寒い季節、沼のほとりは、実に静かだ。湖面にぷっかり浮かんだり、また水中に潜ったりしているのは、カイツブリ。カイツブリの近くには、オオバンの姿も見える。緑の光沢が美しいヨシガモも数羽。そして今季初めてハジロカイツブリの姿を確認。ハジロカイツブリは、真っ赤な目が印象的だ。人に会うこともなく、沼のほとりは、ひっそりとしている。
湖面を吹き渡る風は、冷たかったが、ミコアイサの姿を見かけたときは、ひととき、その寒さを忘れていた。独特の風貌が何とも言えず楽しく、心惹かれる鳥のひとつとなっている。白と黒のコントラストも、また魅力的である。寒い季節に出会える水鳥の中では、一番出会いを楽しみにしているような気がする。今季も出会えたことに感謝である。
冬枯れの田んぼを回っているとき♪ジェッという声がして飛び立ったのは、タシギ。夏の暑さが終わる頃に姿を見せ始め、初夏まで見る機会がある。一番数多く見られるのは、冬の蓮田であろうか。じっとして動かないでいると、その存在がわからないことがある。オオジシギ、チュウジシギ、タシギ。そのいずれであろうか?と頭を悩ます時期もあるが、冬の蓮田で出会うのは、紛れもなくタシギであろう。
シギに関心を持つようになって、どのくらいになるだろうか。初めて出会ったシギは、オオキアシシギであった。その当時は、訳も分からなくて、それほどの感激もなかったように思う。そのオオキアシシギに出会った蓮田を、時々、のぞいてみるのだが、冬の蓮田は、寂しくて、鳥影は、全くと言っていいほどない。どこの蓮田を回っても出会いのなかった日、この蓮田でクサシギに出会った。クサシギは、ドジョウを上手に捕まえて美味しそうに食べている。その姿は、なかなか面白い。寂しい冬の蓮田だが、ほんのひととき、心和むものである。
寒い季節に出会いたい鳥は、たくさんあるが、その姿に心惹かれるもののひとつが、ミヤマホオジロである。黄色と黒のコントラストが、実に美しい。そしてあの風貌が、何とも魅力的である。前日の風もやみ、ぽかぽかと冬の日差しが降り注ぐ公園の朝。ミヤマホオジロが、一瞬、姿を見せてくれた。その出会いに感謝のひとときであった。
その季節が訪れるたびに、出会いを期待する鳥のひとつが、クロジ。地味で目立たず、日陰にそっと姿を現す。寒い朝の公園で、今季も出会うことが出来た。ひっそりとした冬の朝。カサッと小さな音がして、植え込みの奥の方で動いたのが、クロジだった。こんなにも地味で目立たない鳥なのに、その存在感は大きい。嬉しい朝の出会いであった。
近隣の公園や散歩道などで出会う機会が多いのは、シジュウカラであろう。あまりにも見かける機会が多いので、今度出会ったときにしようとか、またの折にとか色々口実を考えて、レンズを向ける機会を逸している。そのシジュウカラが、公園のネズミモチに姿を見せた。このときは、迷わずレンズを向けたのだが、ほんの一瞬だったので、撮影出来たのは、この1枚だけである。選り好みしないで、もっとシジュウカラに目を向けようと反省した次第である。
今シーズンは、冬鳥の飛来が、大いに期待出来そうとのことで、秋口から私は、そわそわしていた。そのひとつが、ヒガラで、ずいぶん出会いの機会が多かった。山や高原で出会う機会はあるが、近隣の公園で、いともたやすくヒガラに出会うことが出来ようとは、思ってもいなかった。それもかなり至近距離で、何度も何度も出会いの機会が巡ってきた。黒ひげを生やしたような、その姿が、何とも愛らしいヒガラ。春先まで、出会いの機会があるだろうか。
風があり、寒い朝だったが、馴染みの公園に足を向けてみた。小鳥の声がして次々に姿を見せてくれたのは、シジュウカラ。木にとまったり、枯れ草の上に乗って採餌したり、寒い朝のひととき、シジュウカラの大宴会となった。
公園を一周しての帰り道、あまり日の差さないところで、枯れ葉を掘り起こしている鳥がいた。オオアカハラだ。頭の黒さが際立っている。冬を迎えるたびに不思議とどこかで出会えるオオアカハラ。今季もひっそりとその姿を見せてくれた。
1年で一番寒いと言われている2月だが、今年は、思いのほか暖かい。その暖かさに誘われて沼のほとりをゆっくり歩いてみる。例年、オオジュリンがパキパキ音を立ててたくさん姿を見せてくれるのだが、今シーズンは、ひっそりしている。沼には、カイツブリがぷっかり浮かんで、また水中に姿を消した。
枯れた葦のところで姿を見せたのは、タシギ。その動きは、軽やかだ。目の前の桜の木にとまった後、枯れ草の方に飛んで行ったのは、ホオジロ。優しい顔立ちの♀だ。アオジも姿を見せた。枯れた葦のところで、彫刻のようにじっとしているのは、ホシゴイ。
沼のほとりをゆっくり歩く。葦原の奥の方で動く気配がした。オオジュリンだ!なかなか出会えないオオジュリン。沼のほとりの鳥相が変わって来ているのだろうか。
久しぶりに訪れた静かな公園。散歩の人も通らず、ひっそりとしているが、木々の間を飛び交う小鳥の姿が見える。それは、シジュウカラとヤマガラのようだ。道路を横切ったのは、シロハラ。寒い朝だったが、小鳥の姿を見ると、体がほかほかと暖かくなってくる。
池のところに行くと、一部、氷結していてカルガモが、そこに乗っては、また水に戻り、ゆったりと泳いでいる。松の木の下で休んでいたオシドリが動き出し、氷上に乗った。久しぶりに見るオシドリは、色鮮やかで、真冬の寒さをひととき忘れさせてくれた。
昨シーズンは、出会いがほとんどなかった越冬のシギ・チドリ。今季は、かなり多彩な顔触れを何度か目にしている。まず珍しいのがアカアシシギの越冬。オオハシシギは、多いときで30羽以上。セイタカシギ、コアオアシシギ、エリマキシギなどの姿も見える。蓮田で採餌している姿は、泥まみれで、決して綺麗とは言い難いが、寒さの中で出会うシギたちには、心癒されるものがある。
干潟で出会う機会の多かったセイタカシギに冬の蓮田で出会った。秋の渡りの頃、ずいぶんたくさんのセイタカシギの姿を蓮田で見かけたが、その後、あまり出会いの機会がなかった。♪ピュウと鳴いて涼しげな姿で飛ぶセイタカシギ。足が長く、すらっとした姿が魅力的だ。赤い足が、冬の蓮田に映えて美しく見えた。
籠脱けと言われながらも、注目を浴びる鳥のひとつがアカツクシガモ。動物園や公園で出会う機会も多いようだが、偶然、田んぼ回りをしているときに出会った。初めて訪れた田んぼで、目の前を飛んだハヤブサに目を奪われていると、すぐ近くに大きなカモの姿。それが、アカツクシガモとの出会いであった。このとき、あまりに警戒心がなく心配していたのだが、人が集まりだすと、流石に驚いたのか、警戒心が芽生えたようだ。自然の中で逞しく生きて欲しいものである。
♪フィフィ♪と聞き覚えのある声が聞こえてくる。今季、あちこちで姿を見せているウソの声である。そのウソが、姿を見せてくれるのを待っていると、目の前をよぎった鳥がいた。メジロ?いや違う。尾が長い。ウグイスかもしれない。じっと目を凝らす。植え込みの間を見え隠れしている姿は、紛れもなくウグイスだ。♪チャチャ♪チャチャという地鳴きは、聞こえてこないが、ウグイスの姿には、春近しを感じさせるものがある。
今シーズン、冬鳥に期待を寄せる声が、あちこちから聞こえてきた。その期待に応えるかのように姿を見せてくれた鳥の一つがマヒワである。最初に出会ったのが、高い高い松の木の上を飛ぶマヒワの群れ。次に出会ったのが、アキニレの実を一心に啄んでいるマヒワであった。散歩の人が通るたびに♪チュィン♪と小さな声がして、一斉に飛び立つ。冬の日差しの中で出会ったマヒワ。その色が金色に輝いて見えた。
川沿いの散歩道を歩いていると♪フィッフィッフィッフィッ♪と懐かしい声が聞こえてくる。枯れ草の奥の方から、声がするらしい。紛れもなくベニマシコの声だ。ベニマシコの♂は、赤くて魅力的だが、地味な♀は、可愛らしくて大好きだ。寒い季節からヤナギの芽が芽吹くころまで、楽しませてくれるベニマシコ。また、ゆっくり会いたいものである。
頭頂の冠をかぶったような姿と胸元と眉斑の黄色が印象的な鳥、ミヤマホオジロ。寒い季節を迎えると是非、会いたい鳥のひとつになっている。この鳥に心惹かれるのは何故だろう?やはりあの顔立ちと柔らかな黄色が魅力的なのだろうと思う。雪の中で出会ったミヤマホオジロ。思い出の鳥である。
立春を過ぎても、まだまだ寒さが残る日々だが、散歩道の木々の芽は、日毎に膨らんで来ているようだ。久しぶりに、ご近所コースをゆっくり歩いてみる。鳥たちとの出会いは、あまり期待していなかったのだが、歩き始めてほどなく出会ったのが、メジロ。♪チーチーと鳴いて茂みの中に入り、時折、桜の木に姿を見せる。
続いてシジュウカラ。シジュウカラは、5~6羽はいるようだ。一瞬、蕾の膨らみ始めたボケの木にとまったが、すぐに枯れ草の方に飛んでしまった。植え込みの下で動いているのは、シロハラ。そのシロハラが飛んで近くの木にとまった。シロハラは、少なくとも3羽は、いるようだ。
日陰になったところには、大きな霜柱。こんなに大きな霜柱を見るのは、久しぶりだ。すぐ近くでカワセミの声がする。林の手前の草むらに何やら鳥の動く気配。よくよく見るとルリビタキ。尾羽の青色が、とても綺麗だ。まだ若いルリビタキ。桜の蕾が、もっと膨らむ頃まで、姿を見せてくれるだろうか。
♪ギューイ♪冬の日差しが降り注ぐ静かな公園に響き渡るのは、オナガの声。オナガが飛ぶと、長い尾が優雅に見える。木々の間をゆったりと飛び回るオナガ。一体、何羽いるのだろうか。あの声は、何とも好きになれないが、その姿には、心惹かれるものがある。静かな静かな公園が、一瞬、華やぐ。オナガの姿は、美しい。
♪キリリ キリリ キリリ♪冬枯れの田んぼに響き渡るのは、ケリの声。ケリが5羽、一斉に飛び立った。ケリは、地味な鳥で、遠くから見ると、なかなか見つけにくい。しかし、飛翔姿は、別だ。白と黒のコントラストが実に美しい。水がわずかに残った田んぼに降り立ち、熱心に採餌している。寒さが近づいてくると近くの田んぼに出掛け、その姿を探す。今季も、また会えた。
今季は、早くから冬鳥の飛来が期待されていたが、アカウソは、特にあちこちでの目撃情報が多かったように思う。しかし、私は、何故かアカウソにあまり縁がなく、その出会いが実現するのは、かなり時間を要した。出会って見るとアカウソは、実に食欲旺盛で、絶えず嘴の周りに何か食べた後の名残りがある。桜や梅の花芽もずいぶん啄んだようだが、梅の時期、桜の頃、花は楽しめるのだろうか。
冬の蓮田をまわってみる。必ずシギたちに出会えると信じて訪れた蓮田は、この日の朝、もぬけの殻。何があったのだろうか。仕方なく、何か所か心当たりを探してみるのだが、出会いがない。やっと出会えたのが、タカブシギ。赤いじゅうたんを敷き詰めた蓮田に3羽、熱心に餌取りしている。時折、ハクセキレイが飛ぶだけの静かな蓮田。至近距離で出会えたことに感謝である。
昨シーズンは、ほとんど出会いのなかったシギたち。今季は、ずいぶん多彩な顔触れを楽しませてもらっている。その中でもエリマキシギを数個体観察出来るのは、嬉しい限りである。この日、蓮田に着いてみると、遠くにエリマキシギが4羽見える。そのエリマキシギが、次々に飛んで、目の前に姿を見せてくれたのには、いささか驚いた。あまりに近過ぎて撮影に窮するほどだ。こんな嬉しい出会いが、冬の蓮田では、待っている。
枯れ葉を踏みながら、静かな公園を歩く。聞こえてくるのは、元気なヒヨドリの声。松林に差し掛かると、小鳥が飛んだ。もしかするとルリビタキ?と思いながら、小鳥の飛んだ方角に少しずつ近づいて行く。地味な色合いながら、すぐに見つけることが出来た。やはりルリビタキだった。脇のオレンジ色が、鮮やかで、目を引く。静かな冬の公園で、ルリビタキは、元気に飛び回る。
今シーズン、なかなか出会いのなかったビンズイ。例年、小高い丘近くの松林で、必ず出会っていたのだが、今季、何度、足を運んでも声を聞くことも姿を見ることもなかった。そのビンズイに静かな公園で出会った。枯れ葉の上を静かに歩きながら、一心に採餌している。1羽、2羽、3羽。次々に姿を現す。全部で6羽。いや、もっといたかもしれない。静かな公園で、ビンズイは、ひっそりと冬を過ごしている。
寒さが始まる頃、毎年、どこかに姿を見せてくれる鳥、オジロビタキ。愛らしい顔立ちと、その動きの軽やかさが、鳥を愛する人たちの目を心を魅了するようだ。
先日訪れた公園で素早く動き回るオジロビタキに出会った。ほぼ1年ぶり。昨シーズンは、2か所で出会った。その素早い動きを見ていると、散歩の方、数人から声をかけられた。「何がいるのですか?」そして、その存在を知ると「可愛い!!!」と声をあげる。きっと春先まで、皆の目を楽しませてくれることだろう。
「アボセットがいますよ。」鳥に関心を持ち始めてまだ日が浅い頃、耳慣れない言葉が、寄せられた。当時の私には、どんな鳥なのか想像も出来ない。アボセットが観察されたという場所に何とか辿り着いたものの、すでに姿はない。その後も機会はあったはずなのだが、いつもタイミングが合わない。
そのアボセットにようやく出会うことが出来た。冬の湖岸に2羽。浅瀬でゆったり羽を休めている。お休みモードが長くて、特徴ある嘴を見るには、少々時間がかかったが、泳ぐ姿や、比較的ゆっくり飛ぶ姿も間近に見ることが出来た。嬉しい出会いであった。
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