2015/4/30 チュウシャクシギ Whimbrel
寒かった春から急に夏のような暑さになり、戸惑っている。その暑さの中で懲りずに田んぼ回りを続けている。田んぼで出会ったのは、チュウシャクシギ。例年より遅い到着で数も少ない。それでも何とか出会えたことに感謝である。
今季、淡水系のシギ・チの飛来数は、極端に少なく、早苗の揺れる田んぼの何と寂しい光景だろう。渡りの中継地として大切な田んぼ。シギ・チがゆっくり休める場であって欲しいものである。
2015/4/29 アマサギ Cattle Egret
野の道をゆっくり歩く。ハルジオン、カラスノエンドウ、タンポポ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ。あちらにもこちらにも野の花がいっぱい。水の入った田んぼからは、カエルの声も聞こえてくる。
鳥影薄かった田んぼにサギの姿を大分見掛けるようになって来た。ダイサギの目元は、婚姻色。羽もレースのようにふわっと美しい。白いサギの中に、1羽だけアマサギの姿を発見。数年前までは、今の時期、たくさんのアマサギを見掛けたのだが、ずいぶん少なくなってしまった。畦道をゆっくり歩くアマサギ。春の田園風景に彩りを添えている。
2015/4/28 タシギ Common Snipe
寒い冬の間、田んぼや蓮田を回っていると、出会いの機会が多かったのがタシギである。車からの観察ということもあるが、冬に出会うタシギは、比較的警戒心が薄いように感じるのは私だけだろうか。
春になり、日に日に暖かさを増して来ると、同じ田んぼや蓮田で出会っても、こちらの気配を察して、すぐに飛び立ってしまう。この日は、比較的、心を開いてくれて、かなり近くで見ることが出来た。
2015/4/27 モズ Bull-headed Shrike
木々の柔らかな緑が美しい季節。昨年の今頃は、コイカルのラブソングに耳を傾けていたが、今季は、姿を見掛けることもない。あんなに精一杯囀っていたのは、ただの囀りではなく、何か伝えたかったメッセージがあったのだろうか。
懐かしい思い出に浸っていると♪ギチギチギチ♪とモズの声がする。我が子に巣立ちを促す親鳥の声である。幼い顔立ちの1羽が、何とか見える位置に姿を見せ、しばらく辺りの様子を見ていたが、静かに飛び立って行った。
2015/4/26 コチドリ Little Ringed Plover
♪ピュィピュィピピピー♪春の田んぼに響き渡るのは、コチドリの声。春の渡りの時期になると、まず田んぼに姿を見せるのがコチドリである。例年、たくさんのコチドリの姿を見掛けるのだが、今季は、数が少ない。ちょこちょこと可愛い足取りで動きまわるコチドリ。この姿を見ていると心やすらぐ思いがする。
♪ピュィピュィピピピー♪よく通る声が、田んぼに響き渡る。
2015/4/25 ヤマガラ Varied Tit
寒い間、桜の開花を心待ちにしていたが、寒い春にもかかわらず、呆気無く桜の花は、散っていった。今は、新緑が美しい。木々の間から聞こえてくる声に耳を傾ける。エナガの♪ジュリジュリ♪の声がする方角に目をやると視界にヤマガラの姿が目に入った。「まだ居たのね。」そう心の中でつぶやく。巣材探しなのだろうか、それとも食材探し。ヤマガラは、柔らかな葉の間を、くりくりと忙しく動き回る。
2015/4/24 ホオジロ Meadow Bunting
遊歩道沿いの桜は、すでにその時期を過ぎ、わずかに花の名残を残すのみである。しかし、関山、松月、一葉、江戸、普賢象など八重咲きの桜は、今、その美しさを惜しみなく披露し、湖畔に彩りを添えている。
八重咲きの桜を楽しみながら、久しぶりに遊歩道をゆっくり歩いてみる。コブハクチョウが2羽、仲良く巣作りの真っ最中。さらにしばらく歩くと、オオバン、カイツブリがゆったり泳いでいる。近くの桜の木に飛んで来たのは、ホオジロ。手賀沼の春を楽しんでいる雰囲気だ。ゆったりのどかな昼下がり。
2015/4/23 キジ Common Pheasant
春の野で♪ケーンケーン♪と響き渡る声は、キジ。田んぼを一周りすると、何個体かのキジに会うことがある。「ああ、春が来たなあ。」としみじみ実感するのは、キジの声であり、羽の光沢が一段と増し、美しくなったキジ♂との出会いである。
畦道には、カラスノエンドウ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、タネツケバナなどが春の野の風にゆったり揺れている。♪ケーンケーン♪キジの声が春の野に響き渡る。
2015/4/22 オオハシシギ Long-billed Dowitcher
田んぼや蓮田を回っても、なかなかシギとの出会いが難しい。そのような中で楽しませてくれたのが、オオハシシギである。寒い冬の間、蓮田を回ってみると、何度かオオハシシギに出会ってはいたのだが、冬羽は、地味で目立たない。それに比べ夏羽に換羽中の今は、赤味を帯びていて、なかなか美しい。個体によってその換羽状態は、様々で、じっくり観察するのも楽しみである。
2015/4/21 タカブシギ Wood Sandpiper
蓮田や田んぼを回っても、シギたちに出会う機会が少ない。例年、田んぼの春の渡りは、干潟の渡りの時期より、やや遅れて始まる。今か今かと首を長くして待っているのだが、田んぼに鳥影の何と少ないことだろう。
この日も、あちこちの田んぼを回ってみたのだが、タシギを見掛けたのみ。時間を変えて同じところを二度、三度と回ってみる。やっと出会えたのがタカブシギ。どうやら到着したばかりのようだ。田んぼの水が心地良さそうに見えた。
2015/4/20 ツグミ Dusky Thrush
馴染みの公園で出会ったのは、ツグミ。タンポポの咲く草原がお気に入りのようで、しばしば同じ場所でツグミを見掛ける。鳥の少ない昨今、1羽のツグミとの出会いにホッとし、心やすらぐ思いがする。後しばらく、この地で過ごすのだろうか。旅立ちの日まで、ゆっくり過ごして欲しいものである。
2015/4/19 タヒバリ Buff-bellied Pipit
馴染みの田んぼをゆっくり回ってみる。カラスノエンドウ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、菜の花などが、あちこちで春を告げている。ツクシは、その時期を過ぎたが、まだ、いくつか名残の姿を見ることが出来る。
いつの間にかあちこちの田んぼに水が入り、田植えが済んでいるところもある。あまりにも頼りなげに揺れる早苗だが、やがてあっという間に逞しく育っていくことだろう。
鳥の姿をほとんど見掛けないが、畦道からさっと飛び立った鳥がいた。タヒバリである。寒さの中で見たタヒバリとは、印象を異にして、夏の装いである。旅立ちの日も間近なのであろう。
2015/4/18 エナガ Long-tailed Tit
散歩コースにあるカエデの木。桜の季節が一段落する頃、カエデの芽吹きは、輝きを増す。花の美しさ、華やかさに比べて、地味で目立たないが、木々の芽吹きには、命の煌めきを感じる。
そのカエデのところで、忙しく動きまわっていたのは、エナガ。2羽で、せっせと巣材集めだろうか。あっちへ飛んだり、こっちに向かって来たり。春は、小鳥たちが忙しい。
2015/4/17 オオハシシギ Long-billed Dowitcher
寒い冬の間、蓮田で過ごしたシギの中で印象深い鳥のひとつがオオハシシギ。多い時には、30羽ほどの群れが、ひとつの蓮田に集まり、休息したり、あの長い嘴で蓮田を突いていた。
30羽ほどの群れを見た翌々日、蓮田を訪ねてみるともぬけの殻。少し時間をおいて再度、同じ蓮田に回ってみると、1羽のオオハシシギの姿が見える。あの大きな群れの中の1羽だけが残ったものか、それとも、この1羽は、新たに飛来した個体なのか。いずれにしても、ひっそりとした蓮田は、あまりにも寂しかった。
その蓮田へ久しぶりに出掛けてみると、オオハシシギが30羽以上いる。しばらくぶりで見るオオハシシギは、夏羽に換羽中の個体が多く、後2週間もすれば、全員赤い衣装を身にまとっているだろうか。
2015/4/16 ハジロカイツブリ Black-necked Grebe
寒くなり始めた頃、九十九里の海辺で出会ったハジロカイツブリ。あの時、30羽ほどの群れと20羽ほどの群れが一緒になり、潜水を繰り返していた。冬羽ばかりの群れであったが、その後、1ヶ月ほどして訪ねてみると1羽だけ夏羽になり始めていた。
群れ全体が、夏羽になったら見事だろうなと想像をめぐらしていたが、だんだん群れが小さくなって行く。 2週間ほど前、久しぶりに訪ねてみると夏羽と冬羽の名残のある個体の混じった小さな群れを見ることが出来た。
2015/4/15 ウミアイサ Red-breasted Merganser
寒い間、何度か訪ねた九十九里。その折々に色々な出会いがあり、結構、楽しむことが出来た。その中で、一度だけ、それもほんの一瞬、見掛けただけのウミアイサ。今一度会いたいものと願っていたが、先日、思いがけずその機会が巡って来た。
クロガモの声のする方角を見ると、活発に動いている鳥が目に入った。ファインダー越しに見てみると、紛れも無くウミアイサ。それも♂♀入り混じって、10羽弱の群れ。潜水を楽しんでいる雰囲気が伝わって来る。しばし、その様子を観察し、楽しませてもらった。
2015/4/14 カンムリカイツブリ Great Crested Grebe
手賀沼や印旛沼でも、冬の間、良く見掛けるカンムリカイツブリ。今季、数回、足を運んだ九十九里でもカンムリカイツブリには、良く出会った。それも個体数が多い。鳥が少ないと嘆きの声が聞かれる昨今、嬉しいことではあるが、何故、カンムリカイツブリがこれほど多いのだろう。
そのカンムリカイツブリが、夏羽に変身してくると個体数は、減っているようだ。夏羽のカンムリカイツブリは、荒武者のようで、なかなか楽しい。
2015/4/13 エリマキシギ Ruff
越冬していたシギたちが去り、春の渡りのシギ・チが入って来るまでは、蓮田も田んぼも実に寂しい。その寂しさが訪れる前に出会ったエリマキシギ。実に久しぶりの出会いであった。エリマキシギは、数年前まで、田んぼや蓮田で良く出会うシギのひとつであった。ところが、昨秋、遠くに一度見ただけで、なかなか出会いの機会が巡って来なかった。
広い蓮田にポツンと1羽。それがエリマキシギと分かった時の嬉しさは、格別であった。春の渡りで、また、姿を見せてくれるであろうか。
2015/4/12 アカアシシギ Common Redshank
冬の間、時折出会いの機会があったアカアシシギ。お彼岸の頃、まだ滞在中と耳にしていたが、なかなか姿を確認できなかった。3月の末に蓮田や田んぼを回って、シギとの出会いもなく、引き上げようとした時、目の前の蓮田に降り立ったのが、アカアシシギであった。
たった1羽のアカアシシギ。この出会いの何と嬉しいことだろう。田んぼや蓮田をまわり、シギたちとの出会いを楽しむ。後1週間もすれば、春の渡りのシギたちが姿を見せてくれるだろうか。
2015/4/11 アメリカウズラシギ Pectoral Sandpiper
干潟には、そろそろ春の渡りの第一陣が入って来ているようだが、田んぼは、まだまだのようである。2週間ほど前に出会ったアメリカウズラシギ。あの時、せっせと採食中であったが、食事が終わるとしばらく休憩し羽繕いをする。そしてまた、しばらくすると熱心に採食行動。胸のところが大きく膨らんで見えたが、あれは、旅立ち前に十分なエネルギーを蓄えていたのだろうか。
冬の間、蓮田で過ごしたアメリカウズラシギ。今頃、どこを飛んでいるのだろう。
2015/4/10 ヒヨドリ Brown-eared Bulbul
人気のない鳥のひとつがヒヨドリ。良く見れば、結構、可愛い顔をしているのだが、賑やかな声と、メジロやシジュウカラなどを蹴散らす勢いが、不人気の原因となっているのであろう。
ヒヨドリが、被写体として注目を浴びる時期がある。それは、桜の美しい季節。満開の桜に埋もれるように姿を見せたヒヨドリは、ちょっとハニカミポーズ。これで少しは、人気を回復出来るだろうか。
2015/4/9 コゲラ Japanese Pigmy Woodpecker
桜の季節には、桜を楽しみたいと思いながら、時期を逸することが多い。今年は、2日続けて近隣の公園を訪ね、ソメイヨシノ、オオシマザクラ、紅しだれ、カンヒザクラなど楽しむことが出来た。
その桜で、忙しく動きまわっていたのが、2羽のコゲラである。嘴に何かくわえていると思ったが、画像を良く見てみると、どうやら苔のようである。あの2羽のコゲラは、巣材運びをしていたのだと、後になって分かった。桜の蜜を吸いに来るメジロに会いたかったが、メジロには、なかなか出会えない。
2015/4/8 シジュウカラ Japanese Tit
例年、散歩コースで見られる河津桜に集まるメジロ。賑やかなくらいたくさんのメジロを見られるはずなのだが、今季は、とうとう姿を見ることが出来なかった。今度は、ソメイヨシノの時期になり、近隣の公園に足を運んでみた。しかし、なかなか桜に絡んで鳥は、姿をみせてくれない。
紅しだれ桜の近くまで歩いて行くと、かすかに小鳥の声がする。様子を見ていると、シジュウカラが2羽で、熱心に食事中のようであった。「桜に小鳥」ようやく念願がかなった瞬間であった。
2015/4/7 台湾の鳥たち(その6)
いよいよ最終日。この日の探鳥は、台北植物園周辺である。入り口を入って程なく、カメラマンが数人、レンズを向けている。花の蜜を吸いに集るメジロが狙いのようである。この時は、まだ気が付かなったが、カメラマンが数人集まっているのは、ほとんどメジロがお目当てのようであった。南国らしい赤い花とメジロ。黄色い花とメジロ。台湾の方の心優しさが忍ばれた。
台北植物園で、一番驚いたのは、ズグロミゾゴイである。あまりの近さに撮影困難。顔をドアップで撮るしか方法がない。石垣島で、木と木の間から、恐る恐る撮影したのも、ズグロミゾゴイであったはずだ。
嬉しかった出会いは、タイワンオナガを待っている時に現れたクロエリヒタキ。薄暗い中であったが、ブルーがさわやかな印象で、目に心に残るものである。
冒頭に触れたように鳥見は、国内のみと固執していた私だが、1週間、鳥密度の高い台湾で過ごしたことで、その思いは、大きく変わった。機会があれば、台湾だけでなく他の国での探鳥も考えてみたいと、今は思っている。この大きな変化は、終始、懇切丁寧な案内をしてくださったRさんご夫妻のお力によるものが大きい。
時には、日本語のユーモアを交えながら、懇切丁寧な案内をしてくださったRさんご夫妻、台湾探鳥会を取りまとめてくださったリーダーのMさん、通訳と細やかなお世話をしてくださったKさん、同行の皆様、ありがとうございました。Rさんご夫妻に心から感謝し、台湾鳥どりの記を閉じたいと思います。
4月1日~7日までの「台湾の鳥たち」を鳥たちの広場<<海外・他>>に掲載しております。
2015/4/6 台湾の鳥たち(その5)
6日目の3/14の朝、ホテルの前で、思いがけず、たくさんの鳥たちに出会った。距離は、かなりあったが、チャバラオオルリを見ることが出来たのは、何とも嬉しいことである。クロヒヨドリは、何度も姿を見せてくれたし、巣材運びするカヤノボリの姿を見ることも出来た。
この日のメインの探鳥地は、日月潭である。日月潭とは、湖の北側が太陽の形、南側が月の形をしているので、こう呼ばれると言う。潭は、水を深くたたえた所という意味である。ここでは、ゴシキドリを間近に見ることが出来た。色鮮やかな、この鳥は、キツツキの仲間だという。警戒心が薄く、皆で、少しずつ前進し、ゴシキドリとの出会いを楽しんだ。昼食の後、向かった金城湖では、アフリカクロトキ、カタグロトビ、シマキンパラなどを見ることができた。いよいよ帰国が目前に迫って来た。
2015/4/5 台湾の鳥たち(その4)
5日目の3/13も沼平公園付近で探鳥した。晴天のため、花見客が多く、前日、あれほどたくさん姿を見せた鳥たちの姿が、まばらであったのは、残念なことである。この日、軽い高山病にかかったのか、旅の疲れが出たのか、体調が思わしくなく、少々辛い時間を過ごすことになった。それ故、たくさんの方が、熱心にレンズを向けているニイタカキクイタダキを目の前にしても、撮影意欲は湧いてこなかった。
ここで出会った動きの速い鳥、もしかすると何か珍しいムシクイではないかと思ったが、Tさん、Rさんのお手を煩わせ、ミヤマウグイスであることが分かった。沼平公園で探鳥した後は、塔塔加鞍部に向かった。ここでは、アリサンチメドリ、キンバネホイビー、ホシガラスなどを間近に見ることが出来た。
2015/4/4 台湾の鳥たち(その3)
4日目の3/12、この日は、阿里山に向かった。途中、バスの車窓から見た雲海は、誠に美しく、深く心に残るものである。阿里山では、奮起湖、沼平公園付近での探鳥が主であった。
奮起湖と言うのは、決して湖のことではない。奮起湖は、東、西、北の三面に山があり、自然に囲まれた地形は、塵取りのような形であり、雲や霧に囲まれた湖のように見えたため、その名があるという。奮起湖は、森林の湖ということになるだろう。ここでは、地元の方のご好意で、ルリチョウを間近に見たり、カンムリチメドリ、ズアカチメドリ、コシジロムシクイなどが見られるポイントを教えて頂いた。日本に飛来すれば、大騒ぎになるカワビタキが、瓦の上に姿を見せたのも印象深い。
昼食後、沼平駅に向かった。ここでは、沼平公園付近の探鳥が主であり、出会った鳥は、数多い。ちょうど寒緋桜が見頃で、その花にカンムリチメドリとシマドリが集まり、花の宴の最中であった。北海道に何度も訪れた事があると言う台湾の方が、ズアカエナガ、アリサンヒタキ、ニイタカキクイタダキなど親切に教えてくださり、レンズを向けることが出来たのは、心に残る出来事である。
2015/4/3 台湾の鳥たち(その2)
金門島で出会った鳥の中で、一番心に残るのは、アカアシシギ30羽ほどの群れとハマシギ・コチドリをはじめとするシギ・チの大きな群れである。アカアシシギは、渡りの時期に1羽、出会っても胸弾む思いのする鳥なのだが、30羽ほどの群れが、目の前でゆったり休んでいる姿は、鮮烈な思い出となって目に焼き付いている。戦禍を思い起こすような光景が間近に見られる砂浜で見たシギ・チの群れは、ハマシギ・コチドリ・メダイチドリ・シロチドリ・キョウジョシギ・ダイゼンなどで、その群れは、数千羽とも思えるほど大きな大きな群れであった。シギ・チに関心を持ち、四季を通じて田んぼ通いをしている私には、あまりにもスケールの大きいシギ・チの群れを目の前にして言葉がなかった。
翌日(3/11)も、金門島での探鳥であった。ここでは、予期せぬ出会いが待っていた。川沿いを歩いていると、今まで見たこともない美しい鳥が足元近くから飛び立ったのだ。それは、会いたいと願っていたヤマショウビンであった。あまりに近くで出会ったヤマショウビンの美しさに、すっかり心を奪われ、レンズを向ける事が出来なかったのが、今でも悔やまれる。しかし、眼の奥にしっかり刻みつけられたヤマショウビンは、生涯忘れることがないであろう。
朝、美しい歌声を聞かせてくれたクロウタドリを雨の中で間近に見られたことも忘れがたい。
2015/4/2 台湾の鳥たち(その1)
3/10、この日は、フェリーで小金門に渡り、2万歩弱歩いて、鳥たちとの出会いを楽しんだ。小金門で、まず出迎えてくれたのが、ヤツガシラとハッカチョウである。少し崩れかけた屋根の上にヤツガシラの姿を見つけた時は、体に熱いものが流れた。国内でも数回出会ったことのあるヤツガシラだが、自分の目で見つけた時の喜びは、大きい。
小金門で出会った鳥たちは、数多い。ヤツガシラに続いて印象深いのが、アオショウビンである。かなり距離のある木にとまっていると教えて頂いたのだが、その位置が、私には分からない。何としても、アオショウビンをひと目見たい。その思いが通じたのだろうか、右手の方から飛んで来た鳥に何気なくレンズを向け、シャッターを押したのだが、それが念願のアオショウビンであった。
そのアオショウビンを見た近くで、タカサゴモズ(黒色型)にも出会った。何度も何度も飛び立って、近くの木にとまり、また飛び立つ。ずいぶん楽しませてくれた鳥である。畑の中を歩いているオオバンケンの姿も目に焼き付いている。佐賀県の鳥として知られているカササギだが、私は、北海道で一度、バスの車窓から見たことがあるだけであった。そのカササギにも今回の探鳥会で、何度も何度も出会う機会に恵まれた。
小金門での探鳥を終え、昼食後、再びフェリーに乗り、金門島に戻った。
2015/4/1 台湾の鳥たち
3/9~3/15まで、台湾探鳥会に参加させていただいた。今まで、「鳥見は、国内に限って」と妙に固執していた私だが、今回、初めて日本を離れ、鳥密度の高い台湾で探鳥したことで、考えが大きく変わって来た。
まず、朝は、小鳥の声で目が覚めた。最初に泊まった金門島のホテルで聞いた美声は、後にクロウタドリと分かり、大いに感激したものである。クロウタドリは、以前、与那国島で数時間待って証拠写真を撮った記憶がある鳥である。
日本に飛来すれば、大変な騒ぎになる鳥を間近に見たり、1週間の滞在中に、実に数多くの鳥たちに出会えたことは、大いなる活力となり、心に深く残るものである。
初日の3/9、台湾桃園国際空港に着いた後、まず向かったのが、大安森林公園であった。繁殖のシーズンで、ゴイサギが実にたくさんいる。それも握手が出来るくらいの近距離で、逃げることもない。日本では、考えられない鳥と人との距離である。ここでは、初見のシキチョウ、カノコバトに出会った。探鳥の後、台北松山空港から初日の宿のある金門島に向かった。