タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2016/9/30 オオタカ Northern Goshawk

オオタカ

春の渡り、秋の渡り。田んぼや蓮田にシギたちが集まり始めると、姿を見せるのがオオタカやハヤブサ。シギ・チファンにとって、決して嬉しい存在ではない。しかし、こんもりした林の中で、偶然、オオタカに出会った時は、ドキッとして胸が騒ぐ。

渡り途中の野鳥を探しに出掛けたところ、目の前の木に白っぽい鳥影。何と、それはオオタカだった。数枚、シャッターを押して、すぐに飛ばれてしまったが、思い掛けない出会いに胸が騒いだ。

2016/9/29 コチドリ Little Ringed Plover

コチドリ

田んぼや蓮田で、通年で見掛けるが、渡りの時期になると、その数をグーンと増すコチドリ。今シーズンもずいぶんコチドリとの出会いがあった。よくよく見れば、個体差があり、顔立ちも可愛いいのだが、同じ田んぼに他のシギ・チがいれば、なかなかレンズを向けることはない。

この日、同じ蓮田には、ウズラシギ、オジロトウネン、トウネンがいた。コチドリも数羽いて、なかなかの賑わいであった。そのコチドリが、かなりの距離まで近づいて来て、「撮って!」と言わんばかり。久しぶりにコチドリにレンズを向けたひとこまである。

2016/9/28 ヤマガラ Varied Tit

ヤマガラ

♪ツィツィ♪ツィツィ♪かすかに聞こえて来るのは、懐かしいヤマガラの声。♪ニーニーニー♪の甘えた声とは違って、はるかに静かな声である。その声のする方角を見てみるが、なかなか姿を確認することは、出来なかった。

ベランダから見えるキョウチクトウのさらに奥の木にヤマガラの姿を見つけた時は、嬉しかった。どうやらヤマガラが複数羽いるらしい。エゴノキが近くにあるのだが、今まで、ヤマガラの姿を見たのは、5年ほど前、一度だけである。

この冬、滞在してくれるだろうか。愛嬌のあるヤマガラの姿に癒やされる思いがする。

2016/9/27 ノスリ Common Buzzard

ノスリ

秋の渡りのシギ・チを求めて、時折、蓮田や田んぼ回りをしている。思いがけず、たくさんの出会いがある日もあれば、ほとんど出会いがなく、がっかりして、すごすご帰る日もある。

この日も、いくつかの田んぼや蓮田を回ってみたのだが、ほとんど出会いがなく、トボトボと帰るところであったが、目の前の田んぼに何やら猛禽の姿。トビには、良く出会うが、トビではない。今シーズン初めてのノスリであった。

これから秋が深まれば、田んぼには、ノスリの姿が増えてくることだろう。

2016/9/26 ウズラシギ Sharp-tailed Sandpiper

ウズラシギ

今月の初め頃、田んぼや蓮田を回ったとき、収穫の済んだ1枚の蓮田に差し掛かった。その蓮田には、たくさんのタカブシギとコチドリの姿が見えたのだが、わずかに近づいただけで、タカブシギが次々と飛び立ってしまう。それでも数羽残ったタカブシギを観察しようと思ったのだが、さらに飛ばれて残ったのは、1羽。よくよく見れば、ウズラシギであった。

先日、別の蓮田で、1羽のウズラシギに出会った。この蓮田には、トウネン、オジロトウネン、コチドリが一緒にいて、仲良く採餌していた。このウズラシギもゆったりモード。じっとしていると近づいて来てくれる。ウズラシギは、おおらかな性格のようである。

2016/9/25 サルハマシギ Curlew Sandpiper

サルハマシギ

8月の終わりに訪れた田んぼ。秋の渡りには、まだ少し早いかもしれないと思ったのだが、予想に反して、色々な出会いがあった。一番印象に残るのが、サルハマシギ幼鳥である。ほぼ10日間滞在して、姿を消してしまったのだが、一週間ほど前、少し離れた田んぼに、また、姿を見せたという。

全体の印象から、以前観察された個体と同一個体と思われる。単独行動のようだが、この地が、余程気に入ったようである。時折、体を伏せて、警戒のポーズを取るが、全体にゆったり感が溢れていて、心和ませてくれる。思いがけず嬉しい出会いであった。

2016/9/24 アオアシシギ Common Greenshank

アオアシシギ

今季、アオアシシギには、何回か出会っている。遠かったり近かったりするが、いずれも車からの観察である。そのアオアシシギの風貌だが、秋の渡りでは、幼鳥に出会う機会が多く、幼い顔立ちにホッと癒される思いがする。成鳥とは、ずいぶん違う印象で、時にコアオアシシギと見間違えそうになることもある。

♪ピョーピョーピョー♪その声は、哀愁を帯びていて、胸の奥深くにまで響き渡る。田んぼや蓮田で出会うアオアシシギ。今シーズンも出会えたことに感謝である。

2016/9/23 エリマキシギ Ruff

エリマキシギ

刈り入れの済んだ田んぼや蓮田が多くなり、暑い日差しの中で回った頃の田園風景とは、ずいぶん違って見える。その田園風景を楽しみながら、いくつかの蓮田を見て回った。

タカブシギが、数羽、くつろいだり、食事を探して歩きまわったりしている蓮田に差し掛かると、少し大きめのシギが1羽、目に入った。嬉しいことにエリマキシギである。まだ飛来したてなのだろうか。黙々とひたすらに蓮田をつついている。余程お腹が空いているのであろう。

そこに1羽のタカブシギが近づいて、エリマキシギと一緒に、蓮田をつつき始めた。その光景は、家族のような温もりがあり、ほのぼのと心安らぐものであった。

2016/9/22 クサシギ Green Sandpiper

クサシギ

シギ・チの観察は、車からが多いのだが、場所によっては、車で入れないところもあり、自ずと徒歩での探鳥となる。収穫の済んでいない蓮田の蓮の陰から、そっとそっと近づき、辺りの様子を伺う。しかし、警戒心の強いタカブシギやクサシギが、その奥に潜んでいることが多々あり、かすかな気配にも敏感で、飛ばれてしまうことが多い。

今季、クサシギは、何回か出会っているが、何とか姿を見ることが出来たのは、いずれも車からである。車からの観察であっても、クサシギが近すぎて飛ばれてしまったこともあった。

長月の蓮田で出会ったクサシギ。また、ゆっくり会いたいものである。

2016/9/21 オジロトウネン Temminck's Stint

オジロトウネン

初めてオジロトウネンを見たのは、10年ほど前だろうか。シギ・チの識別は、ほとんど出来ない頃だったが、目の前に姿を見せてくれた黄色い足の可愛い姿が、印象的で、心に残っている。

今季、オジロトウネンには、数回出会っているが、距離があったりして、なかなかじっくり観察することが出来なかった。しかし、この日のオジロトウネンは、比較的近くに姿を見せてくれ、動きもゆっくりであったので、その出会いを楽しむことが出来た。

また、近いうちに会いたいものである。

2016/9/20 トウネン Red-necked Stint

トウネン

渡りの時期になると、出会いを楽しみにしているのがトウネン。あの小さな体で、長い長い渡りに耐え、中継地として日本に飛来してくれるのは、何とも嬉しい限りである。

7月の終わり頃から秋の渡りのシギ・チを求めて時折、蓮田や田んぼを回っているが、今季、最初に出会ったのが、夏羽のわずかに残るトウネンであった。他には、コチドリとの出会いしかない中で、トウネンの姿を見つけた時は、嬉しかった。

9月の田んぼで出会ったのは、2羽のトウネン。顔立ちも違い、それぞれ仕草も違う。この地で、ゆっくり栄養補給してもらいたいものである。

2016/9/19 タカブシギ Wood Sandpiper

タカブシギ

寒い季節にも見られることはあるが、秋の渡り、春の渡りの時期になると、断然、その数を増すのがタカブシギ。8月に蓮田や田んぼを回っても、ほとんど姿を見ることが出来なかったが、収穫が進み、見やすくなったこともあるのだろうが、タカブシギに出会う頻度が増して来た。

9月に入って間もなく田んぼ回りをした時は、ひとつの蓮田に30羽近くのタカブシギが、集まって、久しぶりに蓮田の賑わいを見ることが出来た。今は、あちこちに分散しているのだろうか。ひとつの蓮田で見掛けるのは、多くても10羽前後である。

これからしばらく楽しめることだろう。

2016/9/18 タシギ Common Snipe

タシギ

蝉の声が、いつしか止んで、虫の声があちこちから聞こえて来る季節になった。田んぼも蓮田も収穫が、順調に進んでいる。暑い夏の間活躍したカカシの姿が見えなくなり、稲の切り株ばかりが目立って来ると何とも侘しいものがある。

その田んぼで、出会う機会が比較的多いのが、タシギである。時には、チュウジシギに出会うこともあるが、出会う確率は、タシギが断然高い。チュウジシギに比べ、タシギは、警戒心が強く、♪ジェッ♪と飛んで行ってしまうか、サササササッと田んぼの奥へ奥へと移動してしまう。

これから秋の深まりと共に、タシギとの出会いは、増して来ることだろう。

2016/9/17 オバシギ Great Knot

オバシギ

以前、一度だけ近くの田んぼで見掛けたことはあるが、田んぼで、ほとんど出会う機会のないオバシギ。先日、三番瀬で、オオソリハシシギやダイゼンの群れの中に、1羽のオバシギを見つけた時は、嬉しかった。オオソリハシシギと並ぶと大きさの違いが、はっきり分かる。

オオソリハシシギとオバシギ(左から2番目)が並び、2羽が、ほとんど同じ仕草をしているシーンを見かけたが、何とも微笑ましくて、心が和んだ。干潟では、田んぼとは、また違ったシギとの出会いがあり、楽しいものである。

2016/9/16 ハマシギの羽繕い Dunlin

ハマシギの羽繕いの画像

田んぼで出会ったのは、ハマシギ。珍しいシギではないが、いつも良く見掛けるハマシギとは、体型が異なり、一瞬、戸惑った。このハマシギは、サルハマシギと同じ田んぼにいて、両者を比較しやすかったのだが、まず、足の長さが、サルハマシギに似て、スラリと長かった。嘴もやはり長い。

たまたま水浴びをするシーンに出会ったので、その後、羽繕いを見る機会があり、サルハマシギとは、明らかに違う腰の一部を見ることが出来た。

秋から冬に向かって蓮田や田んぼでも、良く見掛けるハマシギ。これから観察する機会も増えることだろう。

2016/9/15 アカエリヒレアシシギ Red-necked Phalarope

アカエリヒレアシシギ

鳥との出会いは、常々不思議だと思っている。ほんの数分の差で会えたり、会えなかったり。情報を頂いて駆けつける場合もあるが、自分の足と目で、探した時の喜びは、たとえ、それが珍鳥ではなく、ごくごく普通の鳥であっても嬉しいものである。

渡りの時期になると、良く耳にするアカエリヒレアシシギ。久しく出会いの機会がなかったが、この日、思いがけず、アカエリヒレアシシギの姿を見ることが出来た。鳥との出会いは、一期一会。これからも出会いを大切にして鳥見を続けて行きたいと願っている。

2016/9/14 オオソリハシシギ Bar-tailed Godwit

オオソリハシシギ

三番瀬で出会ったのは、オオソリハシシギ。田んぼで出会う機会は、非常に少ない。昨年、アシナガシギが飛来した折、オグロシギの群れの中に1羽のオオソリハシシギが混じっており、注目を浴びていた。 干潟では、まとまった数のオオソリハシシギの姿を見ることが出来る。今の時期、個体によって、様々な換羽状況が見られ、それもまた、シギを観察する上で、大きな楽しみとなっている。

今季、オオソリハシシギの飛来数は、例年より少ないと聞いているが、田んぼで、ほとんど出会うことのないオオソリハシシギをたっぷり見られ、満足の一日となった。

2016/9/13 キリアイ Broad-billed Sandpiper

キリアイ

先日、久しぶりに訪れた三番瀬。まだまだ暑さを感じる干潟だが、ひととき小雨がぱらつき、鳥たちにも動きが見られるようになってきた。先日来、谷津干潟や三番瀬で見られているというキリアイ。潮の引き始めた程良い位置に姿を見せてくれた。キョウジョシギ(右)の動きに合わせるかのように、砂浜を歩く仕草が、何とも微笑ましい。

田んぼでは、久しく出会うことのなかったキリアイ。キリアイは、秋の訪れを感じさせてくれる鳥である。

2016/9/12 サルハマシギ幼鳥 Curlew Sandpiper

サルハマシギ幼鳥の画像

田んぼや蓮田にわずかながら渡りの気配を感じ始めた8月の終わり。流石にまだ、この時期では、出会いはないものと思って稲田に群れるサギ類を撮っていたのだが、コチドリが良く集まる田んぼに差し掛かると、遠目にも見慣れない鳥がいる。近くには、タカブシギが1羽、ゆったりしている。

タカブシギと並んだ時、頭頂部が見え、嘴の長さや足の長さなどから、ハマシギとは違うと直感した。サルハマシギと思うが、決定打が欲しい。願いが叶い、何と程なく、羽繕いを始めた。腰から上尾筒が白い。詳しい方にお尋ねすると淡色の羽縁とその内側のサブターミナルバンドが明瞭で、サルハマシギ幼鳥に間違いないという。

葉月の終わりに思いがけず嬉しい出会いであった。

2016/9/11 エリマキシギ Ruff

エリマキシギ

8月の終わりに回った田んぼや蓮田では、刈り入れの済んだ田んぼや蓮田を探すのが、大きな目的であった。だが、思いがけず2羽のアオアシシギとセイタカシギに出会って、気を良くしていると、サルハマシギに出会い、続いてエリマキシギにも出会った。

鳥との出会いは、いつも不思議に思うのだが、思いがけず次々に出会える日もあり、反対に全く縁のない日もある。エリマキシギは、私の好きなシギのひとつで、この日、2羽のエリマキシギに出会えたのは、何とも嬉しい限りであった。2羽は、明らかに大きさが違い、♂と♀と思われた。

これから田んぼや蓮田には、渡り途中のシギたちが、羽を休めに立ち寄ってくれることだろう。

2016/9/10 ウズラシギ Sharp-tailed Sandpiper

ウズラシギ

田んぼや蓮田で出会うシギ・チの数は、数年前に比べると、かなり少なくなっている。それでも、わずかな出会いを信じて、時折、田んぼや蓮田に足を運ぶ。

一頃、あまり姿を見掛けなかったタカブシギだが、秋に向かって、ずいぶん数を増やしているように思う。しかし、タカブシギは、警戒心が強く、徒歩で近づくのは、なかなか困難である。かなり離れた距離から観察していても飛ばれてしまう。そのタカブシギが飛び去った後の蓮田に1羽のウズラシギの姿があった。今季初めて、嬉しい出会いであった。

2016/9/9 オジロトウネン Temminck's Stint

オジロトウネン

一面に広がっていた稲田も収穫が進み、刈り取った後の切り株が、あちこちに見られるようになって来た。早いところでは、二番穂が、青々と勢い良く伸びている。蓮田も少しずつ、収穫が進み、シギ・チの渡りにとって、良い環境が整い始めている。

少し水の入った田んぼで、出会ったのは、オジロトウネン。今回出会ったオジロトウネンは、ずいぶん地味な色合いで、顔立ちも今まで出会ったオジロトウネンとは、少し違う。シギ・チも色々な顔立ちがあって、なかなか楽しい。

2016/9/8 チュウジシギ Swinhoe's Snipe

チュウジシギ

たわわに実った稲穂が、一面に広がる光景は、心が伸びやかになり、何とも美しい。その稲田も、刈り入れが順調に進み、刈り取った後の切り株だけが残り、寂しい光景に変わってしまった。収穫が、まだまだ先になる田んぼもあるが、役目を終えたという印象の田んぼには、侘びしさが漂う。

その田んぼで、チュウジシギに出会った。今にも雨が降りそうな薄暗い日であったので、見落としそうになったが、刈り入れの済んだ田んぼで、隠れるように、じっとしているジシギを見つけた。肩羽が、タシギのそれとは、明らかに違う。おそらくチュウジシギであろう。

田んぼの光景は、寂しくなったが、これからタシギとの出会いも楽しみである。

2016/9/7 コアオアシシギ Marsh Sandpiper

コアオアシシギ

アオアシシギに比べると華奢なイメージのコアオアシシギ。渡りの時期を迎えると、その出会いを心待ちにしている。今季も、蓮田近くの田んぼで、数羽のコアオアシシギを見ることが出来た。

数羽のコアオアシシギは、餌取りに夢中。右に行ったり、左に行ったり忙しそうに動きまわっている。田んぼの中には、余程美味しいものがあるのだろうか。長距離の移動に備えて、たっぷり栄養補給してもらいたいものである。

2016/9/6 ツツドリ Oriental Cuckoo

ツツドリ

8月のお盆を過ぎる頃、吹く風が、わずかに変わって来る。それは、秋の訪れを感じさせるものなのかもしれない。その気配を感じる頃、東京近郊の公園には、ツツドリなどの杜鵑類が姿を見せ始める。春の渡りでは、なかなか出会うことの出来ないツツドリだが、秋の渡りでは、出会う機会が多い。

12年前の春、近隣の公園で、♪ポポ ポポ♪という声を聞き、高い木の上にその姿を見つけたが、それが、ツツドリとの初めての出会いであった。その後、春に出会う機会は、巡って来ないが、秋には、毎年のように姿を見ることが出来る。

2016/9/5 キジの母子 Common Pheasant

キジの母子

四季折々、田んぼの風景は、心和ませるものがあり、私は、好んで田んぼに足を運ぶ。早苗の揺れる初夏の田んぼ。太陽がギラギラと輝く真夏には、稲は、ずっしりと重みを増して行き、やがて黄金色の稲田が続くようになる。収穫の済んだ田んぼに二番穂が出始めると、それは、また、別の美しさがある。

この夏、キジには、良く出会った。一番多く出会った日は、10羽以上ものキジの姿を確認することが出来、その多さに驚いたものである。一番心に残るのは、キジの母子に出会った日のことである。まだ巣立って間もない雛の姿を久しぶりに見た瞬間の感動こそが、田んぼ回りの喜びなのかもしれない。

2016/9/4 アオアシシギ Common Greenshank

アオアシシギ

渡りのシギ・チに会いたくて、蓮田や田んぼを回っている。数年前までは、7月末頃から渡りを感じさせる動きが見られたものだった。しかし、一面稲田で埋め尽くされ、水の入った休耕田が見られなくなった頃から、田んぼのシギ・チの渡りは、9月半ば過ぎから10月にかけてと時期が大幅にずれ込んでいる。

その田んぼで、アオアシシギに出会った。今季、初めての出会いである。♪ピョーピョーピョー♪と哀愁を帯びた声で鳴くアオアシシギ。田んぼで出会うシギの中で、一番、季節を感じさせてくれるのではないだろうか。2羽のアオアシシギが、とても愛おしく思われた。

2016/9/3 ツツドリ Oriental Cuckoo

ツツドリ

季節の移ろいを感じさせてくれる鳥、ツツドリ。今季は、例年より少し早く飛来していると聞いていたが、先日、出掛けてみると、すんなり姿を見ることが出来た。

春には、ほとんど出会うことのないツツドリだが、秋の渡りで出会う機会が多いのは、桜についた毛虫が栄養補給源になるからであろう。毛虫は、オビカレハの幼虫であることが多い。

この日も朝から気温が上がり、汗が吹き出して来る中、桜の木陰で休みながら、ツツドリが飛び立つのを待った。飛んだ先を確かめて、ソロリソロリと近づくのだが、赤色型は、案外、ゆったりしていて、じっくり観察することが出来た。

2016/9/2 コグンカンドリ Lesser Frigatebird

コグンカンドリの画像

今まで、何度か耳にしたことのある鳥、グンカンドリ。以前、「ダーウィンが来た!」で「空飛ぶ”軍艦の秘密”」として放映されたことがあるので、記憶に新しい。

そのグンカンドリが、身近なフィールドに現れた。グンカンドリには、オオグンカンドリ、コグンカンドリがあると言う。2年前、茨城県にコグンカンドリが姿を見せたことがあるが、タイミングが合わず、出掛けることが出来なかった。

今回、情報を頂いて駆けつけてみると、比較的近くの杭にとまっている大型の鳥がいる。ファインダーを覗いてみると、嘴の先が曲がった特徴ある姿が、飛び込んで来た。「これが、グンカンドリ!」と少々胸が高鳴った。近くをモーターボートが通っても、杭の上で悠然としている。

知人の話によると、白斑が見えたので、これは、コグンカンドリだという。オオグンカンドリには、白斑が見られないそうである。飛ぶ姿を残念ながら撮り損ねたが、久しぶりの初見初撮りであった。

2016/9/1 托卵でオナガに育てられたカッコウ Common Cuckoo

托卵でオナガに育てられたカッコウの画像

初夏に飛来し、平地や高原などで♪カッコウ、カッコウ、カッコウ♪と大きなよく通る声で鳴くカッコウ。杜鵑類の中では、一番、馴染みのある鳥ではないだろうか。托卵をすることでも良く知られている。我が子を他人に任せ、子どもは、育ての親の実子を本能的に排除するという。

托卵相手として良く知られているのは、オオヨシキリ、モズ、ホオジロ、ウグイスなどだろうか。オナガにも托卵することがあると聞いていたが、オナガがカッコウの幼鳥を子育てする場面を見る機会があった。

巣立って、まだ日の浅いカッコウは、仮親のオナガの姿が見えると大きくて真っ赤な口を開け♪ピピピピッ♪と鳴く。まだ、尾が短いが、この時点で、カッコウの大きさは、オナガに引けをとらない。オオヨシキリが仮親だった場合、大小の比は、明らかで、仮親の姿が、何とも哀れに思えてくることだろう。

真っ赤な口を開け、♪ピピピピッ♪と鳴くカッコウ。セッセと餌運びするオナガ。何とも不思議な世界である。

*シンポジウムのご案内*

第19回山階芳麿賞記念シンポジウム

「子を他人に預ける鳥、カッコウ類研究の最前線」

【日時】2016年9月24日(土)13:30-16:00(開場13:00)

【会場】東京大学農学部弥生講堂 東京都文京区弥生1-1-1交通案内(外部サイト)

(東京メトロ南北線東大前駅徒歩1分、東京メトロ千代田線根津駅徒歩8分)

【申込み】不要  【入場】無料

詳しくは、山階鳥類研究所イベント情報第19回山階芳麿賞記念シンポジウム開催案内をご覧ください。