タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2016/1/31 イソヒヨドリ Blue Rock Thrush

イソヒヨドリの画像 イソヒヨドリの画像

時折、小雨がぱらつき寒い日であった。久しぶりに訪れた海辺で出会ったのは、イソヒヨドリの♂と♀。海辺でイソヒヨドリに出会うことは多いのだが、近頃は、♂との出会いが少ない。鳥に関心を持ち始めて、まだ日が浅い頃、湘南の海岸を訪れ♂には、何度か出会っている。あの頃は、地味な♀の存在を知らなかった。

珍しくイソヒヨドリ♂に出会い、喜んでいると、今度は、♀が、すぐ目の前に姿を見せた。全く警戒心がなく、近すぎるので、少し遠のくのを待って、何とかカメラに収めた。ひととき寒さを忘れる出会いであった。

2016/1/30 キセキレイ Grey Wagtail

キセキレイの画像

小さなせせらぎに冬の柔らかい陽の光が差し、キラキラと輝いている。寒い日であったが、そのせせらぎには、春の訪れを待つ優しさがあった。岸辺には、わずかに草の芽が見えている。近くの木立に飛んで来たのは、エナガ。木々の間を忙しく動き回っている姿は、何とも楽しげだ。

木陰にあるせせらぎに、何やら動く気配。久しぶりに見るキセキレイだ。尾を振り振り、せせらぎを動きまわっている。そこだけが、明るく温かみがあるように見えて来る。冬の日の小さな出会いのひとこまである。

2016/1/29 ジョウビタキ Daurian Redstart

ジョウビタキの画像

まわりを木立で囲まれたその公園は、かなり風が吹いている日でも、ほんのりと暖かい。流石に日陰に入ると冬の寒さを感じるが、冬晴れの日には、絶好の散歩コースになっている。

前回、訪れた時は、わずか2~3羽のアオジを草薮の中に見掛けただけであったが、久しぶりに訪れてみると、アオジがあちこちから飛び立つ。枯れ草の中からウグイスの地鳴きも聞こえて来る。シジュウカラは、♪ジュクジュクジュク♪と鳴きながら枯れた葦につかまっている。

前方をさっと横切ったのは、ジョウビタキ。ほとんど実のなくなったノイバラの繁みに入り込んだが、あっという間に残り少ないノイバラの実を見事に咥え、姿を見せてくれた。400mmでは、少々近すぎ。枝の陰も気になるが、贅沢は言えない。口元の赤い実が印象的であった。

2016/1/28 カワセミ Common Kingfisher

カワセミの画像

近隣の公園の池や、しばしば出掛ける蓮田や田圃あるいは、川沿いの道で、カワセミには、良く出会う。カワセミのあの翡翠色は、神秘的で美しいが、写真に撮ってみると、なかなか記憶にあるような色が出ていないことが多い。

この日、鳴きながら飛んで来たカワセミは、池の淵にあるフェンスにとまり、しばらくじっとしていた。池は、日陰になっていて、枯れ葉が浮いているのが見えるだけだったが、カワセミには、小さな魚の動きが見えているらしい。冬の日を浴びて、じっと水面を見つめている姿が、何とも微笑ましく思われた。

2016/1/27 オジロビタキ Taiga Flycatcher

オジロビタキの画像

寒い朝だったが、早めにポイントに向かった。なかなかオジロビタキは、姿を見せてくれず、シロハラが、何度も姿を見せた。しばらく待つとメジロが2羽飛んで来て、それにつられるようにオジロビタキが姿を見せた。一度、姿を見せると、カメラマンに臆することもなく、辺りを飛び回り始めた。梅の木、松の木、ハゼノキなど、動き回る。それは、実に軽やかな動きで、カメラで追い切れないこともある。

カエデの紅葉が、楽しめる頃、飛来したオジロビタキ。桜の花の咲く頃まで、滞在して欲しいものである。

2016/1/26 ヤマガラ Varied Tit

ヤマガラの画像

ヤマガラには、今季、何回か出会っているが、案外、撮影の機会が少ない。もっとも、あの♪ニーニーニー♪という甘えた声を聞き、愛嬌のある顔に見とれている間に、飛ばれてしまうことが多いのだが。都内の庭園で出会った時は、目の前、30cmも離れていないような竹垣にとまり、見つめられてしまったので、大いに戸惑ってしまった。小鳥をあれほど間近に見た経験は、今まで一度もない。ドキドキしながら羽の微細までも観察することが出来た。

間近と言えば、ベランダのアロエの花とわずかに残ったコムラサキの実に、ここ数日メジロが飛んで来るようになった。リビングのガラス越しにメジロの動きを観察する幸せを味わっている。

2016/1/25 コゲラ Japanese Pigmy Woodpecker

コゲラの画像

風のない暖かい日を選んで、近隣の公園をいくつか回ってみる。聞こえてくるのは、メジロ、シジュウカラの声。元気が良いのは、ヒヨドリだ。植え込みの暗いところから聞こえてくるのは、アオジの地鳴き。シロハラの声も時折、聞こえて来る。

♪ギィー♪と声がして、コゲラが、目の前に飛んで来た。あまりにも近い。撮って!と言わんばかりである。少々近すぎるのが難点。と贅沢なセリフが出るくらいだ。こんな出会いも嬉しいものである。

2016/1/24 アオジ Black-faced Bunting

アオジの画像

昨年の秋、珍鳥で賑わった蓮田を訪ねてみた。レンコンの収穫は、すっかり済み、冬の日差しを浴びてのどかな田園風景が広がっている。農作業の方の姿も見えず、実に静かである。すっかり水の引いた蓮田で鳥の動く気配。それは、オジロトウネンであった。

車に戻る途中、チッチッと地鳴きが聞こえ、2羽の小鳥が飛び立った。枯れ草の繁みに入り込んでしまったが、すぐに1羽が姿を見せた。アオジである。すっきりと程良い位置に姿を見せてくれたアオジ。冬鳥との出会いの少ない今季、これもまた嬉しい出会いである。

2016/1/23 ホオジロ Meadow Bunting

ホオジロの画像

風の強い日であった。川沿いの道を歩くと、体を支えきれなくなりそうで、寒さが体の芯まで染み渡った。枯れ草が風を遮り、冬の日差しが、ほんのり辺りを包んで、ホッと出来るところまで来ると、かすかな声がして小鳥が飛び立った。小鳥の飛んだ方角を見ると2羽のホオジロの姿が見える。あれは、ホオジロだったのだ。今季、何度か出会いながら、撮影の機会に恵まれなかったホオジロ。2羽のホオジロが愛おしく思われた。

2016/1/22 イカルチドリ Long-billed Plover

イカルチドリの画像

春の渡りにしても秋の渡りにしても、その時期が訪れたと感じさせてくれるのは、コチドリである。まず、田圃にコチドリが姿を見せ、シーズン到来を告げてくれるような気がする。

コチドリより一回り大きいイカルチドリなのだが、今まで、その出会いは、数えるほどしかない。昨シーズン、オオハシシギを見掛けた川岸に行ってみると、対岸に数羽の鳥の姿が見える。コチドリのようにも思えたが、良く良く見ると、イカルチドリである。こんなささやかな出会いが、心を和ませてくれる。

2016/1/21 カシラダカ Rustic Bunting

カシラダカの画像

いつも良く出掛ける蓮田で、カシラダカには、良く出会う。シギ・チに出会えれば、嬉しさは、一層増すのだが、この蓮田で、シギ・チの姿を見掛けることはない。

地味な鳥だが、カシラダカは、綺麗な鳥だと思う。まだ収穫の済んでいない蓮田に、ちょこんと止まり、辺りを見渡す仕草をすると、カシラダカが、とても可愛く思えてくる。冬鳥との出会いが少ない今季、カシラダカとの出会いは、嬉しいものである。

2016/1/20 ツグミ Dusky Thrush

ツグミの画像

シギ・チとの出会いの少なかった日。蓮田で出会ったのは、ツグミ。今季、冬鳥との出会いが少ないが、ツグミには、良く出会う。カラカラに乾き切った田圃で、収穫の済んだ蓮田で、野の草の生える畦道で、ツグミは、元気な姿をしばしば見せてくれる。

この日の蓮田は、ちょっと違った雰囲気で、ツグミもまた、違った表情を見せてくれた。暖かい春の日差しが、降り注ぐ頃まで、田圃や蓮田で、しばしば出会うことだろう。

2016/1/19 オオジュリン Common Reed Bunting

オオジュリンの画像

久しぶりに沼のほとりをゆっくり歩いてみる。釣り人が、ゆったり糸をたれ、ユリカモメがのどかに飛び交う。湖面には、数羽のオオバンとカンムリカイツブリ。漁網には、ダイサギがとまっている。

沼のほとりの葦原が、かすかに揺れている。どうやらオオジュリンのようだ。今季、なかなか出会いの機会のなかったオオジュリン。ここには、数羽のオオジュリンが居て、パキパキと枯れた葦を啄んでいる。アオジの姿も見え隠れするが、なかなか開けたところには、出て来てくれない。ホオジロ、ツグミ、スズメも姿を見せた。

沼のほとりは、静かに時間が流れて行く。

2016/1/18 ミサゴ Osprey

ミサゴの画像

越冬のシギ・チを求めて出掛けた蓮田では、思いがけずかなりまとまった数のオオハシシギを見ることが出来た。同じ蓮田には、数えきれないほどのハマシギと数羽のタシギがいて、冬とは思えない賑やかさである。

オオハシシギとハマシギの群れを見て、十分満足であったが、帰路、乾き切った田んぼを右に左に見ながら、何か出会いはないかとキョロキョロしていると猛禽らしい姿が目に入った。あいにく逆光でシルエット状態。どうやらミサゴのようである。何とか順光の位置にまわり、その姿を見ることが出来た。それにしても、カラカラに乾き切った田んぼに舞い降りたミサゴは、今までに見たことがない。先日のオオタカに続いて、これも吉兆であろうか。

2016/1/17 クロジ Grey Bunting

クロジの画像

1年に一度、恒例となっている都内の庭園の訪問。いつの間にか10年以上続いている。初めて訪れたのは、鳥に関心を持ち始めて、まだ日が浅い早春のことである。出会う鳥が、どれも新鮮で眩しかった。この時の人と鳥との出会いが、野鳥の世界の深みに嵌り込むきっかけになっている。

静かな庭園をぐるっと回って最後に思い出の場所にたどり着くと、にこやかに「クロジが出ていますよ。」と声をかけてくださる方がある。昨シーズン、会うことが叶わなかったクロジ。久しぶりの出会いに胸が弾む。数年前には、もっと黒いクロジが居たとのこと。いつか真っ黒なクロジに会ってみたいものである。

2016/1/16 キバラガラ Yellow-bellied Tit

キバラガラの画像

その鳥が銚子の防風林に姿を見せていると知ったのは、1ヶ月以上前のことである。その鳥の名は、キバラガラ。2012年12月~2013年の春先まで福岡県春日市に滞在したことのある鳥で、いくつかの図鑑に載っているのは、福岡県春日市に飛来したキバラガラであることが多い。

ひと目、キバラガラを見たいと銚子まで、足を運んでみたのだが、二度とも姿を見ることが叶わなかった。諦めきれず、三度目の挑戦で出掛けてみると、この日は、キバラガラの愛想が良く、すんなり姿を見ることが出来たのである。もっとも自力で見つけたわけではなく、毎日、熱心に通われている地元の方をはじめ、ご親切な方々のお力添えを頂いたからこその出会いであった。

「キバラガラ」名前の通り、鮮やかな黄色のお腹である。中国固有の鳥とのことであるから偏西風に乗って飛来したものであろうか。昨年3月、台湾で見たキバラシジュウカラも鮮やかな黄色であった。

もうしばらく滞在し、たくさんの人々の目を楽しませて欲しいものである。

キバラガラ」を鳥たちの広場に掲載しました。

2016/1/15 オオタカ Northern Goshawk

オオタカの画像

ルリビタキに出会った庭園は、手入れが行き届き、いつ訪れても気持ちが良い。辺りは、常緑広葉樹で覆われ、とても人の手によって作られた森とは思えない。

ちょうど100年前、1915年4月、林学博士の本多静六氏、造園家の本郷高徳氏、日本の造園の祖と言われる上原敬二氏によって始められた森の造成計画は、カシ、シイ、クスノキなどの常緑広葉樹によって「永遠の森」を作るというものである。「杜は杉林」と唱える大隈首相の考えを説き伏せたからこそ、今日の壮大な杜が、静かに厳かに息づいているのである。

この日、思いがけず、オオタカにも出会った。かなり距離があり、400mmでの撮影は、厳しかったが、新春に鷹に出会えたことは、吉兆と喜んでいる次第である。

2016/1/14 ルリビタキ Red-flanked Bluetail

ルリビタキの画像

久しぶりに訪れた都内の庭園。都内とは思えないほど静けさが、辺りを包んでいる。散策路から少し入ったところで、かすかにルリビタキの声を聞いたような気がした。しばらく待って様子を伺ってみる。ヤマガラは、人懐っこく姿を見せるが、一向にルリビタキの気配はない。

さらに待つとシロハラ、コゲラ、アオジなどが姿を見せ、嬉しい鳥見をしばし楽しむ。そこにルリビタキが姿を見せた。 あの声は、やはりルリビタキだったのだ。折角姿を見せてくれ たルリビタキであったが、ヤマガラに追い払われ、しばらくは、ヤマガラの天下。

ヤマガラが飛び回った後は、静かになり、そこにルリビタキが再登場。今度は、落ち着いている。今季、ルリビタキとの出会いの機会が少なかったので、この日の出会いの嬉しかったこと。あの瑠璃色が、ことさら美しく見えた。

2016/1/13 バードバス

バードバスの画像

冬鳥の飛来が少ないと嘆きの声が聞かれる中、小鳥たちが好んで集まる場所があると聞き、出掛けて来た。そこには、木の切り株にくぼみがあり、水を張っておくと、小鳥が次々に水浴びにやってくる。いわゆるバードバスが小鳥たちの人気スポットになっているのだった。

最初に姿を見せたのは、ビンズイ。豪快な水浴びを何度も何度も繰り返し、羽の水滴を振り払うように、ポーンとジャンプする。そして丁寧に羽繕いをする。近づいて来た シジュウカラに睨みをきかす場面も あって、ビンズイは、見掛けによらず気が強いらしい。ビンズイの水浴びが済むのを待つようにシジュウカラが現れ、さらに続いてメジロが2羽、バシャバシャと元気良く水浴びを楽しむ。

梅の木や松の木を飛び回っていたオジロビタキもバードバスに現れた。ゆっくり水を飲んだり、様子を伺ったり、どうやら、このバードバスが気に入ったようだ。オジロビタキに続いて姿を見せたのは、シメ。 強面のシメだが、神妙な面持ちで水を飲んでいる。

日によって、時間によってキクイタダキも水浴びにやってくると言うが、この日は、残念ながら松の木の中を飛び回るだけであった。

2016/1/12 新春の林の鳥

新春の林の鳥たちの画像

海に面した一体に広がる防風林。一歩入ると静かな散歩道が続き、小鳥たちの声が聞こえて来る。初めてこの林を訪れたとき、三度ほど訪れたことのある離島を思い出した。その離島は、日本海に面しているが、ここは、太平洋が目の前。海に面した林の中は、あの離島と環境がそっくりである。

お腹の黄色い珍しい鳥が出ているとのことで二度ほど出掛けてみたが、その相手は、なかなか手強い。目的は、果たせぬまま、出会った鳥たちをここに書き留めておきたいと思う。

ハゼノキには、色々な鳥たちが姿を見せた。一番多かったのが、メジロである。何度も何度も姿を見せるメジロを観察しているとメジロは、案外怖い目つきをしていると改めて気が付く。シジュウカラ、スズメ、ヒヨドリ、コゲラ、シロハラなどハゼノキレストランは、大盛況。近くの松の木には、キクイタダキも姿を見せた。アオジは、松林の中で、たくさんたくさん動きまわっている。

この林の中には、たわわに実ったハゼノキのほか、ツルウメモドキやトベラの木、松の実など鳥たちにとっては、豊富な食材に恵まれ、格好のお食事処となっている。まさに小鳥たちの楽園ということになるだろう。この豊かな自然が、いつまでもいつまでも続くよう願わずにはいられない。

2016/1/11 新春の田んぼ

新春の田んぼの鳥たちの画像

新しい年を迎え、馴染みの田んぼに出掛けてみた。右を見ても左を見ても乾ききった田んぼが広がるばかり。水気のない田んぼにシギ・チの姿は、望むべくもない。ようやく緑の草地が見えて来た。朝日を浴びて数羽のタゲリが、ゆったりとしている。

防鳥網の張られていた蓮田は、その網が取り除かれ、シギたちにとっては、絶好の環境が用意されていた。その蓮田では、20羽以上ものオオハシシギと50羽ほどのハマシギ、加えて多数のタシギの姿を見ることが出来た。少し離れた蓮田では、タカブシギ数羽と、ちょっと距離はあるが、鮮やかな赤色の足と嘴のアカアシシギが、姿を見せてくれた。

さらに歩を伸ばすと、水気の少ない蓮田にオジロトウネンが10羽ほどくつろいでいた。水の入った蓮田では、イソシギが、ピコピコと体を揺らす。近くには、コチドリもいて、辺りは、のどかな春と言った雰囲気である。

残念ながらヒバリシギの姿を見ることはなかったが、少し胸の赤くなったタヒバリと冬羽のタヒバリが、元気に蓮田を飛び回る光景が、目に心に残る新春の田園風景であった。

2016/1/10 ヤマセミ Crested Kingfisher

ヤマセミの画像

渓流に行くと鹿の子模様のヤマセミと言う鳥がいると言うのを知ったのは、鳥に関心を持ち始めて1年くらいたった頃だったろうか。しかし、どこに行けば会えるのか分からない。幸運にもヤマセミのポイントを教えてくださる方に出会い、ブラインドにも入らず、カメラマンにも会わず、ヤマセミを見ることが出来た。

その後、なかなか機会がなかったが、今度は、ヤマセミを間近に見られる所を教えて頂いた。ここは、有名なポイントのようで、たくさんのカメラマンが居たのだが、ヤマセミは、人見知りをするでもなく、肉眼でもはっきり分かるような位置に姿を見せてくれた。独特の鹿の子模様が、はっきり分かる。「ケレケレ」と鳴きながら飛ぶヤマセミの動きも手に取るように分かる。私にとっては、忘れられない思い出のひとつである。

2016/1/9 オジロビタキ Red-breasted Flycatcher

オジロビタキの画像

寒さを感じるようになってくると、毎年どこかに姿を見せるオジロビタキ。あのあどけない顔立ちと独特の仕草が魅力で、何度出会っても、また会いたくなる鳥である。今季も、数か所でオジロビタキが観察されているようである。

オジロビタキとニシオジロビタキ。私には、この2種の識別が難しい。色々な方の意見を参考にさせて頂くと、今回出会った種は、ニシオジロビタキとなるらしい。いずれにしても、その愛らしさには、変わりがない。しばらく滞在して欲しいものである。

2016/1/8 キヅタアメリカムシクイ Myrte Warbler

キヅタアメリカムシクイの画像

大変珍しい鳥が、鎌倉の海岸付近で見られているとの情報を頂き、現地に向かったのは、2010年3月のことである。地理も不案内で、ひとり現地に向かう不安は大きかったのだが、当時は、それ以上に好奇心が強かった。

現地に着くと、朝早くは、出ていたけれど、しばらく姿が見えないという。もう見られないかもしれないという悲観的な意見もある中、何とか姿を一目見たいと粘ることにした。その甲斐あって、キヅタアメリカムシクイを海岸付近の灌木や砂浜付近で見ることが出来た。浜では、漂着物や海藻についていた昆虫類を捕食していたようである。

2016/1/7 ヒバリシギ Long-toed Stint

ヒバリシギの画像

昨シーズン、冬の間、その姿を楽しませてくれたヒバリシギ。今季も、11月初め頃から姿を見せている。しかし、今季は、距離があり、蓮田の色に溶け込んでしまって、私には、とても分かりにくい。

昨年と同じ所に姿を見せてくれれば、分かりやすいのだがと思っていたら、その願いが通じたようだ。昨シーズンと同じ蓮田に2羽のヒバリシギが姿を見せてくれた。2羽ともじっとしていて、あまり動かない。枯れた蓮の茎が、手前にあり、ヒバリシギの姿を遮っている。動くのをしばらく待って、何とか写真に収めることが出来た。

2016/1/6 オジロトウネン Temminck's Stint

オジロトウネンの画像

蓮田や田んぼの冬景色は、何とも殺風景で寂しい感じがするが、その光景が、かえって心落ち着くと感じることが多い。その静けさの中で、シギ・チに会えれば、こんなに嬉しいことはない。

今季は、まとまった数のオジロトウネンが、越冬していて、多いときには、10羽ほどのオジロトウネンの姿を蓮田で見掛けることがある。もちろん日によって出会えないこともあるのだが、殺風景な蓮田で、ちょこちょこと動き回るオジロトウネンを見掛けるとほのぼのと温かい気分に浸ることが出来る。この冬、ずっと滞在して欲しいものである。

2016/1/5 ツグミ Dusky Thrush

ツグミの画像

今シーズン、冬鳥を見掛ける機会は少ないが、ツグミには、良く出会う。田んぼで、葦原で、河原でも見掛けた。シギ・チに会いたくて出掛けた蓮田で、出会ったツグミ。緑の草が、冬とは思えないほど、生き生きとしていて、そこに姿を現したツグミは、その緑の中で、輝いて見えた。

冬に見る緑は、活力を与えてくれる。暖かい日を選んで、またシギ・チを探しに出掛けてみよう。

2016/1/4 ジョウビタキ Daurian Redstart

ジョウビタキの画像

今季、冬鳥の何と少ないことだろう。手賀沼周辺を歩いてみても、近隣の公園や梅林を訪ねても、川沿いの散歩道を歩いても、実に静かで、鳥の声を聞く機会があまりにも少ない。

数年前までは、ホオジロやカシラダカ、オオジュリンなど、田圃道を歩けば、湧き上がるように飛び立って、それが当たり前と思っていたのだが。そのような中で、やっと出会えたジョウビタキ。冬の青空の中で、その存在感は、大きい。

2016/1/3 ルリビタキ Red-flanked Bluetail

ルリビタキの画像

冬の公園で、出会いを楽しみにしている鳥のひとつがルリビタキ。例年、あっさり出会いが叶うのだが、今季は、タイミングが合わず、なかなか姿を見掛けることがなかった。

久しぶりに近くの公園に出掛けてみると、数羽の鳥が飛び立って繁みの中に入っていった。う~ん。これは、良い兆し。と期待に胸が膨らむ。しばらく様子を伺っているとシジュウカラが、姿を見せた。続いて姿を見せたのが、今季初めてのルリビタキである。成鳥ではないが、ルリビタキとの出会いは、やはり嬉しい。来年になれば、きっと綺麗な瑠璃色を見せてくれることだろう。

2016/1/2 ツルシギ Spotted Redshank

ツルシギの画像

暖冬ということもあって、冬鳥の飛来が少ないような気がする。昨シーズン、蓮田や田んぼでは、ヒバリシギやアメリカウズラシギ、アカアシシギなど越冬個体をラクラク見ることが出来たのだが、今シーズン、田んぼや蓮田は、ひっそりしている。

そのような中でツルシギに出会う機会があった。冬の日差しを浴びて、とても眠そうな雰囲気。たった一度の出会いであったが、2羽のツルシギの姿が、目に焼き付いている。春のお彼岸の頃には、春の渡りのツルシギの姿が見られることだろう。

2016/1/1 エゾフクロウ Ural Owl

エゾフクロウの画像

新しい年を迎え、静かに2015年を振り返ってみますと、色々な鳥たちとの出会いが思い出されます。特に心に残るのは、足繁く通った田んぼや蓮田で出会った秋の渡りのシギ・チたちです。それは、今までになくスケールの大きいもので、コアオアシシギの群れだけでも100羽近い数だったのではないでしょうか。長い間会いたい会いたいと願っていたアシナガシギとの出会いも叶い、シギ・チへの関心がますます深まったように思います。

今年も思い出に残る鳥たちとの出会いを願っております。皆様方のお力添えを頂きながら、ほのぼのとした雰囲気のHP「九羽の白鳥」の更新が続けられるよう努力して参りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。