初めてイスカに出会ったのは、2006年5月の裏磐梯です。嘴が交叉する珍しい鳥という印象でした。その後、北海道では、求愛給餌のシーンを見る機会にも恵まれました。そのイスカに雪降る日に出会ったのです。赤松に雪が静かに積もっていく日、赤い鳥イスカが、あの独特の嘴で、松ぼっくりを啄みます。 雪景色の中の赤い鳥。心に残るひとこまです。
12月20日から12月31日までの「2014年の出会い」を「鳥たちの広場」の「2014年の出会い」に掲載しました。
雨の後、時々薄日が差す霜月の朝。近隣の公園で出会ったのは、マヒワ。公園の赤や黄に色づいた木々が、雨で葉を落としてしまったかもしれない。気になって出掛けてみました。モミジバフウは、すいぶん葉を落とし、濡れた道路を鮮やかに彩っています。アキニレの木に集まって来たのは、カワラヒワ。元気いっぱい実を啄み、また、飛び去って行きます。続いて現れたのが、マヒワ。アキニレの実が、お気に入りのようです。嬉しい朝のひとこまです。
秋の渡りが始まるのは、まだ夏の暑さが残る頃です。田んぼや干潟のシギ・チが一段落する頃、東京近郊の公園や桜並木などでは、渡り途中の鳥たちが、ひととき羽を休めていきます。その渡りの鳥の中で、いつも楽しみにしているのが、杜鵑類・カッコウ、ツツドリ、ホトトギス、ジュウイチです。ジュウイチは、なかなか会えませんが、ツツドリには、良く出会います。春の渡りのときは、♪ポポッ♪ポポッと鼓をたたくような声で鳴くのですが、秋の渡りの時には、無言です。ですから、カッコウなのかツツドリなのか悩むこと、しばしばです。また、来年も会えることを願っています。
暑い夏が過ぎ、秋の気配が漂い始める頃、近隣の公園に渡り途中の小鳥たちが、姿を見せるようになります。一番多いのがヒタキ類でしょうか。キビタキ、コサメビタキ、エゾビタキ、サメビタキなどです。ヒタキ三兄弟と言われるエゾビタキ、コサメビタキ、サメビタキの中で、サメビタキは、一番出会いの機会が少ないのですが、今年は、何回か出会いの機会に恵まれました。いたずらっこのような、何とも可愛い表情のサメビタキが、私は大好きです。
公園や土手沿いの道、街路樹、学校の校庭などで見掛けることの多い桜。一番多いのが、ソメイヨシノでしょうか。そのソメイヨシノの木肌が、うっすらとピンク色に染まり、蕾も膨らみ始める頃、辺りの静寂を破るように聞こえてくるのが、ツミの声です。♪キーキッキッキッー♪元気いっぱいのその声は、「今年も来たよ!」と宣言しているようにも聞こえます。ツミの子育てが、順調に進むよう、そっとそっと見守りたいと思います。
青葉若葉の頃に暖かい南の国から渡ってくるミミズク、それがアオバズクです。漢字では、「青葉木兎」と書きます。その名の通り、青葉が良く似合う鳥だと、いつも思います。樹洞にいる雛を近くの大木にとまって、じっと見守る親鳥の姿には、心打たれるものがあります。夏の暑さが始まる頃、樹洞から巣立った雛は、金色の目を見開いて、初めて見る世界をしっかり見つめます。南の国に渡る日まで、そっとそっと見守ってあげたいと思います。
田んぼで、春の渡りのシギ・チが一段落した頃、葦原の小鳥たちが気になり始めます。葦原では、セッカが鳴きながら飛び回り、コヨシキリの囀りも聞こえて来ます。♪チョッピ チュリリリ ピッ♪今度は、コジュリンの声です。コジュリンの声は、良く通る声ですから、かなり離れた位置にいても、その存在を知ることができます。♪チョッピ チュリリリ ピッ♪コジュリンは、元気いっぱい囀ります。
多くの人の心を魅了する鳥、フクロウ。神社仏閣の大木の洞で見掛けることがあります。知恵の神様とか学問の神様などとも呼ばれ古くからたくさんの人々に愛されて来ました。名前の由来は、鳴き声から来ていると言われています。「ゴロスケ、ホッホ」文字で表してしまうと何とも味気ないのですが、深い森の中で聞くフクロウの声は、神秘的で、身を正して、その声に聞き入ることがあります。緑滴る季節に出会ったフクロウ。我が子を見守る眼差しは、愛情にあふれています。
沼のほとりをゆっくりゆっくり歩きます。遊歩道に沿って植えられた桜の木々に新しい芽が、ほんの少し顔を見せ始める頃、コイカルは、姿を見せてくれます。時には、コイカルが桜の花見をすることもあるのです。♪キーキョ キーコ♪沼のほとりにコイカルの囀りが響き渡ります。哀愁を帯びたその声は、恋の歌なのでしょう。しかし、恋の相手は、姿を見せず、一層、その声が寂しげに聞こえます。♪キーキョ キーコ♪
♪チリチリ♪チリチリ♪か細い声が聞こえて来ます。それは、ちょうど小さな鈴を振っているような音に聞こえます。ヤドリギの実が熟れる頃、渡りの途中、立ち寄ってくれるヒレンジャク。それは、ほんのわずかな時間なのですが、タイミング良く出会えた時は、嬉しさで胸がいっぱいになります。この日も、数羽のヒレンジャクがヤドリギに立ち寄ってくれました。か細い声を頼りに、ヒレンジャクの存在を知り、その出会いを楽しみます。
通い慣れた公園の片隅にある葦原。♪チャッチャッ♪チャッチャッ♪時折、ウグイスの地鳴きが聞こえて来ます。♪チッ♪今度は、アオジの地鳴きです。アオジは、時々姿を見せてくれますが、ウグイスは、一瞬だけで、恥ずかしそうに葦原の中に隠れてしまいます。少し大きめな鳥が飛んで来ました。尾を振っています。この葦原を縄張りにしているモズの登場です。冬の日差しが、枯れた穂先とモズを照らしだし、スポットライトを浴びたようです。暖かい冬の昼下がりのことでした。
思いがけず雪が降り出し、乾いていた土の上に真っ白な雪が積もって行きます。散歩の人もいない静かな水辺。湖面には、数羽のキンクロハジロが泳いでいます。雪の降り方が、だんだん強くなってきました。すっかり葉を落とした木の枝に、雪が降り積もっていきます。辺りの景色は、まるで水墨画を見ているようです。静かな静かな高原の水辺で出会ったキンクロハジロ。雪降る日の思い出のひとこまです。
久しぶりに訪れた馴染みの公園。モミジバフウは、すっかり葉を落とし、クリスマスのリースにも使われる実が、寒風に揺れている。メタセコイアも葉を落とし寒々とした光景である。数本のカエデだけが、赤や黄色の葉を、しっかりつけて、紅葉の名残を見せてくれている。
公園の中を一巡し、さて、引き上げようとした時、植え込みの影に何やら動く気配。今季、初めての出会いのアカハラである。こちらの気配には、気がついていないようで、一心に枯れ葉を突いている。これから寒さに向かって出会いの機会が多くなってくることだろう。
アカハシハジロ♂に出会った湖畔には、クビワキンクロ♀もいるという。昨年も同じところにクビワキンクロ♀が飛来しているので、同じ個体なのかもしれない。数多いカモの中からクビワキンクロ♀を探し出すのは、至難の業である。何しろ葦の穂先が、視界を遮り、その先の奥のほうで泳いでいる多数のカモの中から見つけ出すのである。
クビワキンクロ♀がいる位置を目標物を教えて頂き、何とかそれらしい個体に辿り着いた。もし、機会があったら、もっと近くでゆっくり観察したいものである。
4年前の冬、ある湖畔で出会ったのが、アカハシハジロの♀。とても可愛らしい顔立ちのカモである。アカハシハジロの♂は、琵琶湖などで見られることが多いのだが、♂との出会いは、なかなか巡って来なかった。珍しいと言われる♀には、すんなり出会えて、何とも不思議であったが、やっと♂との出会いの機会が巡って来た。
湖面が半分ほど凍っていて、コガモやオナガガモなどは、氷上のダンスを楽しんでいるのだが、お目当てのアカハシハジロは、葦の穂先が視界を遮る、その奥の遥か彼方で、ゆったりと眠っている。そのアカハシハジロが、水温が上がる頃、首を上げて泳ぎだし、近くに姿を見せてくれた。ひととき寒さを忘れる嬉しい出会いであった。
久しぶりに訪れた都心の公園では、銀杏の黄色が鮮やかで思わず、その大木を見上げてしまった。カエデも、まだしっかり葉をつけて、ちょっとくすんだ紅葉を見せてくれている。
近隣の公園では、すっかり葉を落とした木々ばかり。モミジバフウも葉を落とし、実だけが、寂しげに揺れている。馴染みの公園で出会ったのは、コゲラ。♪ギィーと声がして、すぐ近くに飛んで来た。冬が、いよいよ深まっていく。
朝のひととき、のんびりゆっくり沼のほとりを歩いてみる。散歩の人の姿がちらほら見える静かな朝。たくさんのユリカモメに混じって一羽のコサギが、姿を見せた。褐色に色づいたメタセコイアが深みのある色合いを湖面に映し出している。黄色いソックスが、良く似合うコサギ。静かな湖畔にも良く似合う。
民家の庭先に皇帝ダリアを見掛けるようになったのは、ひと月ほど前だったと思う。優しい色合いの大輪で、背も高く良く目につく花である。流石に、この頃の寒さで元気がない。どうやら寒さに弱いようである。
寒さの中で出会った鳥は、ヤマガラ。こちらは、すこぶる元気が良い。わずかに残った柿の実に時折、メジロがやって来て、一心に啄んで行く。そのメジロを蹴散らしてヤマガラは、柿の実を啄んでいく。寒さなんて何のその。元気そのものである。
師走も半ばを迎え、何かと気ぜわしい。その忙しさの中で、時折、出掛ける散歩道。アオジやメジロの声に耳を傾け、その声のする方向に目を向ける。そんなささやかな出会いが、心なごませ、活力を与えてくれるように思う。
今季は、ミヤマホオジロが、あちこちで観察されているようである。私も何度か出会いがあったのだが、いつも♂ばかり。この日、珍しくミヤマホオジロの♀と出会った。♂に比べて、目立たず、人気は、今ひとつだが、優しい表情が、私は好きである。
日毎に寒さを増してくる今日この頃であるが、小鳥たちとの出会いを求めて散歩道をゆっくりゆっくり歩いてみる。♪チーチーチー♪静かな散歩道が、にわかに活気づく。♪チーチーチー♪メジロが数羽、わずかに葉を残した木々の間に姿を見せた。
柿の実が、いくつか残ったところで、また、メジロの声が聞こえ始めた。高くて見上げるようなところの柿が、調度良い熟れ具合なのだろう。その柿を熱心に啄み始めた。ほのぼのと心和むひとこまである。
高原にある静かな池。紅葉の頃には、観光客で賑わうという場所だが、今の時期は、至って閑散としている。数日前の雪が、わずかに残り、一層寒々として見える。キンクロハジロが何度も何度も潜水を繰り返し、ホシハジロは、ゆったり泳いでいる。
♪チュイチュイチュイ♪懐かしい声が聞こえて来た。木肌に沿って動いているのは、ゴジュウカラ。♪ジュリジュリジュリ♪今度は、エナガの登場だ。キョロキョロと辺りを見渡している。元気よくシジュウカラも飛んで来た。辺りは、一面の銀世界。
更に、もう1箇所、高原を回ってみた。込み入った木立の中で、カクレンボのように身を隠していたのは、♂のキジ。こちらの気配に気がついて、足早に姿を消した。遠くの木立の天辺にとまっていたのは、ノスリ。ヒラリと舞い降りたのは、好物が目に入ったからだろうか。雪を抱いた富士山が、優しく微笑んでいるように見えた。
師走に入り、日一日と寒さを感じるようになって来た。冬鳥の飛来を心待ちにしているが、なかなか出会いの機会が巡って来ない。それならば、こちらから出向いて行けば、冬鳥との出会いが叶うだろうか。
そんな思いで出掛けた初冬の高原。日陰にいると、深々と体の芯まで冷えて来る。♪ニーニーニー♪最初に姿を見せたのは、ヤマガラ。愛嬌者のヤマガラは、何度も何度も姿を見せる。しかし、他の鳥がなかなか姿を見せない。しばらく待って、ヒガラとシジュウカラが現れた。続いてカワラヒワ。カシラダカは、落ち葉の上に降りたり、枝止まりしたり何度か姿を見せてくれた。更に待ってアトリ、ミヤマホオジロは、ほんの一瞬だけ。
時折、風花が舞う寒さの中で、小鳥たちは、元気に飛び回っているようで一安心。これから高原は、ますます寒さが厳しくなっていくことだろう。
少々早起きして散歩道を歩くと、田んぼにうっすらと霜がおりている。手袋をしていても、指先がじんじんしてくる。冬の寒さが、そのまま体に染みこんでいくような初冬の朝。
♪チッチッ♪チッチッ♪枯れ草の中から聞こえてくるのは、アオジの声。静かな朝、その声だけが、辺りに響き渡る。これから寒さに向かって、アオジは、個体数を増してくるだろうか。鳥影の少ない散歩道で、アオジとの出会いにほっと一安心。
夏の暑さの頃から秋の渡りのシギ・チに会いたくて何度となく通った田んぼや蓮田。冬枯れの田んぼや、収穫の終わった蓮田は、何とも殺風景で侘しい感じもするが、淡いベージュの色調が広がる様は、心落ち着くものである。
ひと頃賑わった蓮田も、越冬準備のシギたちの姿を見掛けるのみとなって来た。例年、今の時期に見られるオオハシシギだが、今季は、数が多いような気がする。暖かくなる日まで、ゆっくりこの地で過ごして欲しいものである。
湖畔を吹き渡る風は、冷たいけれど、初冬の日差しが降り注ぐ湖面は、コバルトブルーに輝き心あらわれる思いがする。
久しぶりに訪れた沼のほとり。ぷっかりと姿を見せたのは、2羽のハジロカイツブリ。真っ赤な目が印象的だ。寒い冬の間、この地でゆっくり過ごすことだろう。湖面のブルーが、やさしく美しく見えた。
朝のひととき、のんびりゆっくり沼のほとりを歩いてみる。散歩の人の姿がちらほら見える静かな朝。湖畔に姿を見せたのは、ユリカモメ。冬の寒さを待っていたかのように、たくさんのユリカモメが飛来している。
褐色に色づいたメタセコイアが湖面に写り、ビロードのような深みのある色合いに見える。手前の小さな石のところで休んでいるのは、ユリカモメ。静かな朝のひとこまである。
風は、冷たいけれど、降り注ぐ日差しは、優しく柔らかい。その日差しに誘われて沼のほとりをゆっくり歩いてみる。目の前に姿を見せたのは、オオバン。白い額板が、初冬の日差しを浴びて一層その白さを際立たせている。
すぐ近くに突然姿を現したのは、カンムリカイツブリ。あまりに近くに姿を見せたことにビックリ!何回も潜水を繰り返し、また、近くに浮き上がって来る。沼のほとりは、実にのどかである。
今朝の寒さは、格別だった。まさに冬将軍がやって来た!という感じである。冬将軍とは、モスクワに遠征したナポレオンが、冬の寒さと雪が原因で敗れたところから冬の厳しい寒さを現す言葉となったという。
その寒さの中で訪れた沼のほとり。緑の光沢の美しいナポレオンハットの持ち主・ヨシガモがディスプレイする姿を見ることが出来た。葦の陰に隠れてしまい、写真は、難しかったが、鳴き声と共に、ヨシガモ10数羽の姿を見て心がほのぼのと温かくなって来た。
カサコソと落ち葉を踏みながら静かな公園を歩く。まだ所々に木々の紅葉や黄葉が見られ、秋の名残を感じる。目の前をさっと横切ったのは、アオジ。♪ニーニーニー♪とヤマガラの声も聞こえて来る。
しばらく歩くと落ち葉がたくさん集まっているところに小さな鳥影。今季、出会いの機会が案外少なかったカシラダカ。何とか写真が撮れそうな位置に現れたくれたカシラダカに感謝である。
散歩道で出会ったのは、2羽のクロハラアジサシ。3羽いるとのことであったが、私が見たのは、2羽である。たくさんのユリカモメが飛び交う中で、動きの違う2羽の小さめな鳥。それがクロハラアジサシであった。
今まで、クロハラアジサシには、何度か出会っているが、いつもかなり距離がある。しかし、今回は、比較的近くで見ることが出来た。小さな体にもかかわらず、果敢にユリカモメに立ち向かっていく姿は、何とも頼もしい。
晩秋から初冬へ馴染みの田んぼの光景は、わずかずつながら、日々変わっていく。暑い日差しの頃から秋の渡りのシギ・チを求めて何度となく足を運んだ田んぼや蓮田。10月から賑わいを見せていた蓮田だったが、流石に近頃は、落ち着きを見せ、その種数は、少なくなっている。
その中で、相変わらず姿を見せているのが、アカアシシギ。この日は、3羽のアカアシシギが、同じ田んぼで、熱心に食事中であった。自慢の赤い脚も初冬の日差しの中で、一際輝き、美しく見えた。