2014/10/31 あかつきの空
標高2000m、360度遮るものがなく、アルプスの展望台と言われる地を訪ねてみた。1日目は、霧で覆われ、辺り一面、真っ白。数メートル先のものまで、見えない状態であった。しかし、翌日は、期待通りの朝を迎えることが出来た。日の出前から、刻々変わりゆく様を、じっくり楽しむ。山の端が、刻一刻赤味を帯び、太陽が、上って行く。太陽が上っていく時間の何と早いことだろう。氷点下の朝であったが、心は、温かさで満ち足りていた。
2014/10/30 チョウゲンボウ
黄金色の稲穂が、一面に広がっていたのは、ついこの間の事だったような気がする。今は、刈田が広がり、所々、二番穂の緑が殺風景な田んぼに彩りを添えている。
今の時期、田んぼで良く出会うのは、ヒバリ、スズメ、カワラヒワくらいであろうか。それでも、もしかしての淡い期待を持って、好んで田んぼめぐりをする。
この日、畦の上で休んでいる茶系の鳥を見つけた。一瞬、コチョウゲンボウかと思い、胸の高鳴りを覚えたが、飛び立った瞬間、チョウゲンボウだと分かった。寒さに向かって、しばしば姿を見せてくれることだろう。
2014/10/29 アカアシシギ
秋の渡りと言う言葉があるが、シギたちの秋の渡りは、真夏の日差しが降り注ぐ中で始まっている。ポチポチ姿を見せ始めるのが、7月の半ば。そして一段と暑さが厳しい8月を過ぎ、9月、10月と色々なシギ・チが休耕田や蓮田に飛来し、ひととき賑わいを見せてくれる。
今季は、9月が低調だったが、10月に入って賑わいを見せてくれた。会いたかったアカアシシギにも何回か出会いの機会があり、ゆっくり、その姿を観察することが出来た。蓮田は、シギたちにとって、かえがえのない場所である。
2014/10/28 オグロシギ
夏の暑さが遠のき、田んぼに初秋の風が吹き始める頃、蓮田では、収穫が始まる。夏の暑さの頃は、青々と茂っていた大きな葉が、茶色く干からびて、蓮田の光景は、大きく変わる。そして、その茶色く干からびた蓮の葉と茎の間に身を隠すようにして羽を休めているのが、オグロシギである。
9月から10月にかけて飛来するオグロシギは、殆んどが幼鳥で、大きな群れとなって姿を見せることが多い。この日も10羽ほどの群れであった。蓮田は、シギたちにとって、大切な栄養補給の場である。
2014/10/27 アオアシシギ
♪ピョー♪ピョー♪何とも物悲しく哀愁を帯びた声は、アオアシシギである。姿は、見えなくても、この声を聞けば、近くにアオアシシギがいることを想像することが出来る。
この日出会ったアオアシシギは、全部で8羽。蓮田の中で採食中のアオアシシギもいれば、野の花の咲く畦で、ゆっくり羽を休めているアオアシシギもいた。この2羽の寄り添うような姿は、何とも微笑ましくて心に残るものであった。
2014/10/26 オオハシシギ
渡りの中継地として重要な役割を担っている蓮田。夏の暑さの頃は、青々とした葉をいっぱい広げ、白色やピンクの花も見せてくれる。そして秋の涼しさが訪れる頃、蓮田は、収穫の時期を迎える。収穫の済んだ蓮田は、渡り途中のシギたちの好物がいっぱい。
その蓮田で、例年、良く見掛けるのが、オグロシギとオオハシシギである。今季、私は、オオハシシギとの出会いが少なかったが、この日は、ゆっくりその姿を観察することが出来た。
2014/10/25 ムナグロ
秋雨が降り続いた後、乾き切っていた田んぼは、潤いを取り戻したようだ。刈田に見られる二番穂が、生き生きとして見える。
馴染みの田んぼをゆっくり回ってみると、農道を横切る鳥影。良く見るとムナグロだ。刈田に入っていったのは、3羽のムナグロ。何とも愛くるしい目をしている。渡りの途中で、ほんのひととき。たっぷり栄養補給出来ただろうか。
2014/10/24 ツルシギ
春の渡りで見掛けるツルシギは、お彼岸の頃から5月の連休の頃まで滞在する。それ故、タイミングさえ合えば、夏羽に換羽していく過程を観察することが出来る。しかし、秋の渡りで出会うツルシギは、早ければ一日で移動してしまうので、出会いの機会は、なかなか難しい。
蓮田で出会ったのは、2羽のツルシギ。2羽が寄り添うように、蓮田の中をせっせと歩き、採食に余念がなかった。渡りの中継地として、蓮田は、大きな役割を担っている。
2014/10/23 チュウヒ
久しぶりに訪れた草原は、セイタカアワダチソウが一面に咲き、秋の風情で満ち溢れていた。夏の初めに訪れたときは、ほとんど草もなくて、遥か彼方にコジュリンの声を聞いただけであった。
草原の秋を楽しんでいると、突然、猛禽らしい姿が目の前に現れた。急いでレンズを向ける。一脚を伸ばす時間もなく、シャッターを切る。久しぶりに見るチュウヒであった。寒さに向かって、これから猛禽の姿が多くなってくることだろう。
2014/10/22 アカアシシギ
今季、アカアシシギには、数回出会っている。暑さの中で、ツバメチドリと一緒にいるアカアシシギには、干拓地の水溜りで出会ったし、蓮田でも見掛けた。
10月に入って同じ蓮田にいる3羽のアカアシシギに出会った。その内の2羽は、昨シーズン、越冬した個体ではないだろうか。背景の乏しい蓮田では、アカアシシギの赤い脚が何とも魅力である。
2014/10/21 オオハシシギ
今季、オオハシシギに出会う機会が、案外少ない。たまたまタイミングが合わないということなのかもしれない。この日、オグロシギの群れの中に、1羽のオオハシシギがいて特徴ある姿をゆっくり観察することが出来た。
同じ日に、別の蓮田では、ツルシギ、アカアシシギ、ハマシギなどと一緒にいるオオハシシギ2羽の姿を見ることが出来た。やはり鳥との出会いは、タイミングということになるのだろう。
2014/10/20 タカブシギ
秋の蓮田で出会いの多いのは、何と言ってもタカブシギではないだろうか。あちらの蓮田、こちらの蓮田で良く見掛ける。しかし、警戒心が強く、そっと近づいたつもりでも♪ピッピッピッ♪と甲高い声を上げ、飛び立ってしまう。
そのタカブシギもひと頃より数が少なくなってきたようだ。秋の蓮田は、だんだん寂しくなっていく。
2014/10/19 アオアシシギ
いつもより少々早起きして、いそいそと蓮田に向かう。渡り途中のシギたちの姿が見られるのも、そろそろ終盤が近いのではないだろうか。そう思うと何とも落ち着かない。
折角、早起きして出て来たのに、朝靄が立ち込め視界がすこぶる悪い。しばらく、あちこちの蓮田を回っているうちに、すっきりと晴れ渡ってきた。
♪ピョー♪哀愁を帯びたアオアシシギの声だ。草の間から、そっとレンズを向けると、次の瞬間、飛び立った。蓮田の秋は、日々、深まって行く。
2014/10/18 セイタカシギ
タカブシギがたくさんいた蓮田には、セイタカシギが1羽、ゆったりと羽を休めていた。7月、8月に田んぼ回りをしたとき、干拓地の水溜りに数羽のセイタカシギがいて、鳥の少ない時期に、ずいぶん楽しませてもらった。
今回、久しぶりに出会ったセイタカシギは、全体に優しいイメージで、夏に出会ったセイタカシギとは、少々印象が違っていた。しばらくは、蓮田でゆっくりしてくれるのだろうか。
2014/10/17 アカアシシギ
コアオアシシギとウズラシギに出会った蓮田には、アカアシシギが2羽いた。脚の赤い色が鮮やかで、蓮田の奥の方にいても、良く目立つ。2羽のアカアシシギは、付かず離れず、適度な距離にいて、採食したり、羽繕いをしたりしている。長い旅を続ける良きパートナーなのであろう。
9月の蓮田は、シギ・チが低調と言われていたが、10月に入って、挽回。蓮田は、シギたちの憩いの場になっている。
2014/10/16 コサメビタキ
久しぶりに川沿いの道を歩いてみる。シジュウカラが元気よく飛んで来て、すぐ近くの細い枝にとまった。♪ツピッ♪辺りの静寂を破るような元気いっぱいの声だ。続いて、もう1羽。静かな散歩道が、急に活気づく。
いつの間にかポツリポツリと降り出した。目の前をさっと飛んだのは、コサメビタキ。もう、とうに旅立ったと思っていたのに、秋雨が降る中、思いがけない出会いであった。
2014/10/15 コアオアシシギ
タカブシギがたくさんいる蓮田で出会ったのは、コアオアシシギ。昨年の今頃は、比較的出会いの多かったコアオアシシギだが、私は、なかなか縁がなかった。
スラリとして華奢なイメージのコアオアシシギは、たった1羽だったが、タカブシギの群れの中にいて、ひと目でそれと分かった。蓮田の秋は、なかなか楽しい。
2014/10/14 ウズラシギ
また新たな台風が近づいて空模様が気になる中、蓮田に向かった。途中、ポツリポツリと降りだしたが、大降りにならないことを願いながら目的地に向かう。
蓮田に着くと、タカブシギがあちらにもこちらにも実にたくさんいる。一度にこれほどたくさんのタカブシギを見たのは久しぶりだ。すぐ近くには、頭の茶褐色のシギがいる。ウズラシギだ。この蓮田が気に入ったようで、実にゆったりと寛いだ雰囲気だ。秋の蓮田は、まだまだ楽しめそうである。
2014/10/13 アカアシシギ
久しぶりに田んぼを回ってみると、まだ収穫の済んでいない稲田が、あちこちにあって、少々驚く。稲穂は、黄金色を通り越して、褐色になっているものもある。田植えが遅かったこともあるのだろうが、また台風が来るというので、人事ながら心配になってくる。
蓮田に回ってみると、こちらは、収穫が大分進み、例年通り、シギが、ちらほら入っている。中でも、アカアシシギを2羽見られたのは、嬉しかった。多分、昨シーズン飛来していた個体であろう。この冬もゆっくりして欲しいものである。
2014/10/12 オグロシギ
秋が本格的になった頃、例年、蓮田を賑わせるのが、オグロシギ。秋の渡りの最終ランナーとしてオグロシギの幼鳥が、群れとなって姿を見せてくれる。
今季も、その出会いを期待していたが、先日、ようやくその出会いが実現した。オグロシギは、温厚な印象で、警戒心も強くなく、ゆったりとした姿を見せてくれた。蓮田の秋もいよいよ深まっていく。
2014/10/11 チュウジシギ
早いもので10月も半ばを迎え、都市公園や近隣の公園を通過する小鳥たちの姿も、めっきり少くなった。吹く風にも、どこか寂しさを感じる。
近くの田んぼを回っても、格別の出会いもないのだが、先日、蓮田でチュウジシギに出会った。蓮田にそっと近づいても足元から♪ジェッ♪と鳴いてタシギが飛び立つ。しかし、チュウジシギは、案外、警戒心がなく、保護色の中にいると言う感覚からか、何とか撮影の機会を与えてくれた。
2014/10/10 キビタキ
公園の桜は、ほとんど葉を落とし、見通しが良くなった。しかし、渡り途中に立ち寄る小鳥たちの姿は、ほとんど見かけなくなり、ひっそりとして何とも物悲しい。
その公園の片隅から聞こえてくるのは、キビタキの地鳴き。サワフタギの実は、殆ど無くて、一体、何を食べているのだろう。こんもりとした茂みから突然、姿を見せたキビタキ♀。旅立ちの日も近いことだろう。
2014/10/9 ノビタキ
秋の日差しが降り注ぐ田んぼ道をゆっくりゆっくり回ってみる。所によっては、まだ稲刈りの済んでいない田んぼもあり、想像していた10月の田んぼとは、ずいぶん印象が違う。
草の生えた畦道から、ピョンピョンと飛び出すのは、バッタ。種類は、分からないが、大きいのやら小さいのやら、たくさん飛び出す。バッタに気を取られていたが、畑の中を小さい鳥が飛んだ。今季初めての出会いのノビタキだ。2羽のノビタキが楽しげに飛び回っている。秋の田んぼの一コマだ。
2014/10/8 ウズラシギ
9月は、低調だった田んぼのシギ・チだが、10月に入って例年通り、オグロシギの幼鳥が、たくさん入って来たようだ。やはり例年通りというのは、安心で嬉しいものである。
オグロシギと並んで、数多く見られたのが、ウズラシギである。3箇所の蓮田で、複数のウズラシギを観察することが出来た。やはり今の時期は、ほとんどが幼鳥で、どの個体にも幼さと初々しさを感じ、何とも新鮮な思いがした。
2014/10/7 ツルシギ
9月は、都合でフィールドに出られない日が多く、加えて田んぼのシギ・チが低調だったこともあり、すっかりシギ・チが遠い存在になっていた。久しぶりに訪れた蓮田では、嬉しいことに例年通り、シギたちが姿を見せてくれた。
とりわけ嬉しかったのが、ツルシギである。蓮田の奥の方に、あの赤い脚が見えたときは、久しぶりに胸の高鳴りを覚えた。しばらく滞在してくれるのだろうか。
2014/10/6 カッコウ
黄色く色づいた桜の葉が、ほんの数枚。そこには、秋の気配がいっぱいあふれている。シジュウカラとエナガの混群が、ひとしきり賑やかに飛び交った後、辺りは、急に静かになる。ひと頃、あれほど忙しく木々の間を動きまわっていたエゾビタキも、姿を見ることは、稀になった。
桜の木に静かに飛んで来てとまったのは、カッコウ。今季、各地で数多く観察されている杜鵑だが、今の時期は、幼鳥が多い。静かな公園は、日々、秋らしさを増していく。
2014/10/5 コサメビタキ
またまた大型の台風が近づいていると言う。被害がないことを祈るのみである。
雨が降リ出す前に出掛けた公園で出会ったのは、コサメビタキ。エゾビタキは、数多く見掛けたけれどコサメビタキには、なかなか出会えなかった。渡り途中、ほんのひととき、羽を休めに立ち寄るお休み処。時折、キビタキの地鳴きが聞こえる公園で、ゆっくり栄養補給出来ただろうか。
2014/10/4 エゾビタキ
10月を迎えて、渡り途中の小鳥たちの姿は、少くなってきているようだ。とは言え、エゾビタキは、時折、姿を見せてくれる。エナガとシジュウカラの混群が、木々の間を鳴きながら賑やかに飛び回り始めると、1羽、動きの違う鳥が姿を見せた。
素早い動きの、その鳥は、エゾビタキ。トンボを追いかけているようだ。空抜けの高い木の上にとまったり、突然、目の前の枝にとまったり、その動きは、予測がつかない。しばしエゾビタキに振り回されて、小さな秋を楽しんだ。
2014/10/3 チュウジシギ
稲刈りの済んだ田んぼは、何とも殺風景で寂しいものである。一月ほど前には、黄金色の稲穂が、ずっしりと重そうに頭を垂れていたのだが、今では、刈田が続くばかりである。
その刈田で出会ったのは、チュウジシギ。嘴と羽の形状から、タシギではないと、判断した。こんもりとした土の山に身を隠すようにしていたのだが、こちらの気配を気にするでもなく、かなりくつろいでいる雰囲気にも見えた。
2014/10/2 サメビタキ
渡り途中の小鳥たちが、ほんのひととき、羽を休めるお休み処。それは、近隣の公園であったり、都市公園であったり、屋敷林であったりする。
秋の渡りで出会いの機会が多いのは、ヒタキ類であろう。ヒタキ三兄弟と言われるエゾビタキ、コサメビタキ、サメビタキなどである。それらは、クマノミズキなどの木の実を啄んだり、トンボや昆虫などを上手に捕食したりする。
この日出会ったのはサメビタキで、実に軽々とした身のこなしであった。
2014/10/1 ツツドリ
早いもので、今日は、神無月。1年の四分の三が過ぎたことになる。猛暑・酷暑と言われた夏も8月の終わりには、思いがけず涼しい日が続いて戸惑うことも多かった。そして広島の土砂災害、つい数日前には、信仰の山と言われる御嶽山の噴火など予期せぬことが起こり、胸痛む思いである。
初秋の公園で出会ったのは、ツツドリ。今季は、杜鵑類の当たり年なのだろうか。各地でツツドリをはじめ、カッコウ、ホトトギスなどが姿を見せているらしい。その上、出会いの機会は稀というジュウイチまで数か所で観察されているという。鳥が少ないと言われる中で嬉しいことである。