タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2015/3/31 モズ Bull-headed Shrike

モズの画像

モノマネ上手な鳥は、モズ。春先、このモズの声に惑わされることがある。ヒバリやウグイス、ホオジロ、オオヨシキリなどお手のものである。モズを「百舌」と書くのは、この特技から来ているようである。

鳥の少ない昨今、尾を振り振り現れたモズに癒やされる思いがする。散歩道の公園で、見掛けた2羽のモズ。子育てをする姿が見られるのは、何時頃になるのだろう。

2015/3/30 オオマシコ Pallas's Rosefinch

オオマシコの画像

赤い鳥の代表格は、やはりオオマシコであろう。初めてオオマシコに会ったのは、山深い林道であった。美しいバラ色とレース模様の胸飾りが何とも魅力的で、一目惚れした鳥である。雌は地味だが、その愛らしさが際立っていて大好きな鳥のひとつである。

赤い鳥・オオマシコ、いつも夢を見させてくれる。何度会っても、また会いたくなる鳥である。今度は、いつ会えるだろうか。

2015/3/29 イカル Japanese Grosbeak

イカルの画像

東京近郊の公園にイカルが群れで姿を見せているという。今、花が見頃のコブシにとまったり、結構、愛想が良いと聞く。私が、初めてイカルを見たのは、御岳の大きな大きなケヤキの木。鳴きながら2羽で飛んで来て、しばらく休んでいった。

♪キーコーキー♪キキコーキー♪広い公園を歩いているとイカルの声が聞こえて来た。久しぶりに見るイカルは、ゆったりとした姿を見せてくれた。

2015/3/28 ミソサザイ Wren

ミソサザイの画像

♪チッチッ♪チッチッ♪聞き覚えのある声が、茂みの中から聞こえてくる。薄暗く寒い朝であったが、この声を聞くと、体がぽっと熱くなった。その声は、久しぶりに聞くミソサザイの声であった。

灌木のあたりに目をやると、素早く動く鳥がいる。間違いなくミソサザイだ!素早い動きに振り回され、しばし寒さを忘れる朝だった。

2015/3/27 トラツグミ White's Thrush

トラツグミの画像

早春の公園や庭園で、しばしば見掛けるサンシュユ。ハルコガネバナと言われるように鮮黄色の小花を春先になると一面に開花させ人々の目を楽しませる。秋になると、この黄色からは、想像も出来ない赤い実をつける。これは、アキサンゴと呼ばれている。

寒い朝、トラツグミにも出会った。サンシュユの赤い実が地面にこぼれている所で、トラツグミは立ち止まり、美味しそうに啄んだ。アキサンゴは、どんな味がしたのだろう?

2015/3/26 ハギマシコ Rosy Finch

ハギマシコの画像

マシコの仲間で、今まで出会ったことのあるのは、オオマシコ、ベニマシコ、ギンザンマシコ、アカマシコそしてハギマシコである。マシコは、猿子と書く。体の赤い色を指してそう呼ぶようである。

ハギマシコは、翼や脇腹が美しいバラ色で、これは、萩の花を連想させるものである。今季、ハギマシコにも出会う機会に恵まれた。地味な色であるが故に、地面に溶け込んで、見つけるのが容易ではなかった。残雪の上に姿を見せたとき、ハギマシコの美しさは、格別であった。

2015/3/25 オオマシコ Pallas's Rosefinch

オオマシコの画像

冬の寒さが本格的になると赤い鳥との出会いに思いを馳せる。それは、ベニマシコだったりオオマシコだったりベニヒワだったりする。

鳥との出会いは、偶然であることが多い。それ故、出会えた時の喜びは、何物にも代えがたいものがある。オオマシコに出会ったのは、真冬であるにもかかわらず、あまり寒さを感じない朝のことであった。高い高い木の上にポツンと点のように見えた赤い鳥。それが念願の赤い鳥・オオマシコであった。

2015/3/24 ヒレンジャク Japanese Waxwing

ヒレンジャクの画像

レンジャクは、その年によって飛来数の変動が激しく、特にキレンジャクは、全く見られない年もある。それに比べて、ヒレンジャクは、わずかながらも毎年、見られるようである。

今季、ヒレンジャクの飛来数は多く、たわわに実ったホサキヤドリギの実を一日で食べ尽くしたという話もある。鳥に関心を持ち始めてまだ日が浅い頃、山中湖の湖畔で出会ったヒレンジャクが一番印象深い。

今季、思いがけず出会ったのは、サンシュユの赤い実を啄むヒレンジャクの群れ。地面に落ちている赤い実を啄む姿は、深く心に残るものである。

2015/3/23 キレンジャク Bohemian Waxwing

キレンジャクの画像

寒い頃から、レンジャク飛来のニュースが、各地から聞こえて来た。それは、主にヒレンジャクで、その中に数羽、キレンジャクが混じっているというものであった。

しかし、3月に入り、関東各地でキレンジャクがずいぶん観察されるようになったようだ。8年前の3月にも同じようなことがあった。馴染みの公園の柳の木にキレンジャクが飛来したり、少し遠方だが、東京近郊の公園のヤブランの実を啄むキレンジャクを間近に見たりした記憶がある。

寒い頃に出会ったキレンジャク。今、帰り道を急ぎながら、関東を通過しているのであろう。

2015/3/22 オシドリ Mandarin Duck

オシドリの画像

例年、都内の庭園で出会うオシドリ。今季は、タイミングが合わず、しばらく待っても姿を見せてくれない。ホシハジロは、近くまで来て、十分に楽しませてくれたのだが、とうとうオシドリとの出会いは、叶わなかった。

ところが、思いがけず、オシドリ♂♀を間近に見る機会に恵まれた。こちらが、じっとして動かなければ、すぐ近くを悠々と闊歩する。決して飼い鳥ではないし、餌付けされているわけでもない。これほどゆったりした気持ちでオシドリを観察したことはなかったので、心に残るひとこまとなった。

2015/3/21 オオハシシギ Long-billed Dowitcher

オオハシシギの画像

例年、越冬するシギ・チは、限られている。今季は、アメリカウズラシギ、ヒバリシギが、しばしば観察された。これは、珍しいケースのようである。時折、アカアシシギが観察されたが、一番個体数が多かったのは、何と言ってもオオハシシギだったと思う。

そのオオハシシギだが、多い時には、30数羽が、同じ蓮田で食事中だったり休憩中だったりする。しかし、時間によっては、全く姿を見掛けない。他に安心して休める場所があるのだろう。

蓮田や田んぼでは、そろそろ春の渡りが始まる。今シーズンは、どのようなシギ・チに会えるだろうか。

2015/3/20 メジロ Japanese White-eye

メジロの画像

ポカポカと暖かい日差しが嬉しい日、久しぶりに近くの梅林を訪ねて見た。前回、訪れた時には、まだ八分咲きと言ったところだったが、今回は、満開をやや過ぎた感があり、甘い香りが辺りを包んでいる。

メジロとの出会いを期待して出掛けたのだが、ひっそりとして静まりかえっている。やがて♪ギィーとコゲラの声がした。ジョウビタキも見え隠れするのだが、スッキリとしたところには出てくれない。♪チィーチィーとメジロの声が聞こえて来た。なかなか姿を見せないが、梅の花の奥にどうやら4~5羽いるらしい。

2015/3/19 シロカモメ Glaucous Gull

シロカモメの画像

田んぼで出会うシギ・チ、いわゆる淡水系のシギ・チには、強い関心を持ち、今までずいぶん田んぼ通いをして来た。今年に入り、海辺の鳥たちに関心を持ち始めたのだが、カモメは、難しくてお手上げ状態である。

そのような中、ある朝、海辺で出会ったのが、シロカモメだった。セグロカモメやオオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメに混じって、かなりゆったりと休んでいた。カモメは、難解であるが故に避けて通っていたが、シロカモメを目前に見たことで、カモメとの距離が近くなったように思う。

2015/3/18 ヒメウ Pelagic Cormorant

ヒメウの画像

海辺で出会う「ウ」の多くは、カワウかウミウである。その中に数は少ないが、ヒメウを見掛けることがある。私が判断基準としているのは、嘴で、遠目にもヒメウの嘴は、細く分かり易い。

冬の間、なかなか出会いの機会がなかったが、早春の海辺では、ヒメウを良く見掛ける。北海道では、緑色光沢のヒメウの群れを見る機会があったが、こちらでは、数えるほどである。今度は、目の周りが赤くなった夏羽を見てみたいものである。

2015/3/17 ウミスズメ Ancient Murrelet

ウミスズメの画像

寒い冬の間に数回訪れた海辺。何故か、いつも冷たい風が吹きまくっていた。久しぶりに訪れてみるとポカポカと暖かく、風もない。あれほど寒かった海辺にも春が来た!そう思えた日、ゆったりと小舟のように浮かんでいるウミスズメに出会った。

ポカポカとした日差しが心地よいのか、目を閉じて、時折、一瞬、目を開ける。ユラリユラリと笹舟のようにも見える。間近に来たとき、上から見ると亀のようにも見えた。

2015/3/16 タカブシギ Wood Sandpiper

タカブシギの画像

越冬しているヒバリシギのいる蓮田では、タカブシギにも出会うことが多い。ヒバリシギにレンズを向けている時、蓮田の片隅にいたタカブシギが何やら聞いたことのない声を張り上げた。その声は、鳴き声というより、突き刺さるようなイメージの声であった。

あれは、縄張りを主張する声であったのだろうか。普段、おとなしいイメージのタカブシギが、発した声だけに、妙に鮮烈に耳に残っている。

2015/3/15 マミジロツメナガセキレイ Yellow Wagtail

マミジロツメナガセキレイの画像

寒い冬の間に、何度か訪れた蓮田や田んぼ。オオハシシギは、例年、越冬個体を見掛ける機会があったが、今季は、アメリカウズラシギやヒバリシギまで真冬の蓮田や田んぼで姿が見られた。

その田んぼの近くで何度か見掛けたのが、マミジロツメナガセキレイである。最初は、こんな所にキセキレイがと思ったのだが、良く良く見れば、ツメナガセキレイであった。田んぼや蓮田では、間もなく春の渡りのシギたちが姿を見せてくれることだろう。畦道では、オオイヌノフグリやホトケノザが小さな春を告げている。

2015/3/14 アカエリカイツブリ Red-necked Grebe

アカエリカイツブリの画像

この冬、数回足を運んだ海辺。手賀沼では、数少ないカンムリカイツブリをずいぶんたくさん見掛けた。ハジロカイツブリは、群れで泳いでいるし、時には、ミミカイツブリが混じることもある。しかし、アカエリカイツブリには、なかなか出会えなかった。

そのアカエリカイツブリに出会ったのは、風もなく暖かい日差しの日であった。カンムリカイツブリやハジロカイツブリに比べて潜水時間が長かったが、嘴には、生きの良い魚がピチピチと動いていた。

2015/3/13 シロエリオオハム Pacific Loon

シロエリオオハムの画像

近隣の公園を回っても、蓮田や田んぼを回っても、ごく限られた種との出会いだけで、何とも寂しい。そのような中で出掛けた海辺。今まで出掛ける機会が少なかっただけに、どの鳥に出会っても新鮮である。

早春の海辺で出会ったのが、シロエリオオハム。夏羽は、数年前に出会っているが、冬羽は初めてである。羽繕いをしたり、ゆったりボートに乗ったようなスタイルを見せたり、ずいぶん楽しませてくれた。今頃、どこに居るのだろう?

2015/3/12 ミミカイツブリ Horned Grebe

ミミカイツブリの画像

アラナミキンクロが見られた海辺で、ミミカイツブリは、悠々と泳いでいた。ハジロカイツブリとミミカイツブリの違いは、嘴の反り具合、赤い涙の有無、この2点だと私は、思っている。

その後、なかなかミミカイツブリとの出会いがなかったが、ハジロカイツブリの群れの中に3羽の ミミカイツブリを見つけた時は、一瞬戸惑った。ハジロカイツブリに比べて、出会いの機会の少ないミミカイツブリ。是非、夏羽を見たいものである。

2015/3/11 カンムリカイツブリ Great Crested Grebe

カンムリカイツブリの画像

手賀沼や印旛沼でも見掛けるカンムリカイツブリ。見掛ける機会は、結構あるが、それでも個体数は、少ない。

この冬、何度か足を運んだ漁港では、ずいぶんたくさんのカンムリカイツブリを見掛けた。個体差はあるが、案外、警戒心が少ないように感じる。冬羽の中に1羽の夏羽を見たのは、風の冷たい2月の朝だった。今では、夏羽の個体が増えているが、旅立ちの日も、そう遠くはないのであろう。

2015/3/10 ハジロカイツブリ Black-necked Grebe

ハジロカイツブリの画像

風が強く、漁港は、大きく波立っていた。海辺を訪れる日は、風の強い日が多かったが、ハジロカイツブリの群れには、良く出会った。1月に出会った時、ハジロカイツブリは、皆、冬羽であったが、2月に入ると夏羽が1羽混じり、3月に入ると夏羽の個体は、3羽に増えていた。

多いときには、50羽ほどの群れであったハジロカイツブリだが、ここに来て、群れが小さくなって来たようだ。群れが、いくつかに分散し、移動していくのだろうか。全員夏羽になった姿を見たいものである。

2015/3/9 アメリカウズラシギ Pectoral Sandpiper

アメリカウズラシギの画像

晩秋の蓮田で出会ったアメリカウズラシギ。あの時、すぐ目の前で、ゆったりとした姿を見せてくれた。その後、しばらく姿を見掛けなかったが、寒さの中で出会った時は、奥まった田んぼで、せっせと食事中。3羽で行動していることが多い。

風が強かったが、久しぶりに蓮田や田んぼを回ってみると、やはり奥まった田んぼにアメリカウズラシギは居た。余程居心地が良いのだろう。お彼岸の頃には、ポチポチ春の渡りが始まる。その頃まで、滞在してくれるだろうか。

2015/3/8 ビロードキンクロ Velvet Scoter

ビロードキンクロの画像

風の強い日、海辺で出会ったのは、ビロードキンクロ。非常に警戒心の強い個体もいて、車からの観察にもかかわらず、気配を察して、すぐに遠のいて行く。この日、出会った個体は、ゆったりタイプ。何回も潜水を繰り返し、大きな貝を苦労して飲み込んでいた。あれは、ハマグリだったのだろうか。

あの日、悠々と泳いでいた3羽のビロードキンクロ。そろそろ旅立ちの日も近いことだろう。

2015/3/7 ヒバリシギ Long-toed Stint

ヒバリシギの画像

春の渡り、秋の渡りで出会うことが多いヒバリシギ。小柄な可愛い印象のシギである。渡りの季節を迎えると、まず真っ先にヒバリシギとの出会いを期待する。

昨年の冬、蓮田で見慣れない小型のシギを見た時は、一瞬戸惑った。それまで冬羽のヒバリシギを見たことがなかったのである。春の渡りが本格的になる少し前まで、そのヒバリシギは、滞在した。今季も、後しばらく滞在してくれるだろうか。

2015/3/6 ジョウビタキ Daurian Redstart

ジョウビタキの画像

お散歩コースの梅林。例年、梅の花がほころび始めるとメジロがたくさん集まって賑やかな宴が始まる。今季も気になり、遠目にちらちら見ていたのだが、やっと足を運んでみた。柔らかな日差しの中、かすかに吹く風に乗って梅の甘い香りが漂って来る。ところが肝心のメジロは、全く姿がない。

梅の花は、他の梅林に比べ、少し遅れているようで八分咲きと言ったところ。真っ白な梅の花を愛でていると突然ジョウビタキが姿を現した。ほんの一瞬、あっという間の出来事だったが、メジロの代わりに姿を見せてくれたのかもしれない。

2015/3/5 アカウソ Eurasian Bullfinch

アカウソの画像

本格的な春の到来を待ちわびる公園では、日毎に桜のつぼみが膨らんでいる。その桜のつぼみを目指して飛んでくるのは、アカウソだ。食欲旺盛なアカウソは、ムシャムシャと美味しそうに桜の蕾を啄む。彼らにとっては、何より贅沢な食事のようで、その姿は、満足そのもの。しかし、この春、公園のソメイヨシノは、優しい花を咲かせてくれるだろうか。

2015/3/4 アオゲラ Japanese Green Woodpecker

アオゲラの画像

♪キョッキョッキョッ♪木々の芽吹きには、まだ少し早い木立の奥の方から聞こえてくる声は、何だろう?耳を澄ましてもう一度じっくり聞いてみる。アカゲラかな?う~ん。少し違うみたい。声がだんだん近づいて来る。

高い高い木の上に姿を見せたのは、アオゲラ。やっと姿を見つけたと思ったら、クルクル回って木の後ろ。ほんの少し羽が見えるだけだ。しばらく待ってようやく全身姿を見せてくれた。久しぶりの出会いに心が弾む。

2015/3/3 カワラヒワ Oriental Greenfinch

カワラヒワの画像

ロウバイの花に集う小鳥たち。春を待ちわびる公園の片隅で、ひととしきり賑わっていたが、今は、もう静かになってしまった。

あの頃出会った小鳥のひとつが、カワラヒワ。田んぼでは、群れで飛ぶ姿をしばしば見掛けるが、公園で出会う機会は、案外少ない。元気の良いシジュウカラに押され気味だったカワラヒワ。今度は、お散歩コースの梅林で会えるだろうか。

2015/3/2 アオバト White-bellied Green-Pigeon

アオバトの画像

数年前、大磯の海岸で出会ったアオバト。ドボンと打ち寄せる波に飲まれそうになりながら命がけで海水を飲みに来る。そのアオバトに思いがけず出会う機会があった。大きな公園の片隅で、ドングリを一心に啄むアオバト。その姿は、海水を飲みに来るアオバトとは、全く違う鳥のようで、実に新鮮であった。

暑い季節になれば、湘南の海辺で、海水を飲みに来るアオバトに出会う機会が巡ってくることであろう。

2015/3/1 ウミスズメ Ancient Murrelet

ウミスズメの画像

早いもので今日は、もう弥生。♪春は名のみの風の寒さや♪と口ずさみたくなる日もあるが、一日一日ほんのりとした暖かさに近づいて行く。

ウミスズメに初めて出会ったのは、6年前の3月。海の中を泳いでいる姿を見て、新鮮な驚きを覚えたものであった。今年になって、何度となくウミスズメの情報を頂いているが、なかなか出会いの機会は、巡って来ない。その出会いは、唐突であった。ぷっかりと目の前に浮かび上がったのが何とウミスズメ。その瞬間の嬉しさは、格別であった。