Home > とりどり日記(2011年3月) >> 過去のとりどり日記
[写真はクリックすると大きくなります]
東北地方太平洋沖地震で被災された方々の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
今日で三月も終わり。3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震から、3週間近くの時間が過ぎた。確実に時を刻み、時間が過ぎて行く。季節も変わりつつある。被災地に一日も早く春が訪れてくれるよう願っている。
季節が移ろいつつあるなかで、鳥たちの移動も始まっている。1月の終わりに葛西臨海公園に飛来し長い間、たくさんの人たちを楽しませてくれたギンムクドリ。春の気配を敏感に感じ取ったのだろうか。3月29日を最後に姿を見せなくなったという。たまたま3月29日にヒメオドリコソウの中で熱心に採餌している姿を見ることが出来た。桜の開花を待ちわび、桜とギンムクドリを夢見ていたのだが、残念である。無事に目的地にたどり着けるよう祈っている。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
今日は、川沿いに少し探索してみた。♪チョッピイ チュチュ チュチュリー♪元気な声が響き渡る。どこで鳴いているのだろう。しばらく声のする方角を探す。対岸の菜の花の先端にとまっているホオジロの姿を確認。やっと確認出来たと思ったら、飛ばれてしまった。川には、コガモ、カイツブリがゆったりと泳いでいる。
葦原の方を回ってみるとオオジュリンが遠くに見える。スズメの群れは、木にとまって賑やかだ。枯れた葦が揺れた。葦と葦の隙間からレンズを向けると何とホオアカ。この冬、ずいぶん探したのだが、見つけることの出来なかったホオアカ。昨シーズンは、ずいぶん出会いの機会が多かったのに、何故か会えなかった。もうすぐ旅立ちであろう。別れの前にほんのひととき、姿を見せてくれた。嬉しい出会いであった。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
今日は、少し早起きして、久しぶりに公園に向かった。公園の桜は、木によってまちまちだが、ずいぶん蕾が膨らんできている。今日のように穏やかで暖かい日が続けば、週末には、桜の開花が楽しめるかもしれない。
公園内をゆっくり歩くと植え込みのところからアカハラが姿を見せてくれた。まだカメラを準備していなかったので、急いでカメラを準備したのだが、植え込みの暗い所に入ってしまって残念ながら撮影出来なかった。蕾のずいぶん膨らんだ桜の木には、ヒヨドリがとまり、元気いっぱい鳴いている。葦原のところで何やら動いていたのは、クイナ。枯れ草色の葦原にわずかに緑色が見え始めている。クイナも春の訪れを楽しんでいるように見えた。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
今日は、穏やかなお天気となり、ベランダから見える植え込みの木々も、わずかに葉を揺らすだけである。いつも利用している交通機関が、ほぼ1週間運休状態が続き、何とも不便な日々を過ごしたが、休日ダイヤで運転するようになり、ほっとしている。
昨日、久しぶりに様子を見に出掛けた蓮田で、たくさんのタシギを見かけた。ひとつの蓮田に20~30羽固まって一心に採餌しているところもあった。蓮田と言っても、蓮が見えるわけではなく、枯れた蓮の茎がわずかに見えるだけである。そこにあの独特の長い嘴のタシギが、たくさん集まっている姿は、何とも凄い。手賀沼周辺では、見かける機会が少なくなったタシギ。ほんのひととき、嬉しい出会いであった。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
昨日吹き荒れた風も、今日はずいぶん静かになり、青空も見えるので、ずっと気になっていた蓮田の様子を見に出掛けることにした。途中の道路は、亀裂が入ったり、電柱も傾いたり、通行禁止の橋もあったり、地震の大きさを知ることとなった。民家の屋根瓦もかなり被害を受けたようでブルーシートがかかっているのをずいぶん見かけた。
例年、春のお彼岸の頃に見られるというツルシギに会えればとの淡い期待もあったのだが、今日、見かけたのは、エリマキシギ3、コアオアシシギ2、タシギは、あちこちでたくさん見かけた。嬉しかったのは、♪ピチュピチュピチュと元気な声を聞かせてくれた、たくさんのコチドリたちの姿である。幼子のような足取りでチョコチョコと動き回るコチドリとの出会いに、活力をいただき、沈みがちな気分が、久しぶりに明るくなっていくのを感じた。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
昨日とは、打って変わり、風の強く吹き荒れる一日となった。あまりの風の強さに窓越しに見えるキョウチクトウやフェニックスは、右に左にゆさゆさ揺れ、行き場がないように見えた。青空は見えても春は、まだまだという感じである。
昨日、回った田んぼでは、菜の花をずいぶん見かけた。菜の花は、やはり春らしさを感じ、心和む思いがする。青い小さな花のオオイヌノフグリ。ピンクの優しい色合いのホトケノザ。白い小さな花のナズナ。桜の花を楽しむ前に、これらの野の花をゆっくり愛でる機会は、本当に嬉しい。今日の強く吹き荒れる風は、昨日見かけた野の花を一層、愛おしく思い起こさせてくれた。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々のご苦労の日々を思い、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
今日は、太陽が顔を出し青空も見えてきた。今日も近くの田んぼを一回り。あぜ道には、菜の花が咲き、オオイヌノフグリの青い小さな花がいっぱい。優しいピンクのホトケノザも一面に咲き誇っている。ヒバリのさえずりも春の歌を告げているかのようだ。野の花と一緒に小鳥を撮りたいと願ったが、なかなか願いは通じない。
田んぼをさらに一回り。菜の花のところに姿を見せてくれたのは、ツグミ。ツグミも、旅立ちの日が近づいていることだろう。田んぼには、春の風が吹きぬけてゆく。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
昨夜から、かなり冷え込み、寒さが戻ってきたような感がある。郊外では、雪が降ったところもあったようだ。どんよりした空模様であったが、近くの田んぼを回ってみた。ほんの一部であったが、水の入っている田んぼがあり、コチドリ2羽の姿を確認することが出来た。コチドリの姿を見ると「春」を実感する。風は冷たく、春は、まだまだ遠いという感じであったが思いがけず嬉しい出会いであった。
さらに、もう一回りしてみると、スズメの群れ、オオジュリン、カシラダカ、ヒバリ、ツグミの姿を見ることが出来た。オオジュリンは、夏羽に換羽中のようで、個体によっていろいろ。かなり黒くなりかけているオオジュリンの姿も見ることが出来た。確実に季節は巡り、春が近づいている。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
昨日、一昨日と雨が降り、鳥たちはどうしているだろうかと気になった。二日間、雨が降ったので、鳥たちの動きが活発かもしれない。冬の間、楽しませてくれたジョウビタキやルリビタキ、シロハラなど旅立ちの日も近いことだろう。そう考えながら公園に向かった。
公園に到着すると、カワラヒワの鳴き声が聞こえてきた。メジロの声もする。シジュウカラも飛んできた。ルリビタキが一瞬、姿を見せたが、すぐに暗い木立の中に消えた。♪ジュリジュリジュリ♪エナガの声だ。エナガは、相変わらず忙しく動き回る。なかなか良い位置には、姿を見せてくれない。すると目の前にエナガが飛んできた。緑の葉の上で、とても綺麗だったが、あまりに近すぎて撮影出来ない。後ずさりしている間に、飛ばれてしまい姿を見失ってしまった。手の届きそうな位置に姿を見せてくれたエナガ。あの瞬間のどきどき感が今も残っている。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
昨日、一日降り続いた雨。今日は、お昼ごろには、雨が上がるとの予報であったが、今日もまた一日、悲しげに降っている。何事もない平和な日々が続いているときには、雨が降っても潤いを感じ、時には、癒され元気をいただくことすらあるのに、昨日、今日と降り続く雨の何と物悲しいことだろう。
時折聞こえるヒヨドリの声が、妙に嬉しい。ベランダに出てみると、すぐ目の前のエゴの木にヒヨドリがとまって辺りを見渡している。たったそれだけのことなのだが、今まで気がつかなかった新鮮な感動だ。♪ピーピーピー♪元気良く鳴きながらサンゴジュの方に飛んで行った。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
今日は、予報通り雨となり、スズメやヒヨドリの声を聞きながら新聞に目を通し、本を読む。避難所で過ごされている方々、被災された方々のことを思うと何とも複雑な心境であるが、静かに時は流れてゆく。
雨の降った後の木々には、水滴がついている。その水滴の一滴一滴が愛おしく思える朝。ジョウビタキが紅梅に姿を見せてくれた。冬の間、楽しませてくれたジョウビタキの旅立ちの日も近いことだろう。春は、もう目の前。一雨ごとに春らしさを増してゆく。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
今日は、午後から雨の予報であったが、一日晴れ間が見え、穏やかなお天気であった。太陽が顔を出し、青空が見えるとやはり嬉しい。いつも利用している交通機関も休日ダイヤの5割の運転ながら、動いてくれたので、久しぶりに利用することが出来た。今日は、お墓参り。菩提寺の山門をくぐると紅梅、白梅が優しく迎えてくれた。紅梅は、ほぼ終わりの感があるが、白梅は、ちょうど見頃。梅の時期は、もう終わっていると思っていたのだが、その木によって場所によって違うのだろう。
穏やかなお天気の日に沼のほとりを歩いてみた。葦原では、オオジュリンがパキパキ音を立て一心に採餌している。まだ固い蕾の桜の木には、モズがとまり尾を振っている。沼を見渡すようにアオサギがゆったりと杭にとまっている。青い小さな花のオオイヌノフグリには、柔らかな日差しが降り注ぐ。静かな静かな沼のほとり。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々に一刻も早く救援物資が、そして支援の手が届きますように。
天気予報では、晴れとなっていたが、朝早くは、かなり雲が出て、肌寒いほどの天候であった。しばらくして太陽が顔を出すとずいぶん暖かい。太陽の力は、本当に素晴らしい。このエネルギーを、この暖かさを被災地の方々に届けてあげたい。
久しぶりの公園で出会ったのは、カワラヒワ。田んぼでは、群れとなって飛んだり、電線にとまったり、田んぼに降りて採餌したり、たくさんのカワラヒワを見かける。公園で見かけるカワラヒワは、それほど数多くない。青空を背景に杉の木の天辺で、♪ツィツィツィ♪チュチュチュと鳴いていた。春を告げる声だろうか。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々に少しでも早く救助の手が届きますように。
昨日は、真冬に戻ったような冷え込みがあり、雪の降っていた地域もあったようで、灯油もなかなか届かないという避難所では、どれほど寒かったことだろう。今日は、いくぶん寒さが和らいだとは言え、吹く風の何と冷たいことだろう。
いつも利用している交通機関がほとんど運休状態なので、今日は、ガソリンを入れるために2時間半ほど並んだ。その列がなかなか進まないので、せめて近くに何か鳥でも飛んできてくれないかしらと回りを見渡すとスズメ、ツグミ、ハクセキレイ、ムクドリ、キジ♂、青空には、チョウゲンボウが飛んで、ガソリン待ちの間に久しぶりに鳥見が出来た。
先日、公園で出会ったのは、メジロ。河津桜が咲き始めたころ、メジロが飛んできて、蜜を吸って飛んで行く。メジロには、花が咲き始めると、甘い香りが漂ってくるのがわかるのだろう。河津桜が、まだ咲き始めたころで、とても嬉しい出会いであった。春も少しずつ近づいている。
東北地方太平洋沖地震で被災された方々の一刻も早い救助と復興をお祈り申し上げます。
今日は、関東地方でも冷たい風が吹きまくり真冬に戻ったような感がある。被災地の冷え込みは、いかばかりであろう。いつも利用している交通機関がほとんど運休状態で不便この上ないのだが、被災地の方々の辛さ、困難さを思えば、我慢、我慢。今日の冷え込みで電力の需要が増えたため交通機関が、さらに本数を減らしていくという。
先日、公園でイカルに出会った。♪キーコーキー ♪キキココキー イカルの声が聞こえてくると何年も前に御岳で初めて出会った2羽のイカルの姿を思い出す。あのとき、大きな大きな欅の木に2羽のイカルが飛んできて、しばらく羽を休めていた。初めて見るイカルの姿に目が釘付け。新鮮な思いでイカルの姿を観察したあの日のことが懐かしい。
東北地方太平洋沖地震で被害にあわれた方々の一刻も早い救助と復興をお祈り申し上げます。
三月に入って雪が舞い、近くの田んぼは、いつもと違う顔を見せてくれた。この日、身近な鳥たちに、たくさん出会った。いつもは、土の色と同化してしまうためなのか、それとも別の場所で採餌しているのか、これほどたくさんの鳥たちの姿を見かけることはない。
雪で一面白くなったところに、カシラダカやヒバリ、タヒバリ、オオジュリン、カワラヒワ、ツグミなど一心に餌とりしている姿が、何とも愛おしくて胸打つものがあり忘れられない光景として目に焼き付いている。
東北地方太平洋沖地震で被害にあわれた方々の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
三月に入って思いがけず雪が舞う日があった。普段見慣れた風景も雪が降ると違ってくる。私の大好きな田園風景も雪景色に変わり、一面に雪に覆われた田んぼにオオジュリン、ヒバリ、タヒバリ、カシラダカ、ツグミ、カワラヒワ、タゲリの姿が見えた。いつもは、鳥たちの姿が少ないと思っていたのだが、雪の上なので目立つのだろうか。ずいぶんたくさんの鳥たちの姿を見ることが出来た。ヒバリもタゲリもツグミもオオジュリンもカシラダカもタヒバリもカワラヒワも皆、みんな、皆、熱心に餌取りしていた。
雪が鳥たちの姿を浮き彫りにしてくれた一日であった。
東北地方太平洋沖地震。被害の実態が明らかになるほど、胸痛む思いがし、一刻も早い救助と復旧を祈っております。
先日、11日、地震のあった日、出掛けた先で出会ったのは、ホオジロ。あの日、驚くほど、たくさんのホオジロに出会った。本当は、ミヤマホオジロに会いたかったのだが、ミヤマホオジロにもカシラダカにも出会うことなく、ホオジロとアオジの姿をたくさん見かけただけであった。枯れ草の中から、アオジとホオジロの声が聞こえ、そっと近づいても、ワァーと一斉に飛び立つ。あのとき、鳥たちは、案外、地震を予感していたのかもしれない。
あの日、ミヤマホオジロに出会えなかったので早々と帰宅した。何が幸いするかわからない。ミヤマホオジロに会えなかったことで難を逃れた出来ごとである。
このたびの東北地方太平洋沖地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
先日、久しぶりに訪れた馴染みの公園。普段は、散歩の人が行き交う静かな公園。ここ一ヶ月ほどバタバタと人の出入りが激しく落ち着かない。私の一番好きな公園なのだが、何とも落ち着きのない公園になってしまっている。それ故、足が遠のいていた。
久しぶりに訪れてみるとルリビタキが愛想良く出迎えてくれた。思えば、今シーズン、ルリビタキとの出会いは、案外少なかった。あっちにとまったり、こっちに飛んできたり、このルリビタキは、ずいぶんサービス精神旺盛である。春らしさを増してくると、ルリビタキとお別れの日も近いことだろう。
2011年2月27日~3月2日まで、冬の道東を訪れ、野鳥たちとの出会いと冬ならではの北海道の景色を楽しんできた。体調の不安を抱えつつの旅であったが、思いがけない鳥たちとの出会いに心癒され、新たなエネルギーを頂いた感謝の旅となった。
初日の2/27釧路空港に到着したのが、10時半過ぎ。想像以上に暖かいことに驚きながら、最初の探鳥地である阿寒丹頂の里へ向かった。ここでは、タンチョウが右奥にかたまっていた。以前、訪れたときは、ハクチョウたちの姿もあったが、今回は、全く姿を見なかった。タンチョウの舞いを何とか絵になるようにと願ったが、わずかの時間で、それを実現することは、困難であった。しかしオジロワシのバトルも見ることが出来たし、まずまずの初日のスタートであった。
二日目の2/28。早朝の雪裡川・音羽橋付近では、冬の間、タンチョウがねぐらとしているため、川霧の中のタンチョウの姿を撮影するのが狙いであった。しかし、けあらしが発生するためには、かなり気温が下がらなければならない。氷点下20゜C以下という厳しい寒さである。残念ながら今年は暖かく、川で休むタンチョウたちの姿をカメラに収めるにとどまった。
しかし、この日は、この後、いろいろな鳥たちとの出会いが待っていた。まずウソの群れとの出会い、そしてオオマシコとの出会い。さらには、イスカとの出会いまでも。イスカは、1月に訪れた道南で残念な思いをしているだけに、今回の出会いは、殊更嬉しかった。写真に収めることは出来なかったが、イスカの♂が♀にマツボックリをプレゼントする求愛給餌まで見ることが出来た。
また、根室付近の漁港では、コオリガモ♂♀、クロガモ♂♀、ウミアイサ♂♀、シノリガモ♂♀、ウミスズメ、ハシブトウミガラス、カワアイサ♀などをかなり近い距離で観察することが出来た。
三日目の3/1は、根室付近の漁港と風連湖から野付方面を回り羅臼へ向かう予定である。漁港では、この日もコオリガモ♂♀との出会いを始め、陸にあがったウミアイサ♂の姿をゆっくり観察。風連湖では、オジロワシ、オオワシ、タンチョウの姿を観察した。あいにくの空模様ですっきりした撮影が出来なかったことが心残りである。
羅臼へ向かう途中の野付方面で、嬉しいことにオオモズとの出会いが実現した。かなり距離があったので、かろうじてオオモズとわかる程度の画像しか残せなかったが、奥日光で叶わなかった夢が実現し、心に深く残るものとなった。
この日の夜は、シマフクロウの撮影が主たる目的となっていた。昨年11月に訪れたときは、かなり寒かったが車の中からの撮影であったので、距離が近く撮影しやすかった。今回は、宿泊する宿の室内からの撮影であった。事前に得た情報をもとにかなりシャッターを押したが、満足のいく写真は、なかなか撮影できないものである。しかし、室内からの撮影であったので暖かかったのが私にとっては何より有難いことであった。
最終日の3/2。この日は、流氷船に乗ることになっていた。今まで冬の道東を訪れても、流氷船に何故か縁のなかった私だったが、今回、初めて流氷船に乗ることが出来た。あまり良い気象条件ではなかったので、日の出も青空も望めなかったが、オオワシ、オジロワシをかなり近い距離からゆっくりじっくりたっぷり観察、撮影することが出来たのは、旅の締めくくりとして嬉しいことであった。
冒頭にも触れたように、体調の不安を抱えての冬の道東の旅であったが、思いがけず暖かい冬であったため、無事に三泊四日の旅程を終えることが出来、ただただ感謝あるのみである。
冬に道東を訪れることの楽しみのひとつは、オオワシとの出会いである。もちろんオオワシの飛来は、北海道だけではない。琵琶湖、諏訪湖、涸沼、中禅寺湖など、オオワシが飛来することで良く知られているところである。しかしオオワシをかなり近い距離でゆっくり観察出来るのは、冬の道東ならではであろう。
今まで冬の道東を訪れたことは、何回かあったのだが、流氷船に乗ってオオワシやオジロワシを観察する機会に、何故か恵まれなかった。今回、流氷船に乗船する予定日は、3/2であったから、もしかすると、またもや乗れないのではないかとの不安があったが、雪降る中、流氷船は、出港した。
初めての流氷船。流氷船の甲板から見るオオワシやオジロワシ。日の出のオオワシとか青空のオオワシとか、色々夢はあったが、雪降る中のオオワシもまた、なかなか良い出会いであったと思う。
コオリガモには、今まで何回か出会ったことがある。初めて出会ったのは、千葉県。2005年12月の良く晴れた日、防波堤沿いに歩いているとき、かなり近くで観察することが出来た。あのとき、アォ アォナーという声でディスプレイしている姿も見ることが出来たのだった。
北海道でも何回か出会っている。今回もかなり近い距離で、♂♀数羽の姿を観察することが出来た。海中にもぐって餌取りしている姿も今回見ることが出来た。しかし、すぐ近くには、カモメがいて、横取りしようと1羽のコオリガモに複数のカモメが群がっている。生きるために何とも凄まじい戦いだ。コオリガモが、何とも愛おしく思えたひとこまである。
昨年12月、初冬の奥日光を初めて訪れた。赤沼のバス停で私が下車すると、残った乗客は、1名という寂しい時期の奥日光である。そのような時期の奥日光を訪れた理由は、オオモズに会いたかったからである。しかし残念ながら、そのとき、ひとりでオオモズを探すことは出来なかった。
今回、思いがけず、北海道で、かなり距離はあるもののオオモズの姿を見ることが出来た。バード・ガイドN氏の鋭い観察力に心から感謝の出来事である。この時期、北海道で見られるモズは、オオモズしかいないとのことであるが、移動中の車中から、かなり離れた位置の鳥を見つけたことだけでも驚いている。それも、かなり暗い日であった。奥日光で叶わなかった出会いが、北海道で叶った。嬉しく心に残るひとこまである。
シマフクロウは、コタンコルカムイ(「村を守る神」)、あるいは、カムイチカブ(「神の鳥」)としてアイヌの人々からあがめられてきた。そして、その容貌から「森の哲学者」とも呼ばれている。世界最大のフクロウの1種で、1971年に国の天然記念物に指定されている。
今まで何回かシマフクロウを観察し、撮影する機会があった。ストロボを使っての撮影が、昨年から禁止となり、今回も投光器からの光を頼りに撮影した。今回は、雪降る中での撮影であったので、どのような雰囲気に撮影出来るか、少なからず期待はあった。2月に訪れた知人から、赤味を帯びたり、青みを帯びたり不自然な画像となるので、とにかくたくさんシャッターを押すようにとのアドバイスをいただき、今回は、とにかく押しまくったというのが実情である。
この日、シマフクロウは、4回姿を見せてくれた。この時期にしては、珍しいのではないかと思う。何とか1枚見られる画像があればとの思いから、メディアの残量を気にしながら、ずいぶんシャッターを押した。これもまた良い思い出となるであろう。
1月に道南を訪れた際、イスカのかなり大きな群れを目の前にして、1枚もシャッターを押さなかったことが、何とも心残りであった。辺り一面雪で覆われた公園の上空、真っ青に晴れ渡った空を鳴きながら飛んでいったイスカ。あのときの真っ赤なイスカの群れが、いつまでも目に焼き付いて離れなかった。
そのイスカが松の木にとまっている。青空を背景に、目の前の松の木で、じっとしている。不思議な夢を見ているような感覚であった。2006年5月に裏磐梯で出会ったことはあったが、あのときは、ただ夢中でシャッターを押していただけであった。今回は、イスカをイスカとして見る余裕があった。思いがけなく嬉しい出会いであった。
冬の道東を訪れるにあたり楽しみにしている光景のひとつが、早朝の音羽橋である。川の水温が外の気温より高いこと、川の中は、外敵から身を守りやすく安全であることから、雪裡川・音羽橋付近は、冬の間、タンチョウがねぐらとしていることで知られている。前回、訪れたときは、あまりの寒さに人差し指が凍傷になってしまったが、今回は、かなり気温が高い。当然、けあらしは望むべくもないが、川で休んでいる遠くのタンチョウの姿をカメラに収め早朝の音羽橋の光景をゆっくり楽しんだ。
そのあと、しばらく車を走らせるとウソの群れに遭遇。続いてオオマシコも数羽。今シーズン、ウソは、奥日光で、オオマシコは、山梨県で出会っているが、北海道で出会うと、また気分が違って新鮮味を増す。音羽橋の光景を撮るために短いレンズしか持ち合わせていなかったことが、何とも心残りであるが、二日目の朝の嬉しい出会いであった。
冬の道東を訪ね、初日の阿寒丹頂の里では、オジロワシにも出会った。阿寒丹頂の里でタンチョウの撮影の合間に、お隣にいらした撮影歴40数年とおっしゃる方が、ご親切にいろいろ教えてくださった。まず全体を良く見渡すようにとのアドバイス。もうひとつは、時期的に給餌の量を少しづつ減らしているとのこと。前日は、オオワシの姿も見えたということも。
タンチョウの給餌の時間が近づいてくると、まずトビがたくさん集まってくる。そしてオジロワシの登場。この日、雲が多く、青空は望めないと思っていたのだが、給餌の時間が近づくにつれて青空が、少しずつ見えはじめてきた。何とか青空のところでオジロワシを撮影しようと悪戦苦闘。オジロワシの成鳥が、なかなか思うようなところを飛んでくれず、若鳥ばかりが目に付く。あっという間に、激戦は終わり、オジロワシもトビの姿も見えなくなった。
2/27~3/2まで、冬の道東を訪れ、野鳥たちとの出会いを楽しんできた。何より思いがけなかったのは、初日の2/27、釧路空港に到着したときの気温である。「海辺にある都内の公園より北海道の方が、暖かかったですよ。」と言う知人の言葉を思い出しながら、最初の探鳥地である阿寒丹頂の里に向かった。
冬の道東には、今まで何回か訪れたことはあるのだが、タンチョウ、オジロワシ、オオワシに今一度会いたい、撮影したいとの思いから、今回、思い切って出掛けることにした。体調が今一つの中での出発であったので、寒さがそれほどではなかったことが、私にとっては、とても有難いことであった。
阿寒丹頂の里では、午後2時の給餌に合わせてカメラマンが集まってくる。それは、タンチョウの餌を狙って現れるオジロワシがバトルを繰り広げるからである。私が、今回撮影したかったのは、青空を飛ぶタンチョウ、林をバックに飛ぶタンチョウ、タンチョウのディスプレイである。求愛のディスプレイの場面は、ずいぶんあったのだが、何分にもたくさんのタンチョウがいて、肝心のときに、その前に別のタンチョウが現れ、視界を遮られてしまう。そのように残念なシーンばかりであった。でも、たくさんのタンチョウに出会えただけでも、十分である。
冬の道東で出会った鳥たちをゆっくり紹介させていただきます。
春一番が吹いた日、ムクドリの群れが懸命に飛ぶ姿を見た。その数、100羽は、優に超えると思われる。それは、海の中を泳ぐ魚の群れのようでもあり、何とも不思議な生命力を感じた。その群れの中に、ホシムクドリとかギンムクドリとかバライロムクドリは、いないかなと一瞬思ってみたが、あっという間に、そのムクドリの群れは、視界から消え去っていた。
公園では、ムクドリの群れの中にギンムクドリがいた。ムクドリには、失礼だが、やはりギンムクドリは、美しい。早春の朝日を浴びて、そのギンムクドリは、元気良く飛び回り、時には、枝にとまって楽しませてくれた。
今シーズン、比較的出会いの機会が多かった猛禽は、ノスリ。ノスリは、優しくて静かなイメージがあり、猛禽の中でも、親しみやすさを感じる鳥である。その顔立ちを見ると、猛禽とは思えないような、おっとりした雰囲気が漂っている。
そのノスリを2羽、同時に観察、撮影する機会が巡ってきた。いつも見るノスリよりも、ずっと精悍な印象で、眼光鋭く、やはり猛禽なのだという思いを抱かせた。しかし、全体の雰囲気は、おっとりと静かで、平和な田んぼにふさわしいという思いを強くしたことであった。