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今まで春の渡りの鳥たちを期待して出掛けたことのある島は、与那国島、飛島、粟島である。与那国島で印象に残っている鳥は、クロジョウビタキとオオチドリそしてムジセッカ。飛島は、コホオアカと桜にとまったオオルリ。粟島では、夕方の散歩で出会ったクロジョウビタキである。
渡り鳥の一大オアシスと言われる舳倉島。どんな鳥との出会いがあるのだろうか。初日、野鳥観察舎でムギマキを一目見たときの感激。舳倉島滞在中、ずいぶんたくさんのムギマキに出会った。私にとっては、夢のような出来事である。そして、目の前に姿を見せてくれるキビタキを一体、何羽観察しただろう。海岸の海藻の上にもとまったキビタキ。珍鳥ではないけれど、心に残る出会いであった。
2007年5月に訪れた飛島。その飛島の初日にヨーロッパビンズイに出会った。島では、情報が飛び交う。すでにポイントは、カメラマンでいっぱいだった。初めて耳にするヨーロッパビンズイ。初めて目にする鳥。皆が大騒ぎしているが、私には、印象の薄い鳥であった。
そのヨーロッパビンズイにタヒバリ海岸で出会った。情けないことに、それがヨーロッパビンズイと分かっていたら、もう少し熱心に撮影したのだがと悔いの残る出会いである。シマアオジが出ているとのことで向かった海岸。シマアオジは、すぐに分かったのだが、少し場所を移動して撮影しようとした時、シマアオジの場所が分からなくなってしまった。私の視界に入ったのが、白っぽい鳥である。頭の中は、シマアオジ、シマアオジでいっぱいだったので、この白っぽい鳥は、2カットだけである。それもかなりピン甘。後でヨーロッパビンズイと分かったときは、すでに遅しの出来事であった。
識別力を高めなければと反省しきりである。
初めて訪れる舳倉島は、期待よりも不安が先に立っていた。2003年5月5日、手賀沼遊歩道で9羽のコブハクチョウに出会ったのを契機に鳥に関心を持つようになったのだが、長い間、舳倉島は、私にとって憧れの島であった。にも拘わらず、現実に、その日が近づいて来ると何とも心細い思いが募ってきた。
しかし、心優しい方々とご一緒させて頂き、私の心配は、杞憂に終わった。今、思い出しても島での一日一日は、輝いていた。美しく優しい花々。光り輝く海の色。そして思いがけない出会いをいくつか体験させて頂いた。そのひとつが、キバラムシクイとの出会いである。松葉の間に見え隠れする黄色味の強い個体を撮影するよう勧めてくださった方、そして、その黄色味の強い個体の正体を明かすためにご尽力くださった方々。舳倉島の思い出は、尽きない。
事前情報あった鳥のひとつがシマゴマ。舳倉島滞在中、何度かシマゴマの囀りを聞いた。コルリを連想する声である。図鑑では、見たことがあるが、今まで出会いの機会は、一度もなかった。
そのシマゴマが見られるというポイントで待つことしばし。シマゴマを待っている間に、目の前の竹林にツツドリが姿を見せた。顔は、良く見えなかったが、縞の太さからツツドリと思われた。あまりの近さに、レンズを向けることも出来ず、一瞬の出会いを楽しんだ。そしていよいよシマゴマ登場。鳥との出会いは、胸が弾む。
北海道の草原に夏鳥として飛来する野鳥、シマアオジ。頭部から背面にかけての栗色と腹部の黄色のコントラストが、実に美しい。5年前の6月、原生花園で出会った。シマアオジは、激減しているとのことで、出会いの機会は、非常に少ない。
そのシマアオジに、5月半ばの舳倉島で出会った。通称タヒバリ海岸と言われている島北西部の海岸で、シマアオジは、愛想良くその姿を見せてくれた。北海道では、かなり距離のあったシマアオジだが、すぐ目の前で見る栗色と黄色の姿は、嬉しく心に残るものであった。
5月中旬に訪れた舳倉島の最終日。思いがけない鳥との出会いが待っていてくれた。野鳥観察舎から海岸へ向かう道を歩いていると遠くの桜の木の方角を観察しているグループの方々と出会った。お尋ねするとアオバトが見られるという。その方たちのリーダーの男性が、右手の松林を忙しく動き回る黄色味の強い個体に注目され、撮影を勧めてくださった。
急いでレンズを向けたのだが、松の木の中を動き回る小鳥を一脚で捉えるのは、何分にも難しい。手振れ防止機能のないレンズでの手持ち撮影は、さらに酷い画像になる。その黄色味の強い個体は、なかなか全身を見せてくれず、松葉の後ろで見え隠れするのみである。
松の木の中を忙しく動き回るこの黄色味の強い鳥は、キバラムシクイであった。
この鳥の同定にあたり、たくさんの方々のお手を煩わせました。お力添え頂きました皆様に、厚く御礼申し上げます。
2012年5月13日輪島港を9:00に出港し渡り鳥の楽園、舳倉島へ向かった。ちょうどバードウォッチングに好適なシーズンとあって定期船「ニューへぐら」は、バードウォッチャーで溢れていた。以前、飛島を訪れたとき、ひどい船酔いを経験しているので、知人の勧めもあり、1時間半の航路を甲板で過ごすことにした。その航路では、アカエリヒレアシシギの群れ、また群れ。その数は、一体どれほどになっただろう。何とかレンズを向けたが、どれも酷いブレ写真ばかり。航路での撮影は、なかなか難しい。
七ッ島をゆっくり見ながら、いよいよ舳倉島入り。今回、初めて訪れる舳倉島であったが、舳倉島に精通された方とご一緒させていただき心強い限りであった。民宿つかさに荷物を置き、早めの昼食を済ませた後、いよいよ探鳥開始。
初日、島の半周を案内して頂いたが、最初に見た野鳥観察舎で、観察窓を覗くとハチジョウツグミが目の前に迫るような感じで姿を見せてくれた。この冬、姿を見ることのなかったアトリも。そしてムギマキが、ひらりと姿を見せてくれた時の感激は、何と表現すれば良いのだろう。ムギマキは、舳倉島では当たり前なのだと聞いて、さらにびっくり!
野鳥観察舎から海岸に向かう道は、チャバラアカゲラを待つ人でいっぱいだった。そこを素通りしてシマノジコのポイントに向かった。運良く2羽のシマノジコ♂を観察。赤褐色と黄色のコントラストの綺麗な鳥である。シマノジコのポイントで今日、帰られるという方から、チャバラアカゲラの動向、ムジセッカの声を聞いたということ、竜神池付近でヤマショウビンを見たとの情報があることなどを教えていただいた。
その方の言葉を頼りに野鳥観察舎で待機。近くにいた女性にチャバラアカゲラの撮れたて画像を見せて頂き、イメージを膨らませて待った。諦めかけた午後4時半過ぎ、目の前の松の木にチャバラアカゲラは、姿を見せてくれた。
今回、舳倉島の大スターであるチャバラアカゲラを見て大満足。宿へ戻る足取りの何と軽かったこと。そこでは、初めての出会いのチフチャフ、タイワンハクセキレイも待っていてくれた。
この度訪れた舳倉島では、思いがけず今まで出会ったことのない鳥をいくつか観察する機会に恵まれた。そのひとつがシロハラホオジロ。名前は、何度も耳にしたことがあるが、出会いの機会は、今まで一度もなかった。
少し薄暗い竹林のなかで、シロハラホオジロは、姿を見せてくれた。喉が黒く眉斑が白い。実にくっきりした顔立ちだ。最終日には、野鳥観察舎の水場にも姿を見せてくれ、ゆっくり観察することが出来た。
「ムギマキ」それは、私にとって長い間、憧れの鳥であった。東京近郊の公園などに、まれに立ち寄ることがあるらしいが、なかなかその機会は、巡って来なかった。2010年10月訪れた戸隠森林植物園で、初めてムギマキを目にすることが出来た日の感激は、今でも色あせていない。実りの秋が近づくと、その出会いを心待ちにする鳥である。
そのムギマキを、今回訪れた舳倉島では、ずいぶん観察する機会があった。初日、野鳥観察舎の窓からムギマキを目にした時、思わず、「ムギマキ!」と叫んでしまったほどだ。そして成鳥♂にも初めて出会うことが出来た。嬉しく心に残る出会いであった。
「チフチャフ」何とも不思議な名前である。♪チフチャフ♪チフチャフと囀るという。2006年千葉県木更津市で観察されたとき、残念ながら一足違いでチフチャフとの出会いを果たせなかった。その無念の思いを長い間、胸の奥にしまいこんでいた。
今回訪れた舳倉島で、そのチフチャフに出会う機会が巡ってきた。5月13日の夕方、民宿「つかさ」の前の草むらで見え隠れする鳥。それがチフチャフだった。ファインダー越しに細くて黒い足を確認。草に遮られ、なかなか思うような位置には、姿を見せてくれない。それでも何とか、その姿を観察出来たことは、嬉しい限りである。
初めて訪れた舳倉島。5月の半ばというのに結構涼しくて、寒がりの私は、早春の装いであった。島のいたるところで、色とりどりの花が出迎えてくれる。この花の名前がわかったら、楽しさが何倍にもなるだろうと植物に疎い私は、何度も思った。
舳倉島を訪れた日の夕方、私にとっては、非常に珍しい画像を見せていただいた。マミジロキビタキ♀。マミジロキビタキ♂は、眉斑が白いので、分かりやすいが、♀には、その眉斑が見当たらない。ムクムクと好奇心が湧いてきて是非、この目で見てみたいと思った。その翌日、諦めていたところに、マミジロキビタキ♀の情報。全力でポイントに向かい、運よく出会うことが出来た。心に残る出会いである。
舳倉島は、輪島港の北方約50kmに位置する島である。一日一便の定期船「ニューへぐら」で1時間30分。島の周囲は、約5km。探鳥ポイントを回るには、徒歩のみとなるので、自分の脚が頼りである。
今回、事前情報のあったものの一つが、シマノジコ。シマノジコが観察されてから、だいぶ時間がたつので、はたして出会えるものかどうか気になっていた。舳倉島に到着したのが5月13日。舳倉島に精通された方に島の半周を案内していただき、シマノジコのポイントに向かった。運良く2羽のシマノジコ♂を観察することが出来た。写真では、伝えきれないが何とも綺麗な鳥である。
渡り鳥の大オアシスと言われる舳倉島。鳥に関心を持つようになってから長い間、一度は訪れてみたいと願っていた所である。なかなかその機会に恵まれず、今回、5/12~5/16まで、その夢が実現した。(5/12は、輪島泊)。ご一緒させて頂いた皆様に心から感謝し、お礼申し上げます。
事前の情報で、チャバラアカゲラが出ているとのことであったが、私は、チャバラアカゲラという鳥を全く知らない。手持ちの図鑑、数冊を調べてみたが、見当たらない。結局、現地で撮影した方の、撮れたての画像を見せていただき、その名前を納得した次第である。
私が、チャバラアカゲラを初めて目にしたのは、5/13の夕方、4時半過ぎであった。その翌日、5/14は、朝9時を回った頃と11時過ぎの2回、出会っている。私は、一脚での撮影なので、松林の中を忙しく動き回るチャバラアカゲラをファインダーに入れるのが、なかなか難しい。何とか撮影したいと焦れば焦るほどブレブレの写真になってしまう。そのような中で、何とか出会いの記念になる画像を残せたことは、嬉しい限りである。
春から初夏にかけて出会う機会を待っているのが、コムクドリ。桜のころに出会うことがあるのは、コムクドリが桜を好きだかららしい。どうやら桜の蜜を吸うようだ。いつか飛島で出会ったときは、新緑の中であった。青森では、リンゴの花にとまったコムクドリに出会ったこともある。戸隠では、花の終わった水芭蕉のところで出会った。ムクドリは、見向きもされないが、コムクドリとなると、皆の視線が違ってくる。
冬になると、しばしば訪れることのある白鳥の郷。いつもコハクチョウの中にアメリカコハクチョウを見つけるのを楽しみにしている。そのコハクチョウの中にソデグロヅルが姿を見せ、長い間、楽しませてくれた。そのソデグロヅルが旅立った後、今度は、近隣の県で、カナダヅルが見られるという。カナダヅルは、若鳥のようで、ずいぶんシックな色合いだった。関東地方にも、色々なツルが姿を見せ、楽しませてくれる。
春の渡りで、いつも先頭切って姿を見せてくれるのがツルシギ。今年は、3月18日に1羽を観察した後、しばらくツルシギの姿を確認出来なかった。あの1羽だけだったのだろうか?と何回か蓮田を中心に探してみたが、なかなかツルシギに出会えない。2度目に会ったのは、4月19日であった。この日、6羽を観察したが、同じ日に8羽を観察した人もいる。ツルシギは、真っ黒になった姿が魅力的だ。また、来年も春の渡りで姿を見せて欲しいものである。
例年楽しみにしている春の渡り。早苗の揺れる田んぼを回ってみると、旅の途中、立ち寄ってくれたシギやチドリたちが羽を休め、栄養補給している場面に出会うことが多い。一番出会いの多いのがムナグロだろうか。独特の歩き方をするので遠くからでもムナグロだとわかる。そのムナグロがゆっくり羽を伸ばし、美しい姿を見せてくれた。田んぼは、鳥たちの憩いの場だ。
田んぼでは、チュウサギの姿が良く見られるようになった。これからは、アマサギの姿もだんだん増えてくることだろう。1年を通して一番良く見かけるのがアオサギ。アオサギは、かなり個体差があって面白い。案外、出会いの少ないのがゴイサギ。そのゴイサギに先日、出会った。木にとまったゴイサギ。ちょっと枝がかかっているけれど、久しぶりの出会いは嬉しかった。
春の渡りのシギたちに会いたくて田んぼを回っていると、思いがけない出会いが時にはある。蓮田の一角に差し掛かったとき、聞き慣れない声がする。♪キュッキュッキュッ♪キュィー辺りに響き渡るかなり甲高い声だ。サササササと枯れ草の茂みから姿を見せたのは、クイナ。すぐにまた茂みに入ってしまう。かなり警戒心が強い。それでもひととき赤い嘴を見せてくれた。クイナの赤い嘴は、なかなか印象深い。
田んぼは、四季折々、いろいろな表情を見せてくれる。一番楽しみなのは、春の渡り、秋の渡りだろうか。あちらこちらの田んぼを回って、シギを探すのは、なかなか楽しいものである。もっとも、鳥に関心を待ち始めたばかりの頃は、シギに全く関心がなかった。
シギの中で、私が、一番好きなのは、エリマキシギである。あの端正な姿に、私は、心惹かれる。そのエリマキシギだが、♂の夏羽への換羽中の個体に先日、出会った。今までも、夏羽への換羽中の個体に出会ったことはあるが、この個体は、なかなか珍しい色合いで、心に残るものであった。
ベランダから見えるエゴノキに時折、スズメが飛んでくる。私の姿を見ると、すぐに飛び去ってしまうのだが、窓越しに見ていると実に可愛い。ずいぶん賑やかな声を出すこともあるのだが、あれは、繁殖期だからだろうか。
干潟では、何度か出会ったことのあるメダイチドリ。先日、田んぼで出会った。環境が変わるとずいぶん印象が違って、しみじみと眺めてしまった。田んぼでコチドリに出会うことは、多いのだが、メダイチドリに出会う機会は、案外少ない。
散歩道を歩いていると、辺りに甲高い声が響き渡った。う~ん。この声は、何だったかしら。そうだ!モズの声だ!その声は、笹藪の方から聞こえてくる。♪キュウキュウキュウ♪笹がほんの少し揺れた。モズの幼鳥が一瞬、顔を見せ、すぐまた奥の方に姿を消した。 ほんのひと時だったが、あの日の出会いは、嬉しかった。
例年、楽しみにしている春の渡り。早苗の揺れる田んぼにシギたちが立ち寄ってくれる。そのシギたちに会いたくて、農家の方のお邪魔にならないよう、田んぼを回る。この日、シギたちとの出会いが少なく、がっかりして家路を急いでいると畦道に大きな鳥の姿。一目でオオタカとわかった。どうやら鳩を捕食したばかりのようだ。鳥たちは、それぞれに命がけである。
新緑のまばゆい季節。目にしみるような青葉には、どんな鳥でも美しさが際立っているように思える。先日、出会ったチュウサギ。萌黄色の柔らかさに、その白さが、一層映えて、ひとときファンタジーの世界に入り込んだような錯覚を覚えた。鳥たちを、より美しく見せてくれる若葉。新緑の季節の出会いは、楽しみである。
今シーズン、田んぼを回って一番出会いが多かったのが、ムナグロだろう。一度に200羽~300羽の大きな群れを見たこともある。いや実際には、もっと多かったのかもしれない。そのムナグロの群れの中にキョウジョシギが良く混じっている。派手な色合いのキョウジョシギ。正直言えば、私は、あまり好きではない。それでも、そのシーズンに出会いがないと落ち着かない。不思議な存在だ。
花の季節から、いつしか新緑の美しさを楽しむ季節となった。「目には青葉 山ほととぎす 初がつお」江戸時代の俳人、山口素堂の句を、いつもこの時期思い浮かべる。この句には、三つも季語が入っているのだが、何より心に響くのは、季節感なのだろう。
田んぼや葦原で♪ギョギョシギョギョシの賑やかな声が聞かれる季節となった。葦原は、まだ冬の名残りの薄茶色の枯れた葦が、たくさん残っているが、緑の新芽も少しずつ伸び始めている。これから暑さに向かって、ますます♪ギョギョシギョギョシの声が響き渡ることであろう。
久しぶりにからりと晴れて心地良い風が吹きぬけてゆく。ベランダに植えたフジがツルを伸ばして柔らかな若葉を風にゆだねるように右に左にと揺れている。フクロウの巣立ちも気になる季節になってきた。
田んぼでは、ムナグロやキョウジョシギ、チュウシャクシギの姿をしばしば見かける。先日は、ムナグロの大きな群れが、とめていた車の方に向かって真っすぐに飛んでくるので、ちょっと怖かった。あの時のスピードは、相当なものだったと思う。ムナグロが仲間と小さな諍いを起こすこともある。田んぼには、四季折々、ドラマがある。
田んぼで出会うシギたち。比較的、出会いの多いのがアオアシシギではないだろうか。しかし今シーズンは、まだ数えるほどだ。♪ピョピョピョーという哀愁を帯びたあの声をまだ聞いていない。
数日前、近くの田んぼで、ムナグロとキョウジョシギの群れの中に1羽のアオアシシギの姿があった。ぐんぐん近づいて来るアオアシシギ。長い脚を良く見るとアオアシシギの名前の由来が良くわかる。久しぶりに間近で、じっくり観察することが出来た。
雨が時には、激しい音を立てて降っている。その雨の中、今日も田んぼを回ってきた。この雨では、農作業の人も少ないと思ったからである。しかし人も少なかったが、鳥も少なかった。降り続いた雨で、田んぼは、水かさが増し、シギたちにとっては、あまり好ましくないのだろうか。
チュウシャクシギが数羽、羽を休めていた田んぼの畦に、何やら猛禽の姿。コチョウゲンボウのようだ。もう5月と言うのに、雨降る田んぼでくつろいでいる様子。旅立ちの日も近いことだろう。
いつの間にか雨脚が強くなった。早、皐月を迎え、雨の音も、卯月の雨から五月雨へと変わり、季節の変化を感じさせてくれる。五月雨で連想するのは、「夏は来ぬ」の2番であろう。♪五月雨のそそぐ山田に 早乙女が裳裾ぬらして 玉苗植うる 夏は来ぬ♪
田んぼでは、田植えが順調に進み、早苗が揺れている。早苗月とも言われる五月。田んぼの光景は、心落ち着くものである。早苗の揺れる田んぼで、数日前に出会ったオオハシシギ。今は、どこで過ごしているのだろうか。
1年のうちで一番華やぐのは、桜の季節。例年より寒かった今年の春は、サクラをずいぶん長く楽しむことが出来た。その桜には、いろいろな小鳥がやってくる。メジロ、ヒヨドリ、ツグミ、スズメ、コムクドリ。桜にツグミを撮影したいと春を迎えるたびに思うのだが、なかなか思うような出会いが巡ってこない。それでも今年の春は、サクラが終わりに近い頃、何とかツグミが姿を見せてくれた。今は、新緑の美しい桜の思い出である。