、出かけることにした。かなり遅いスタートであったが、沼のほとりをゆっくり歩く。つい数日前まで、葦原でパキッパキッと音立てて採餌していたオオジュリンの姿が見えない。手の届くような距離にいても、平然と食事を続けていたオオジュリン。あの姿が見えないと何だか寂しい。
冬色だった桜の木は、蕾がずいぶん膨らんで、淡いピンク色に染まって見える。桜の木肌は、春に向かってピンク色に変わっていくと聞いたことがある。確かに桜の木肌の色は、冬色から春色に変わってきているようだ。その桜にモズがとまった。ちょっと振り返って高い高い木の上に飛んでしまったが、ほんのひととき楽しませてくれたモズ。まだ固い蕾のところには、アオジの♂♀がとまり、少し離れたところには、スズメが3羽飛んで来た。
コガモやカルガモは、沼のほとりでお昼寝中。ユリカモメの姿も少なくなり、バン、オオバン、カイツブリの声が、静かな湖面に響き渡っていた。
春の嵐が過ぎて、一段落。あちこちで木が倒れたり、枝が折れたり、風の強さを物語っている。今日は、青空も見えるし、公園の花もそろそろ見頃かもしれない。そう思って少し早めに家を出て公園に向かった。
ソメイソシノの蕾は、もうずいぶん膨らんで、優しく声を掛けてあげれば、一気に花開きそうな雰囲気であった。ピンクと白のハナモモは、真っ盛り。大寒桜は、すでに柔らかい黄緑色の葉が、たくさん出て、ずいぶん花が散りかけている。サンシュユは、今がちょうど見ごろ。水辺のラッパ水仙は、見事な花をつけ、誇らしげに見える。
ハナモモのところから、♪ツツピー♪ツツピーとシジュウカラの声が聞こえてきた。ハナモモの白い花の中でシジュウカラは、嬉しそうに動き回っている。ハナモモには、きっと美味しいご馳走があるのだろう。サンシュユの黄色い花のところには、寄りつかなかったシジュウカラ。真っ白なハナモモから弥生の空に元気いっぱい飛び出した。
公園のソメイソシノが咲く日も近い。
赤い脚と赤い嘴のエリマキシギ。昨シーズンも稲敷方面の蓮田で出会った。今シーズンも越冬していると聞いていたが、11月に出会って以来、なかなか出会いの機会が巡ってこない。その赤い脚のエリマキシギが2羽の♀のエリマキシギと一緒に一心に採餌している姿が、目に飛び込んできた。それもかなり近い距離である。出会いとは、こういうものかもしれない。
その蓮田には、やはり越冬個体のオオハシシギが5羽いて、3羽のエリマキシギと一緒に行動していた。何かに驚くと、この8羽が、一斉に飛び立つ。そしてしばらくすると、やはりその蓮田に8羽が戻ってくる。実にたくさんのタシギと4羽のタカブシギ、2羽のハマシギ、そしてヨーロッパトウネンの姿も見えた。きっと、この蓮田は、シギたちにとって魅力的な所なのであろう。大切にしたい場所である。
♪キーコーキー♪キキココキー♪イカルの鳴き声が聞こえてくる。以前、富士山麓で聞いたイカルの声は、まるで天使か妖精かと思えるほど神秘的であった。霧が立ち込め、あたりが全く見えない状況で、耳にしたからかもしれない。あの時のイカルの声が、いつも耳から離れず、イカルに出会うと、あの日の光景が思い出される。
イカルの姿を初めて見たのは、御岳の大きな大きな欅の木。2羽のイカルが飛んで来て、しばらく緑の葉の茂った欅で休んでいた。大きな黄色い嘴が印象的だった。あの日の光景も忘れ難いものである。
先日、公園で出会ったイカル。洞にたまった水を飲みにやってきた。洞の水は、鳥たちにとって大切な場所。レンジャクやアトリが、洞の水を飲みに来る場面は、何度か見たことはあるが、イカルが洞で水を飲む場面は、初めてであった。これもまた忘れ難い光景となることであろう。
時折、吹く風が、まだまだ冷たいとは言え、日毎に春らしさを増してくる今日この頃。久しぶりに田んぼに向かった。田んぼの畦には、柔らかな緑色の草が伸び始めている。菜の花もあちこちで見かけた。ホトケノザのピンクの花。ナズナの白い花。田んぼには、春の息吹がいっぱい。
水の入った田んぼに1本の長い竹竿が立っている。その先端にとまっているのはチョウゲンボウ。ツグミは、あちこちで見かけた。所々に見かける背の低い木には、スズメが鈴なり。電柱にとまっているのは、トビ。今日は、ずいぶんトビを見かけた。杭の上にとまっているのは、ノスリ。ノスリも間もなく姿が見えなくなることだろう。
水の入った田んぼには、ハクセキレイが何羽も飛び交っている。もう1枚の田んぼを見ると、そこには、懐かしいツルシギの姿。2羽のツルシギが、熱心に餌取りをしている。もうツルシギが飛来するシーズンになったのだ。真っ黒な夏羽になるまで、ゆっくり羽を休めてね。そう願いながら帰路に着いた。
春分の日、あるいは秋分の日の主旨はそれぞれ、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」と「祖先をうやまい、無くなった人々をしのぶ」となっている。その春分の日、あるいは秋分の日を挟んで前後3日間が彼岸である。そして今日は彼岸の入り。お墓参りをされた方も多いのではないだろうか。
久しぶりに菩提寺の山門をくぐると、わずかに数輪残った白梅と紅梅が出迎えてくれた。本堂の前のハクモクレンとシモクレンは、今が見頃。見事な花をつけている。ユキヤナギも真っ白な花をつけ、本当に雪が降ったイメージである。墓参の人も多く、行き交う人が、それぞれ「おはようございます。」と挨拶するのが、何とも清々しい。
昨日、ルリビタキに出会った。コブシのまだ蕾の固いところにとまって何を考えているのだろうか。時々ぐぜりが聞こえてくる。やがて囀りとなり亜高山帯へと移動していくことだろう。別れの日も、間もなくやってくる。コブシの花が咲く日も、もうすぐ。
河津桜の時期も過ぎ、大寒桜が見頃。そんな便りを耳にして、住まいの近くでは、なかなか見る機会のない大寒桜を見たくなった。桜は、どんな種類の桜であれ、花の時期になるとヒヨドリが、たくさん集まってくる。「桜とヒヨドリ」も良いけれど、出来れば、「桜とメジロ」とか「桜とシジュウカラ」といった春らしい雰囲気の写真を撮りたい。
大寒桜は、満開をやや過ぎた感があった。やはり一番多かったのは、ヒヨドリ。どうしてこんなに集まるのだろうと思うほどにヒヨドリがやってくる。メジロは、木の上の方で、なかなか撮りやすい位置に降りてきてくれない。♪ツツピー♪ツツピーやっとシジュウカラが飛んで来た。しかし、枝がシジュウカラの体を遮って思うように写真が撮れない。四苦八苦しているところにコゲラが現れた。コゲラの動きは、結構速くて、これまた思うような位置には、とまってくれないが、何とか大寒桜と一緒に撮影。
ヒヨドリ、メジロ、シジュウカラ、コゲラ。大寒桜のお花見は、今がたけなわ。
今日は、ずいぶん暖かな一日だった。沼のほとりをゆっくり歩いても汗ばんでくる。柳の柔らかな新芽が、かすかに吹く風に揺れて、清々しい。沼には、オオバン、バン、カイツブリ、ユリカモメ、コガモ、オナガガモの姿が見える。のどかでゆったりとした光景だ。
葦原のオオジュリンは、今日もパキッパキッと音を立て、一心に採餌中。すぐ近くを通っても平然としている。今は、帰る準備で、栄養補給に余念がないのかもしれない。葦原にも緑の芽が伸び始めた。今日もヒッヒッチャチャとセッカが一瞬、姿を見せた。弥生も半ばを過ぎて、葦原は、いよいよ春らしくなっていく。
今日は、曇りがちながら穏やかな一日だった。太陽が顔を出すと青空が広がり、すっきり爽やかな気分になれるが、鳥の撮影には、なかなか難しい。木の枝が、鳥の体に影となって写り、いつも残念な思いをする。今日は、そんな心配もなく撮影できると勇んで出かけたが、木にとまってくれたのは、モズとアオジ、スズメ、ムクドリくらいであった。
葦原では、オオジュリンが、大勢で飛び交い、実に賑やかである。葦に止まっている時間は、実に短い。何とか芽吹きの柔らかな緑を入れて撮影しようと試みるが、なかなか思うようにはいかない。ジョウビタキも参戦し、オオジュリンと競い合うように飛んでいる。セグロセキレイも2羽、仲間入り。アオジ、アカハラ、ツグミも見え隠れしている。遠くの葦には、セッカがとまり、チャチャ、ヒッヒッの鳴き声がかすかに聞こえた。
葦原には、確実に春本番が近づいている。
昨日、訪れた自然公園でツミの鳴く声を聞いた。「ケーケーケーケケケケ」あたりの空気を震わせるような鋭く気迫に満ちた鳴き声である。声のした方角に目をやると、土手の上の芽吹き始めた桜の木にツミの姿が見えた。桜の花の咲く頃に姿を見かけることが多いが、もう春本番が近づいているということを実感した出来事であった。
♪どこかで春が♪
作詞 百田 宗治
作曲 草川 信
どこかで「春」が 生まれてる
どこかで水が 流れ出す
どこかで雲雀(ひばり)が 鳴いている
どこかで芽の出る 音がする
山の三月 東風(こち)吹いて
どこかで「春」が 生まれてる
今日は、暖かな一日だった。朝は、ひんやりしていたが、気温がぐんぐん上がり、ジャケットもいらないくらいの暖かさであった。それでも久しぶりに訪れた自然公園には、日陰に雪が残っており、驚かされた。
公園内を歩いて、最初に出会ったのが、ジョウビタキ♀。続いてモズ。モズは、虫を咥えていたが、それを木に突き刺した。これが、モズのはやにえなのだろうか。ジョウビタキの♂にも出会った。シメも2羽、高い木の上から、葦原に降りてきた。
もう花が半分ほどになった梅の木には、シジュウカラが何度かやってきた。メジロが来ないかしらと、しばらく待ってみたが、何故かメジロの姿を見ることは、なかった。梅林の少し先のところで、ベニマシコの♂に出会った。すっきりしたところには、出てくれなかったが、姿が見られただけでも嬉しい。
今シーズン、なかなか出会いの機会のなかったミヤマホオジロの♂♀に出会ったのは、何より嬉しかった。ミヤマホオジロのあの独特の風貌が、私は好きである。もう少し背景のすっきりしたところに出て欲しかったが、それは、欲張りというものであろうか。
「ケーケーケーケケケ」とツミも鳴いて、いよいよ春も本番に入っていく。
昨日、あれほど強かった風は、すっかりやんで、今日は、青空と暖かい春の日差しの中で、ゆっくり、ゆったり少し歩いてきた。柳の新芽が、青空に映えて、美しい。桜の新芽も、日毎に大きくなっていくような気がする。
枯れた葦の根元近くから、聞こえてくる声は、バンのようだ。しばらく待ってみると、やはりバンが2羽現れた。少し離れたところには、オオバンもいる。コサギが1羽、ふんわりと飛んできた。
道を隔てた草むらから、アオジの地鳴きが聞こえてくる。ツツジの植え込みの所から、ヒョイと飛んで、新芽が出始めた木にとまったのは、アオジ。桜の咲くころになると、アオジの綺麗なさえずりが聞こえるようになる。色もだんだん綺麗になってくる。これからが楽しみだ。
沼のほとりは、いつも穏やかに時間が流れてゆく。
今日は、風の強い一日だった。葦原の葦もかなり風に揺れていた。昨日、あれほどたくさん姿を見かけたオオジュリンだが、流石に、この風の強さでは、枯れた葦にとまってパキッパキッと採餌するわけにもいかず、なかなか姿を見つけられない。枯れた葦が倒れたところに、一瞬、、オオジュリン2羽が姿を現したが、すぐに見えなくなってしまった。
沼のほとりに沿って歩くと、小鳥が、木からピョンと降りて姿が見えなくなった。しばらく歩くと、また木からピョンと降りる小鳥がいる。逆光で良くわからなかったが、その鳥はモズだった。風の中でも、モズだけは、元気よく、あっちに飛んだり、こっちに飛んだり実に良く動き回っている。沼の色は、青空を映して綺麗だったが、強い風の中で出会えたのは、結局、モズだけだった。
昨日は、真冬に戻ったような寒さで、昨晩、外を眺めてみると真っ白。桃の節句を過ぎて1週間も経つというのに雪景色を見るとは思ってもいなかった。雪の中の鳥たちの姿が、脳裏をよぎったが、今朝、起きてみると、あれは夢だったのかと思うほど、雪は跡形もなく消えている。寒さもいくぶん和らいだようなので、少し歩いてみることにした。
♪ケキョ♪ケキョ♪今日もウグイスの声が聞こえてくる。おぼつかない足取りで歩いている幼子のように、たどたどしい鳴き方だが、早春の息吹を感じ、ほのぼのとした気分に、しばし浸ることが出来る。アオジは、植え込みの近くの草むらで何やら熱心に啄んでいる。かなり近づいても逃げないで夢中で啄んでいる。葦原では、パキッパキッと音を立ててオオジュリンが一心に食事中。冬の初めに出会った頃は、警戒心が強く、すぐに飛んでしまったのに、手の届くような位置にいても今は、平然としている。
葦原では、ジョウビタキの♂にも出会った。今シーズン、ジョウビタキの♀には、度々出会ったのだが、♂に出会う機会が少なかった。春の訪れを感じさせる柔らかな芽吹きのところにとまったジョウビタキ。黒とオレンジ色のコントラストが一際映えて美しかった。
昨日、ウグイスの初鳴きを聞いた。♪ホーホケキョ♪でも、その鳴き方は、まだ不慣れで、たどたどしく、一声鳴いてすぐに止んでしまった。そのウグイスが、ほんの一瞬、白梅に姿を見せた。まさに、ほんの一瞬のことで、レンズを向けることも出来なかった。しかし、たどたどしいウグイスの鳴き声は、春の息吹を運んでくれ、寒さをひととき忘れさせてくれた。
もうひとつ嬉しい出来事は、柔らかい草の芽のところに姿を見せてくれたアオジ。まさに春の訪れを感じさせてくれる光景であった。水辺に生えたクレソンや、若草色の草の芽が、長い冬の眠りから覚めたということを告げている。淡いベージュ色の葦原に、少しづつ、緑色が見え始め、春の足音が、確実に近づいてきていることを実感する。
イラストレーター・ 絵本作家 ・里山アート作家として活躍されている大田黒摩利(おおたぐろ まり)さんの母娘展が、下記日程で開催されます。
日時: 3月22日(月)〜28日(日)11:00〜18:00 (22日は14:00から、最終日は15:00まで)
場所: ギャラリー久保田(地図)
大田黒摩利さんの作品は、身近な自然,特に里山の生き物を精密で優しさあふれる画風で表現し、夢を見させていただくことが多く、いつも心和ませていただいております。今から母娘展を楽しみにしております。皆様も是非、この機会にお出かけくださいますよう下田忠恵・大田黒摩利 母娘二人展のご紹介をさせていただきました。
弥生を迎えたのと言うのに、今日は、また真冬に戻ったような寒い日となった。海の風が冷たかった冬の日に出会ったシノリガモ。今日も元気に泳いでいるだろうか。
冬の浜辺は、波の音が何だか寂しい。浜辺を歩くと砂の音がキュッキュッとして、心に染みいるような気がする。イソヒヨドリの♀が、飛んで防波堤にとまった。砂浜を歩いているのは、ミユビシギ。ハマシギの姿も見える。
遠くの岩礁近くに見えるのは、シノリガモ。さらに遠くには、クロガモの姿も見える。シノリガモの♂の衣装は、まるで民族衣装をまとっているかのようで、何か心惹かれるものがある。ザボーンと大きな波が来た。その波に飲み込まれたように見えたが、シノリガモは、また元気な姿で泳いでいる。ベテランのサーファーというところだろうか。荒々しい冬の波もシノリガモには、心地の良いものなのかもしれない。
今日は、また雨になり、少々肌寒い日となった。こんな雨の日には、鳥たちは、どのようにして過ごしているのだろうか。
先日、早春の田んぼを回った。枯れ草の間から、柔らかな緑の芽が出始め、ハコベの白い小さな花、オオイヌノフグリの青くて可愛い花が目につき、春の訪れを実感した。田んぼの片隅に菜の花がびっしり咲いているところもあった。
そんな田んぼでハヤブサに出会った。かなり離れたところから電柱にとまっている猛禽らしい姿が、目に着いたのだが、逆光ではっきりせず、少しづつ近づいてみた。驚いたことに、この鳥は、かなり近づいても堂々と電柱にとまっている。以前、この近くでコチョウゲンボウに出会ったことがあるので、もしかしてコチョウゲンボウではないかとの期待があったのだが、どうも大きさが違う。ハヤブサの若のようだ。レンズを向けても、「どうしたの?」という顔をしてこちらをしげしげと眺めている。その表情が何とも可愛くて猛禽であるということを一瞬、忘れるくらいであった。
早春の田んぼでの思い出のひとこまである。
昨日、午後から降りだした雨は、朝には、すっかりあがり、太陽が顔を出している。どこにしようか迷った末、久しぶりに銚子方面に足を伸ばすことにした。カモメについては、全く知識を持たない私だが、青空を飛ぶカモメの姿を見るのも案外楽しいかもしれない。
自宅を出るとき、青空であったが、しかし、だんだん空模様があやしくなってきた。途中、すいぶん靄が出ているところもあり、海沿いは、どんなことになるのだろう。途中、立ち寄った漁港は、防波堤に1羽のミヤコドリとハマシギがびっしりと並んで羽を休めていた。波がドボーンドボーンと押し寄せてくるが、ハマシギのいる防波堤までは、届かず、ミヤコドリもハマシギもゆったりと休んでいる。
銚子漁港が近づいてくると、今まで暗かった空が、青空に変わってきた。漁港には、実にたくさんのカモメがいた。間近に見るカモメは、あまりに大きい。そのカモメたちは、車が近づいても全く飛ぼうとしない。しかし、こんなにたくさんのカモメをどのように撮影すれば良いのだろう。私にわかるのは、ウミネコとユリカモメくらいだ。でも会いたいのは、ミツユビカモメ。もしかしたらとの思いで必死に探してみるものの見つからない。
もう1箇所回ってみたけれど、やはりウミネコばかり。ところが岸壁に近いところで、ポツンと1羽、羽を休めているカモメがいる。その顔は、まさしくミツユビカモメ。今日も嬉しい出会いだった。
昨日の暖かさは、どこへやら、今日は、また寒い日となった。♪春は名のみの風の寒さや♪といったところだろうか。三月は、春の兆しを楽しみ春の訪れを味わう月と言えるのかもしれない。
先日、ケアシノスリのポイントでチュウヒに出会った。何時も良く出かける田んぼでもチュウヒに出会うことは、何度かあった。ノスリやチョウゲンボウあるいはハヤブサなどとは、動きが違うので、猛禽に弱い私でも、何となく、「ああ、チュウヒが飛んでくる。」と認識出来る。しかし、撮影となると、これが私にとっては、至難の技。いつも撮影した画像が、モヤモヤしている。
今回、ケアシノスリを撮影しながら、すぐ近くに飛んで来た鳥にレンズを向けた。何とか目も嘴も写っている。猛禽は、力強くて好きなのだけれど、撮影は、本当に難しい。
ぐずついたお天気が続いていたので、今日の太陽は嬉しかった。しかし、急用が出来、2時過ぎにようやく鳥見の時間がとれた。最初の目的地は、ずっと気になっていた都市公園。お目当てのトモエガモは、すでに去り、三脚を構えている人は、カワセミの出現を待っているようであった。ハクチョウやカモたちの旅立ちは、ずいぶん前から始まっているのを、十分知りながら、なかなか重い腰が上がらず、とうとう今日になってしまったことを改めて後悔している。
止まり木にとまったカワセミを2〜3枚撮ったが、どうも落ち着かない。明日からまたお天気が崩れるとの予報なので、帰路、梅の名所に寄ることにした。庭園の門に近づくと、梅の甘い香りが漂ってくる。ああ、これならメジロも来てくれるかもしれない。期待しながら梅園に向かう。紅梅も白梅も満開で、年配のご夫婦が二組、梅の花を熱心に撮影している女性がひとり。静かな佇まいで静かな時間が流れてゆく。
白梅が、かすかに揺れた。あっ!メジロだ。メジロが2羽、白梅の枝の中で動いている。もう暗くなりかけていたが、嬉しくなってレンズを向けた。
越冬しているシギたちに会いたくて、久しぶりに訪れた蓮田。赤い脚と赤い嘴のあのエリマキシギに会いたい。11月の初めに訪れたとき、出会った赤い脚と赤い嘴のあのエリマキシギ。しかし、蓮田には、タカブシギさえ姿が見えない。心当たりの蓮田をぐるぐる回ってみたが、ハマシギにも出会わない。こんなはずはないと、またぐるぐる回ってみた。やっと出会ったのは、イソシギ1羽。これでは、あまりに寂しい。
3回目に回ったとき、やっとオオハシシギ5羽の姿を見ることが出来た。このオオハシシギにも11月の初めに出会っている。今月末になれば、春の渡りの先陣が姿を見せることであろう。弥生の蓮田。これからシギたちとの出会いが楽しみになってくる。
今日は、もう3月。桃の節句も近づいて、春の気配をあちこちに感じるようになってきた。あまりすっきりしないお天気だったが、早春の田んぼを回ってみることにした。
オオイヌノフグリの青い小さな花と柔らかい草の芽が春の訪れを告げているが、雲が厚くどんよりとした空模様の中、田んぼを回っても、なかなか鳥に出会わない。やっと電柱にとまったハヤブサの姿を発見。顔には、幼さが残り、何とも可愛らしい目をしている。遠くを飛んだのは、タゲリ。タゲリが降りたあたりに近づいてみると10数羽のタゲリが畦道で羽を休めていた。その近くでは、タシギが6羽ほど熱心に採餌している。手前の畦道にいるのは、ホオジロ。ホオジロの近くの草の芽は、春の訪れを告げるかのように見える。
モズの姿は、何箇所かで見かけた。一番多いのが、電線の上だったが、枯れ草のところにもとまってくれた。頭の黒くなりかけたオオジュリンにも出会った。ヒバリも柔らかい草の芽の近くで2羽、見かけた。
少し大きめな鳥が飛ぶのが見えた。どうもチュウヒのようだ。遠くの畦道に降り、しばらくしてまた飛び立った。ノスリは、電柱にとまっていることが多かったが、田んぼに降りているのを2箇所で見かけた。最後に回った田んぼでキジの♂5羽に出会った。
早春の田んぼ。ゆっくり回れば、まだまだ、いろいろな発見がありそうだ。また近いうちに春を探しに出かけてみよう。
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