とりどり日記

[ 2009年 8月 ]

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2009/8/31 雨降る日に

チュウジシギ

朝から雨が降り続く中、今日も田んぼを回ってきた。台風が近づいて、雨脚も強く、風も結構吹いている。いつもは、心地よく感じる田風だが、今日の風は、ただただ冷たく黄金色の稲穂の上を吹き抜ける。早くも収穫の終わった稲田は、見ていても安心だが、これから収穫作業に入る稲田は、どうなることかと他人事とは思えない。鳥に関心を持ち、最近、特にシギ・チに興味を持つようになって、田んぼめぐりをしているうちに、稲田への愛着も増してきた。

昨日まで乾ききっていた休耕田も、今日の雨で、かなり雨水が入り、渡りの鳥たちが、立ち寄ってくれたら嬉しいのだがと思いながら田んぼを回っていると、青々とした草むらの中に、じっとしているジシギの姿を見かけた。車のガラス越しにじっくり観察して、ゆっくり窓を開け、おもむろにレンズを向ける。チュウジシギのようだ。ああ秋だなあとしみじみ思う。雨脚が一層強くなったので、台風の被害がないよう祈りながら田んぼを後にした。

2009/8/30 ようこそ!

トウネン

今日は、雨予報。雲が厚く、今にも雨が降り出しそうだったが、今日も田んぼに向かった。途中、少しパラパラと降り出したが、田んぼに着いたときには、雨がやんでいた。

田んぼの水が、ほとんどなくなって干上がっている状況の中、ほんの少し水を残しているところがある。シギたちが立ち寄るには、絶好の水たまりだ。そこは、餌も豊富なのか、先日は、ヒバリシギやタカブシギ、エリマキシギなどを見たところだ。今日は、トウネンを間近に見ることが出来た。トウネンは、私の大好きな鳥のひとつである。あの小さな体で、長い長い旅路を飛んで、よくぞ日本に立ち寄ってくれたと、心から愛おしく思う。

いつの間にか、また雨が降り出し、雨脚がだんだん強くなってきた。トウネンが無事に旅を続けられるよう祈りながら田んぼを後にした。

2009/8/29 田風は秋色?

アカアシシギ

暑いとはいえ、吹く風にも空の色にも秋の気配を感じるようになってきた。昨日、回った田んぼは、大分収穫作業が進んでいる様子で、稲刈りの済んだ田んぼをずいぶん見かけた。黄金色の稲穂も秋の訪れを感じるが、稲を刈り取った後の田んぼは、一抹の寂しささえ感じる初秋の風景である。

昨日コアオアシシギを見た田んぼに、1羽の脚の赤いシギの姿があった。先日訪れたときは、前日までアカアシシギがいたとのことで、かなりがっかりした場所である。アカアシシギに会いたい!ずっとそう思い続けていたら、目の前にアカアシシギが現れたのだ。それも青色のつゆ草と赤色のイヌタデの揺れる畦にあがって。ちょっと振り返ったアカアシシギは、こんなポーズでどう?とでも言っているかのようだった。田んぼを吹く風は、うっすらと秋色をしているように見えた。

2009/8/28 久しぶりね!

コアオアシシギ

涼しい日が続いたが、今日は暑くなるとの予報なので、少し早めに家を出て、田んぼに向かった。朝の光が、黄金色の稲穂にふりそそぎ、さながら実りの秋の到来を歓迎するかのようだ。

今シーズン、まだ出会いのなかったコアオアシシギに会いたくて稲敷方面に向かった。春の渡りのときには、出会いがなく寂しい思いをしたので、運よく会えることを念じつつ、ポイントに向かう。現地に到着すると、すぐにコアオアシシギの姿が目に入った。逆光で距離があるものの、この出会いの瞬間は心弾む思いがする。そのコアオアシシギが5羽並んで、まるでミーティングでもしているかのようだ。

ハス田の方にも回ってみると、そこでもコアオアシシギが、可憐な姿を見せてくれた。今シーズン、初めての出会い。今日も嬉しい出会いに感謝。

2009/8/27 今日の田園風景

トビの幼鳥

所用を済ませた後、かなりゆっくり家を出て、今日もまた田んぼに向かった。昨日は、黄金色の稲穂の上にアマサギが数羽乗っている姿を見かけたのだが、今日は、アマサギの姿はなく、代わりにスズメが飛んできて、新米の味見をしている。その表情が何とも可愛らしい。

ほんの少し水の残った田んぼには、コチドリがたくさん集まって、ときには、2羽で小競り合い。ハクセキレイも元気に飛び回っている。稲田の方から飛んできたのは、イソシギ。意外と警戒心が強くて、すぐに飛んでしまった。畦の近くに見えるのは、タカブシギ。鳥との出会いの少ないときには、タカブシギに会えると嬉しくなる。

稲を刈り取った後の田んぼに飛んできたのは、トビ。最初、電柱に2羽仲良くとまっていたのだが、2羽とも飛んで、田んぼに舞い降りた。幼鳥で羽がとっても綺麗だ。空を飛んでいる猛禽らしい鳥を見かけたとき、トビとわかるとレンズを向けないのだけれど、今日、出会ったトビは、羽が綺麗で思わずレンズを向けた。トビの幼鳥は、稲刈りの済んだ田んぼで、秋の訪れを楽しんでいるように見えた。

2009/8/26 実りの秋

アマサギ

今日も涼しい一日だった。久しぶりに訪れた公園は、人の姿も鳥影も全くない。去りゆく夏を惜しむかのように蝉しぐれだけが、あたりに響き渡る。桜の落ち葉を踏みながら、少し歩き始めると、目の前にナガサキアゲハが飛んできて、林の中に消えた。

一面、緑のじゅうたんだった田んぼは、今は、黄金色。近くの田んぼを回ってみると、稲穂が重そうに垂れ、そこにアマサギが数羽、集まっている。「今年のお米の出来具合はどうかな?」とまるで品評会でもしているかのようだ。1羽のアマサギが、バッタを上手に取ってパクリとおいしそうに食べている。実りの秋。そして食欲の秋。黄金色の稲田の上を秋の訪れを告げるかのように、田風が吹き抜けていった。

2009/8/25 秋の気配

オオジシギ

今日は、昨日の暑さがウソのような涼しく過ごしやすい一日だった。夕方、空を仰ぐと、うっすらピンク色の空に、三日月が見え、その月に向かってカラスが1羽飛んでいく。小さな町のほんのひとときの情景だけれど、何故か詩情を掻き立てるものがあり、心和み嬉しかった。

今日は、田んぼでジシギに出会った。草の陰でかくれんぼでもするように、じっとしている。先日、近くの田んぼのあぜ道でジシギを見かけたのだけれど、気づいたときには、飛ばれてしまい、とても残念な思いをした。今日は、採餌する姿も見ることが出来た。

いくつか水の入ったところを見て回るとタカブシギ、ムナグロ、コチドリなどの姿を確認することが出来た。オオヨシキリの声が、一瞬、聞こえたので、振り返ると、ピタリと鳴きやんでしまい、セッカの声だけが、あたりに響き渡っていた。秋がもうそこまで来ている。

2009/8/24 思い出の鳥 コキアシシギ

コキアシシギ

鳥との出会いの形は、実に様々である。たとえば、「シマフクロウ」に会いたいとか「オオワシ」に会いたいとか、その対象を絞って北の大地を目指すことがある。私の場合、今まで遠征はツアーを利用することが多かった。もちろん親しくしていただいている方々とご一緒させていただいた遠征もある。

鳥に関心を持つようになり、いろいろな土地を訪れ、いろいろな鳥たちに出会う瞬間は、胸が弾み、心和むひとときを過ごすことが出来ると考えていた。しかし、この頃、ごくごく身近なフィールドに目を向けたとき、いろいろな発見があることに気づくようになってきた。今でも、南の島や北の大地を訪れたい気持ちに変わりはないのだが、身近なフィールドをもっともっと大切にしたいと思うようになってきた。

昨年のちょうど今頃、コキアシシギが、近くのフィールドに姿を見せてくれた。傾きかけた夏の陽を見ていると、あの日の感激が、よみがえってくる。初めてその姿を目にしたとき、その体型のスマートさと、足の色の鮮やかさに目を奪われたあの夏の日。猛禽に襲われ痛々しい最後だったと伝え聞いているが、コキアシシギとの出会いが、シギ・チへの関心を深めてくれたように思う。コキアシシギとの出会いに感謝。フィールドに感謝。

2009/8/23 今朝のひとこま

エリマキシギ

2週間ほど前にいただいた鈴虫の幼虫、日に日に大きくなり、今朝、リーンリーンと涼やかな声を聞かせてくれた。日中は、かなりの暑さであったが、日が落ちると秋の気配を感じるようになってきた。

今日も相変わらず田んぼに向かった。稲がいよいよ色づき、収穫を待っているかのようだ。田んぼによって稲の色が様々なのが面白い。黄金色と一口に言っても、微妙に色合いの違った田んぼは、まるでパッチワークの大きな作品でも見ているかのようだ。

昨日は、鳥との距離がありすぎ残念な思いをしたのだが、今朝は、思いがけずエリマキシギが近くにいて、ゆっくりと観察する時間を与えてくれた。タカブシギ、クサシギも姿を見せてくれたのは、嬉しかった。昨日、ようやく識別できるほどの距離にいたムナグロも今日は、近い。キアシシギ3羽の姿も確認。水の入った田んぼは少ないが、まだまだシギたちとの出会いは楽しめそうな気がする。

2009/8/22 尾黒鷸

オグロシギ

午後から短時間の鳥見に出かけた。つい2〜3日前まで、程よいくらいの水が入っていた田んぼは、あっという間に干上がったような状態になり、鳥の姿が少ない。いつも見て回るところ以外も回ってみた。こんな所にも水の入った田んぼがあったの?と思いながら見て回った。コチドリが20羽くらい可愛い姿を見せてくれたときは、嬉しかった。

逆光で遠くて識別不可能な鳥がいたのだが、後から、それはオグロシギと教えていただいた。3日前には、水をたたえた田んぼで、良く見えるところで餌取りしていた姿を見たのだが、やはりスコープが必要としみじみ痛感した今日の鳥見であった。

今日の写真は、3日前に撮影したオグロシギです。

2009/8/21 夏の思い出

オジロトウネン

「ジロネン」初めてその言葉を耳にしたのは、そう古い話ではない。一体、「ジロネン」の正体は、何なのだろう?手賀沼で出会った九羽のコブハクチョウが縁で鳥見の世界にはまりこんだ私には、山野の鳥も水辺の鳥も関心はあるものの知らないことが多すぎた。

「ジロネン」とは、「オジロトウネン」の略称と教えていただいたのは、「トウネン」の識別もまだあやふやな頃のことである。そのオジロトウネンに2年前の夏、至近距離で会うことが出来た。図鑑で見ていたイメージとそっくり同じである。足の色が黄緑色。これは間違いなくジロネン。そう思ったときの感激は、今でも鮮明に覚えている。

逆光で見えにくかったが、ジロネンに出会った。やっぱり嬉しい。2年前のあの日の感激が鮮やかによみがえってくる。今度は、いつ会えるだろう?。

2009/8/20 暑くないの?

ショウドウツバメ

田んぼを回っていると、ツバメの飛翔を良く見かける。それは、早苗が田風に揺れる初夏の頃から少しずつ数を増し、一番多いときには、緑のじゅうたんの上を颯爽と飛ぶツバメの姿に圧倒されるほどである。

先日、見かけたのは、ショウドウツバメ。やはり飛ぶ姿は、颯爽としていて、田んぼの上をスイスイ元気いっぱいに飛んでいた。しばらく様子を見ているとアスファルトの道路に降りて、しばし休息の様子。ツバメもそうだけれど、何故かアスファルトの焼けるような道路が、お気に入りのようだ。アスファルトの道路に降りたショウドウツバメの顔は、何ともあどけなく可愛らしい。田んぼを回って嬉しいのは、こんな出会いがあるからである。

2009/8/19 今朝のひとこま

タカブシギ

朝の光が、まだ柔らかく水の入った休耕田を、ほんのりピンク色に染める頃、今朝は、田んぼを回ってみた。昨日、アオアシシギ3羽とヒバリシギ2羽を観察した休耕田は、ひっそり静まりかえっている。農道を挟んで反対側の田んぼに、やっとハクセキレイの動く姿を見ることが出来た。水の入った田んぼを見て回り、また、もとの休耕田に戻ってみると、朝の光で淡いピンク色に染まった田んぼにヒバリシギが1羽いて、一心に採餌している。ヒバリシギの姿が、シルエット状になって、ちょっと幻想的。

もう1箇所、田んぼを回ってみると、草の茂ったところに隠れるようにしていたタカブシギが動き始め、姿を見せてくれた。タカブシギに出会う機会は多いが、意外と撮影の機会が少ない。昨日、オグロシギを観察したところでは、オグロシギの他にアオアシシギ、エリマキシギの姿が遠くに見えた。ヒバリシギやたくさんのコチドリを観察した田んぼは、今日は、もぬけのから。

朝のひととき、今日も近くの田んぼを一回り。鳥との距離は、あるもののキアシシギ5羽も入っていた。秋の渡りは、まだまだ楽しめそう。

2009/8/18 秋の渡りはこれから?

オグロシギ

昨日は、田んぼめぐりをお休みしたので、今日は、迷わず田んぼに向かった。大分前から水が入っていた近くの休耕田では、アオアシシギ3羽、ヒバリシギ2羽、コチドリを確認。次に回った田んぼは、2〜3日前まで鳥の気配がなかったが、今日は、アオアシシギ6羽、オグロシギ、タカブシギ、ヒバリシギ、コチドリ多数を見ることが出来た。

さらに足を伸ばして回った田んぼでは、エリマキシギ、オオハシシギ、タカブシギ、クサシギ、アオアシシギ、キアシシギ、キョウジョシギ、ムナグロを確認。アオアシシギは、3か所を合わせると18羽、エリマキシギは、2か所合わせて3羽、ムナグロは、50羽強、キアシシギ10数羽を見ることが出来た。

今シーズンは、シギ・チとの出会いが少ないと思っていたが、秋の渡りは、これからがピークのようである。今日は、久々にたくさんのシギたちの姿を見ることができ、田んぼの風が、一層心地よく感じられた。田んぼは、いよいよ収穫の時期に入ってきている。農家の方のご迷惑にならないよう、十分、気をつけて田んぼめぐりを続けたいと思っている。

2009/8/17 男の子?それとも女の子?

エリマキシギ

暑さも峠を越したようだ。木陰に入ると、ひんやりと心地よく、まさに緑陰を楽しむという優雅な気分に浸ることが出来る。田んぼめぐりをしていると、緑の稲田が続く爽やかな風景を楽しむことは出来るが、緑陰に出会う機会は、皆無に等しい。

昨日、探鳥会に参加させていただいた。双眼鏡や400mmのファインダー越しでは味わうことの出来ない世界を見せていただき、スコープの威力を改めて思った。スコープで見せていただいたのは、オジロトウネン、ヨーロッパトウネン、キリアイである。3種とも今シーズン、初めての出会いで大いに感動した。今シーズンは、シギ・チとの出会いが少ないが、そのような中での嬉しい出会いであった。

また水の入った休耕田では、ムナグロ、キアシシギ、アオアシシギの他に、エリマキシギ2羽を見ることが出来た。幼鳥で雄と雌ということであったが、探鳥会の後、再度、その場を訪れてみると、とても近くにエリマキシギがいる。さて、これは、雄だったかな?雌だったかな?と何ともたよりない。

最後に回った休耕田で大先輩にお会いし、上空を飛ぶ群れがムナグロと教えていただいた。シギ・チは、奥が深い。これから研鑽に努めたいと思う。

2009/8/16 真夏の夢

エリマキシギ夏羽

毎年、夏になると田んぼめぐりが楽しみになってくる。その理由のひとつは、田んぼの緑が爽やかで、解放感があり、何よりシギたちとの出会いに心が弾むからである。もうひとつの理由は、近くの公園などに出かけても、鳥たちとの出会いは、皆無に等しいからである。

夏になって高原や北海道などに遠征される方もおられるが、今の私には、なかなか難しい。かくして、せっせと田んぼめぐりに励むことになる。幸いなことに、比較的近くに田園風景が繰り広げられる環境に住まいがあり、ある意味では、恵まれていると言えるのかもしれない。

先日、いつものように田んぼめぐりをしていると、アオアシシギと一緒に見慣れないシギの姿が目に入った。肉眼で黒い鳥と思ったが、ファインダー越しに見ると、それは、エリマキシギである。一度は、会ってみたいと願っていた夏羽のエリマキシギ。驚きと嬉しさの入り混じった複雑な心境であった。やはり地道にフィールドを回ることが大切と痛感した。

2009/8/15 真夏の出会い

オオタカ

田んぼの奥の方に、褐色の大きな鳥の姿が見えた。今シーズンは、田んぼを回っても、シギたちとの出会いが少なく、良く見かけるのは、チュウサギ、アマサギ、アオサギなどのサギ類である。レンズを向けようとした瞬間、その褐色の鳥は、飛び立ち、遠くの電柱の上空をゆっくりと飛んでいく。良く見れば、それは、オオタカの若鳥である。

シギ・チを求めて田んぼめぐりをしているが、時に田んぼでオオタカやハヤブサの姿を見る機会がある。とまっているのは、大抵、電柱の上や人工物の杭の上である。何とか木にとまっているオオタカの姿を見たいものだと思っていたところ、偶然にもその機会が巡ってきた。

それは、あまりにも突然で、その上、あまりにも近すぎて、一瞬、自分の目を疑ったくらいである。オオタカの虹彩までが見えるほどの至近距離。木にとまったオオタカの若鳥は、私の姿には目もくれず、颯爽と飛び去っていった。

2009/8/14 蓮の小舟

ヨシゴイ

冬期には、ハクチョウの飛来地として、また、夏の暑い盛りには、蓮の花で有名な新潟の湖に訪れる機会に恵まれた。折悪しく雨の中での撮影となったが、2年前の夏、かんかん照りの暑さの中で、汗をふきふき撮影した日より、体は、はるかに楽であった。

蓮の花は、雨に打たれて、うなだれ、決して良い撮影条件ではなかったが、晴天の日には、味わうことの出来ない情景に出会うことが出来たのは、幸運であったと言えよう。雨のしずくが、水面に美しい模様を作り、大きな蓮の葉の上には、水滴が水玉模様のように光っている光景は、たとえ鳥との出会いがなくとも、見ていて心安らぐものであった。

この湖では、蓮の花とヨシゴイが、あまりにも有名であるが、今回、蓮の蕾にとまったツバメ、スズメ、カワセミ、ハクセキレイを見ることが出来た。写真の出来、不出来はともかく、手の届くほど近くに姿を見せてくれたヨシゴイを決して忘れることはないであろう。ご一緒させていただいた皆様に心から感謝している。

2009/8/13 風のように

セッカ

今日も、午後から田んぼを一回り。いつの間にか黄金色に輝いている田んぼもあって、季節の移ろいを感じる。一番身近な田んぼに水が入ったのは、2週間以上前だったが、ようやくコチドリの姿がちらほら見えるようになってきた。そのコチドリを見ていると、上空に7羽のシギの群れが飛んできた。一瞬、着地しそうな気配があったが、向きを変えてはるかかなたの空に姿が消えてしまった。あのシギたちは、どこに着地したのだろうか。

川沿いに進むと、川岸にカワウの幼鳥の姿が見える。幼鳥を見るのは、初めてなので、カワウを撮影していると、セッカの声が間近に聞こえてきた。稲田の手前の草に一瞬とまり、すぐに飛び立ってしまった。まるで風のように。しばらく観察していると、稲田の中に入っていくようだ。どうやらセッカの住まいは、稲田の中にあるらしい。何とか、もう一度撮影したいと待ってみたが、遠くで「チャチャ チャチャ」の声がするだけだった。でも久しぶりに出会えたセッカ。ひととき暑さを忘れさせてくれた。

2009/8/12 久しぶりの田んぼ

ヒバリシギ

早いもので8月も、もう半ば。南の地方で収穫された新米が、近くのスーパーの店頭に並ぶようになった。しかし、今年は、天候が不安定で、収穫が危ぶまれている地方もあるようだ。昨日、早朝には、東海地震があり、被害に遭われた方々には、何ともお気の毒なことである。自然は美しく心を癒してくれる場面も数多くあるが、時には、姿を変えて、私たちの生活を脅かすことすらある。

今朝、所用で出かけた後、馴染みの田んぼを一回りしてきた。ひところ、ウズラシギやタカブシギ、クサシギなどの姿が見えた田んぼには、草が生い茂り、もし仮にシギたちがいたとしても、とても見つけられそうにない。

見通しの良いところを何箇所か見て回ったところ、ようやくコチドリの姿を見つけ、一安心。つい数日前まで、水がたっぷり入っていた田んぼなのだが、すっかり干上がっている。コチドリの動きにばかり気をとられていたが、コチドリより一回り小さなシギが、右手の方から現れた。後ろ姿しか見えなかったが、とりあえず撮影した。どうやらヒバリシギのようだ。もう少し早く気がつけば良かったのだが、だんだん遠ざかっていく。シギたちとの出会いが少ない昨今、ヒバリシギとの出会いは、嬉しかった。

2009/8/11 思い出のひとこま 2

アオバズク

今年は、梅雨明けもあるようなないような、はっきりしないお天気が続き、自然界もいろいろ変わってきているような気がする。その天候の影響だろうかアオバズクの巣立ちが、所によって、ずいぶんまちまちで、例年よりかなり早く巣立ったところもあれば、まだこれからという所もあると聞く。

まだ巣立ち前に訪れた場所で、アオバズクの雄と雌の姿を見ることが出来た。よくよく見れば、雄は、やはり眼光鋭く、父親としての威厳を持ち、雌のアオバズクは、母親としての優しさのある慈愛に満ちたまなざしをしているように思えた。柳の木にとまったアオバズクは、洞の中の子供たちが、騒がしくしていたとき、突如、姿を現し、父親としての威厳を見せ、凛とした態度で眠さを堪え、あたりを見渡していた。

あの後、数日して4羽が巣立ったと聞く。洞の中で騒いでいた雛たちは、きっと今頃は、わんぱくぶりを発揮していることだろう。

2009/8/10 思い出のひとこま

ヨシゴイ

ひところ葦原の人気者であったヨシゴイも、あまり姿を見る機会が少なくなった。沼に面した葦原で、良く見かけたヨシゴイ。その飛翔姿は、なかなか美しく、何度もその姿を撮影しようと試みた。しかし決してスピードのある飛び方ではないのだが、「あれ?あれ?あれ?」と思う間に遠ざかり、ピントがいまひとつの写真となってしまう。

そのヨシゴイが、馴染みの葦原にも姿を見せてくれた。ここは、鳥に関心を持ち始めて間もない頃から、何度も通ったことのあることろである。巣立って間もない雛の姿を一度は見てみたいと願いながら、なかなかその機会に恵まれなかった。ちょうど1か月ほど前、やっとその願いがかなえられた。親鳥が餌を運んでくると、葦原に姿を隠していた雛が、忍者のように倒れた葦の上を歩き、親鳥の元へと急いで近づいていく。母親に甘える幼子のように、その姿は愛おしく思われた。

2009/8/9 今朝の田んぼ

イソシギ

今日も蒸し暑い。今朝は、早起きして田んぼを一回りしてきた。稲穂が、日毎に膨らみを増し、ついこの間まで青々とした田園風景が広がっていたが、間もなく黄金色に輝く田んぼが見られる日も近いことだろう。

いくつか水の入った田んぼを回ってみたが、チュウサギやアマサギは、ちらほら姿が見えるものの、なかなかシギの姿を見つけることが出来ない。ようやくアオアシシギの姿が見えてきた。田んぼの奥の方だが、最近ようやくシルエットを見て何となくアオアシシギかな?というのがわかるようになってきた。ずっと手前にいたシギたちの群れに気がつかなかったが、さっと飛んで2つ向こうの田んぼに移動した。これはアオアシシギではないということは、十分わかった。少し近づいてみると、キアシシギ15羽ほどの群れである。

田んぼの少し離れたところにタカブシギ、かなり手前の方にイソシギの姿が見える。イソシギは、ごくごく身近な鳥なのに、意外と出会いが少ない。あまり人気のないシギかもしれないが、私には嬉しい朝となった。

2009/8/8 田んぼのひとこま

ハクセキレイ

暦の上では、秋を迎えたものの、暑さは、ひとしおである。何とか涼しく過ごしたいと水のある風景写真を眺めたり、風鈴の音色を楽しんでみたりするが、やはり暑い。今日、鈴虫の幼虫をいただいたので、鈴虫の鳴き声を楽しめる日が待ち遠しい。

シギ・チを求めて探しまわった田んぼで、なかなかシギ・チに出会えず、姿を見かけるのは、ハクセキレイばかり。いつもは、あまりレンズを向けることがないのだが、この日出会ったハクセキレイは、なかなかバックシャンであった。ちょっと羽を広げた姿は、少し涼しさを感じさせてくれ、田んぼめぐりのひととき、暑さを忘れさせてくれた。

2009/8/7 今日は立秋

アオアシシギ

今年は、田んぼが様変わりして、水の入っている田んぼを探すのに一苦労。一番身近にある田んぼにも、水が入ったのだが、鳥の気配は、全くない。暑くなってくると水のある風景を見れば、いくぶん涼しさを感じるのだが、8月の田んぼは、やはり暑い。暑い、暑いといっても、今日は、もう立秋。暦の上では、早くも秋を迎えた。稲穂がずっしりと重くなり、やがて収穫の時期が来る。

昨日、回った田んぼでアオアシシギにも出会った。アオアシシギは、非常に警戒心が強く、わずかな動きや音で、すぐに飛んでしまう。昨日も、かなり離れたところから子供たちの声が聞こえてきた。6羽のアオアシシギが、一斉に飛んだとき、何が原因かわからなかったのだが、ほどなく自転車に乗った子供たちが近づいてくる姿が見えた。こちらは、がっかりしたが、子供たちは、元気に「こんにちは!」と言って過ぎ去っていった。

そのアオアシシギが、驚くほど近くまで来たときがあった。いつも田んぼ1枚分を隔てたほど遠くに見ているアオアシシギなので、昨日は、じっくり観察することが出来た。

2009/8/6 ハス田のひとこま

タカブシギ

今日もまた小雨がぱらつくお天気となった。今日は、稲敷方面の田んぼに向かった。広々と稲田が広がり、田んぼによって色合いがずいぶん違う。稲の実り具合によってこんなにも田んぼの色が違うのかと思う。稲穂がずっしりと重そうな田んぼは、スズメが結構、出入りしているようだ。

水の入った田んぼを、今日もまた探し求めてみたが、やっとコチドリに出会えた。少しハス田の様子も見てみようと思ったところ、ひとつのハス田に、20羽ほどのタカブシギの姿を見つけることが出来た。タカブシギといえども、なかなか出会えないので、これだけの数を見ると一安心する。シギ・チのシーズンに入りつつあるので、今後に大いに期待したいところである。

2009/8/5 田園風景

カワラヒワ

田んぼを回ってみると、セッカの声がしきりに聞こえる。でも、なかなかとまってくれない。ひところ賑やかだったヒバリもオオヨシキリの声も今は聞こえず、カワラヒワとスズメの声が、稲穂の近くから聞こえてくる。スズメは、新米の出来具合を確かめるかのように、ずっしりと実った稲田に集まり、稲穂の中に姿が消えていく。

農道にたくさんいたカワラヒワが飛んで、草むらに入った。イヌタデやエノコログサなど、いろいろな草が入り混じった田んぼにカワラヒワが集まっていく。手前に草がかぶったり、後ろ向きで顔が見えなかったり、あまりに遠かったりと、なかなか良い条件には恵まれない。何とかかろうじて、こちらを向いてくれたカワラヒワ。逆光気味で撮りにくかったが、葉月の田園風景のひとこまである。

2009/8/4 食事の後の記念撮影

キジの親子

今日の予報は、一日、雨だったような気がするが、いつの間にか青空が見えたり、曇ったりとまずまずのお天気になった。田んぼめぐりは、どちらかというと雨模様の日の方が、落ち着くので、田んぼに向かったのだが、予想外の展開となった。

田んぼで期待するのは、シギたちとの出会い。あるいはジシギとの出会いである。まず最初に向かった田んぼで目を凝らしてジシギを探してみた。ずいぶん丹念に探しても、なかなか姿が見えてこない。そのとき、目の前に現れたのが、キジの親子であった。キジは、母鳥も幼鳥も田んぼに嘴をさして、一心に餌とりをしていた。2羽が顔をあげたとき、口元を見ると、真っ黒。それが、最初、泥がついているとわからず、ずいぶん変わったキジがいると思い、妙に感心して、ずいぶんシャッターを押してしまった。

食事の後のキジの親子。ちょっと澄まして記念撮影。

2009/8/3 トビの親子

トビの親子

昨日、出かけた田んぼでトビの親子に出会った。飛んでいるトビに出会う機会は多いが、田んぼに降りたトビには、案外出会う機会が少ないものだ。今までにも畦の上や田んぼや畑に降りたトビを見かけたことはあるのだが、そっと近づいても案外、すぐに飛ばれてしまい、撮影の機会がなかなか巡ってこなかった。

以前、北海道を訪れたとき、能取湖のサンゴ草のところにいたトビが飛び立つところを撮影したことがあった。赤いサンゴ草の中で、なかなか綺麗だったが、今度は、出来れば緑の田んぼでと願っていた。昨日、トビの親子を見たときは、もう少し緑のあるところにいてくれたらと欲張りなことを考えたものだった。

この後、トビは、こどもだけになり、両親は、くるりと輪を描くように空高く飛んでいた。「ピーヨー」とこどものトビが鳴いていたのが、印象的であった。

2009/8/2 今日の田んぼ

ヒバリシギ

今日は、小雨が降ったり、晴れ間も出たりと不安定な空模様であった。所用でスタートが遅くなったが、今日も田んぼに向かった。稲の緑が、8月に入って、稲穂も大分実り始めてやや黄緑色になってきているようだ。

今年は、水の入った田んぼが少ないので、まず水の入った田んぼを探さなければならない。今日は、なかなか鳥との出会いがなく、やっとコチドリの姿を確認、続いてムナグロ。ムナグロは、夏羽も冠羽中の個体も、若鳥も観察することが出来た。ムナグロの近くにウズラシギがいて、一心に採餌していた。

先日ツバメチドリを観察したところにも回ってみたが、今日は確認出来なかった。また、先程の田んぼに戻ってみると、今度はキアシシギが6羽いる。そのキアシシギの近くに小さなシギの姿が見える。どうやらヒバリシギのようだ。今シーズン初めての出会いなので、やや緊張してカメラを向ける。しかし距離があり、近づくのを待ったが、だんだん遠ざかってしまった。田んぼには、まだまだシギの姿は少ないようだ。

2009/8/1 田んぼのひとこま

ツバメ

早いもので、今日は、もう8月。陰暦で8月のことを葉月というが、なぜ8月が葉月なのだろうか。語源を調べてみると、諸説あって、私がなるほどと思ったのは、稲の穂が張る月なので、「穂張り月」から「張り月」となり「葉月」となったという説である。なぜならば、良く出かける田んぼで、稲の穂が、日を追うごとに重そうになっていくのが8月だからである。

今の時期、田んぼで良く見かけるのがツバメ。緑一色の稲田の上を、スーイスーイと飛んでいる。何とかツバメの飛翔を撮りたくて、何度も挑戦するのだが、どうもピントがいまひとつである。せめてどこかにとまってくれたらと思っても、たいていアスファルトの道路の上。ところが先日、思いがけず木の杭にとまってくれた。緑の稲田を背景にツバメを撮影したのだが、やっぱり飛んでいるツバメに未練が残る。

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