2017/2/28 タゲリ Northern Lapwing
四季折々、田んぼの光景は、一番心癒やされるように思う。珍鳥が出ない限り、実にのどかで、静かなフィールドである。今季、何度か足を運んだ稲敷方面の蓮田や田んぼ。越冬のシギ・チが少なく、寂しい限りであったが、出掛ける度に迎えてくれるのがタゲリであった。
飛来当初は、緑の光沢が、やや鈍い色に感じるが、2月も末になると、タゲリの羽は、実に美しい。早い春を感じさせる光が、田んぼに佇むタゲリの羽に降り注ぐと金属光沢がいっそう、輝きを増して見える。飛来当初は、群れで見かけたタゲリ。今は、単独で行動している。旅立ちの日も近いのだろうか。♪ミュー♪タゲリが鳴きながら飛んで行く。
2017/2/27 ハジロコチドリ Common Ringed Plover
昨年の12月3日、稲敷の蓮田や田んぼを回っている時、コチドリとは、ちょっと違う印象の鳥に出会った。嘴の基部のところにわずかに赤味がある。手元の図鑑を2冊、調べてみると、どうやらハジロコチドリらしい。干潟で出会うことはあっても、田んぼでハジロコチドリに出会ったことはなかったので、少々戸惑った。詳しい方にお尋ねするとハジロコチドリで間違いないとのこと。
その後、たくさんの方が、このハジロコチドリを観察されている。越冬してくれたらとの願いを聞き届けてくれたようである。今季の稲敷は、越冬のシギ・チが少ない中、3羽のハジロコチドリが、ずいぶん楽しませてくれた。あぜ道では、ホトケノザが、一面に咲き春の訪れを告げている。そろそろハジロコチドリも移動の時期だろうか。
2017/2/26 アカハジロ Baer's Pochard
昨シーズン、オオホシハジロ♀が現れた公園の池に、今度は、アカハジロ♂が現れたという。この公園にアカハジロ♂が姿を見せたのは、22年ぶりとのことである。虹彩が黄色いので、交雑の可能性があるとか、虹彩は、白くなくても純粋の可能性があるとか、色々な噂が飛び交う中で、現地に向かった。
到着時、お目当てのアカハジロは、眠ってばかり。距離もあり、ちょっと目を離すと分からなくなってしまう。しばらく観察しているうちに、だんだん特徴が分かり始めた。確かに虹彩は、黄色い。2005年1月市川市のこざと公園で出会ったアカハジロ♂は、虹彩が白かった。
交雑なのか純粋なのか、いずれにしても、久しぶりの出会いは、嬉しいものである。
2017/2/25 ヤツガシラ Eurasian Hoopoe
ツツジで有名な館林の公園にヤツガシラが姿を見せたという。その話を耳にして、数日経過してから、情報は、一気に広がったようだ。公園付近のビニールハウスや空き地、民家の庭先などにヤツガシラが現れるとあって、カメラマンの数は、膨大なものとなった。
私が訪れたのは、2月13日。ビニールハウス前と枯れ草でいっぱいの空き地で、何とか姿を見ることが出来た。ヤツガシラが、これほど人気がある鳥とは、現地で感じた熱気にただただ驚くばかりであった。
渡りの時期、離島で良く見られるというヤツガシラだが、私は、離島でヤツガシラを見たことがない。最初は、埼玉県、次は、東京都、千葉県、台湾と数回出会ってはいるのだが、今回の過熱ぶりには、何とも言葉がなかった。
2017/2/24 オオハシシギ Long-billed Dowitcher
今季、稲敷方面の蓮田や田んぼで越冬しているシギ・チは、ごくわずかで寂しい限りである。そのような中で、オオハシシギは、時に20羽を超える数をカウント出来たこともあり、何とも嬉しく頼もしいことである。
今シーズン、オオハシシギを初めて確認出来たのは、1月21日であり、15羽を観察している。その後、数回、稲敷に足を運んでいるが、空振りの日は、一度だけで、数の増減はあるもののオオハシシギの姿を見ることが出来た。
同じ蓮田には、タシギもたくさんいて、嘴の長さから、時に戸惑うことがある。この日は、ちょうど良い光線で、オオハシシギの羽の色も綺麗に出て嬉しい出会いとなった。
2017/2/23 アトリ Brambling
冬から春への橋渡しとも言えるのが、梅の開花であろうか。散歩道でも、近隣の公園でも、白梅、紅梅を見かける機会が多い。梅の花が、程よく開き始めると、辺りに甘い香りが漂って来る。ふんわりと、その香りに包まれて、ひととき夢を見る。
久しぶりに訪れた隣町の公園。紅梅、白梅に来るメジロを撮りたいと思って出掛けたのだが、予想よりも開花が遅れているようだ。あちらにもこちらにも固いつぼみが見受けられる。それでも、ほころび始めた梅の花にメジロが2羽、蜜を求めて飛んで来た。
メジロにレンズを向けようとすると、少々大きめの鳥が飛んできた。何とアトリである。そのアトリが、目の前で、梅の花をちぎり始めた。スズメが桜の蜜を吸うのと同じ行動である。「梅にアトリ」不思議な出会いの一瞬であった。
2017/2/22 アカハシハジロ Red-crested Pochard
馴染みの公園の池にアカハシハジロ♂が現れたとのニュースを耳にしたのは、2ヶ月前(2016/12/23)のことである。短時間の滞在であったので、残念ながら、出会いは叶わなかった。
鮮やかな赤い嘴と風船を膨らませたような独特の頭。頭頂部は、時に茶髪のお兄さんのようにも見えるアカハシハジロ♂。アカハシハジロ♂には、2014年12月15日に栃木県の羽田沼で出会っている。ここには、クビワキンクロ♀も滞在していた。アカハシハジロ♂もクビワキンクロ♀も距離があり、かろうじての観察であったが、アカハシハジロ♂が、突然飛び出し、近くに姿を見せてくれた。あのときの嬉しさは、今でも鮮明である。
アカハシハジロ♀には、2011年2月4日に出会っている。場所は、山中湖。近くには、カワアイサが悠々と泳いでいた。湖面は、一部結氷していたが、気にする様子もなく、羽繕いをしたり、氷をかき分けて進んだり、その姿は、頼もしく思えた。
馴染みの公園で出会いが叶わなかったアカハシハジロ。思い出の中から画像をご紹介させて頂きます。
2017/2/21 オシドリ Mandarin Duck
シーズンを迎えると、その鳥との出会いを楽しみにしている。その鳥の名は、オシドリ。艶やかな銀杏羽が目を引く♂。シックな装いの♀。私は、どちらかというと♀が好きである。今季、馴染みの公園の池に飛来したオシドリ。番いと思われる♂♀の他に、エクリプス2個体も一緒にいるのを見たのは、11月初旬のことである。
12月、1月、2月。しばしばその池に足を運び、特にエクリプス個体に関して観察していたのだが、見当たらない日もあり、十分な観察は、出来なかった。2月14日に訪れてみると、どうやら1羽増えているらしい。来季は、立派な成鳥になって、再び、この池を訪れてくれるだろうか。
ハシビロガモやホシハジロ、コガモ、マガモなどのカモ類が、かなりの数、旅立ってしまい、寂しくなった湖面で、オシドリの艶やかな装いが、わずかに彩りを添え、シーズンの終わりを告げているようである。
今季、馴染みの公園でオシドリに出会いましたが、今までは、明治神宮の北池で観察しておりました。
2017/2/20 シジュウカラガン Cackling Goose
湖面を埋め尽くすコハクチョウ、オオハクチョウ、オナガガモ、マガモ。この中に、1羽のシジュウカラガンが混じっているという。しかし、膨大な数のハクチョウやカモの中から、シジュウカラガンを見つけ出すのは、困難である。
コハクチョウの飛び立ちをしばらく観察していると、数羽のコハクチョウの中に1羽の黒っぽい鳥がいるのが目に入った。その瞬間、シジュウカラガンと分かり、夢中で、シャッターを押す。久しぶりに見るシジュウカラガンだ。伊豆沼や蕪栗沼では、たくさん見ることが出来るが、関東に入れば、珍鳥扱いである。
北帰行も始まっている。コハクチョウやオオハクチョウと共に、シジュウカラガンも、もうすぐ旅立って行くことだろう。
2017/2/19 ヒシクイ Bean Goose
ハクチョウたちが、えさ場に向かって、次々に飛び立って行く。飛び立ちの瞬間は、美しく、何度見ても飽きることがない。ずいぶん重ね着をして防寒対策は、しているのに、ハクチョウのいるところは、どうしてこんなに体が冷えるのだろう。そう思いながら、ハクチョウの飛び立ちを見守る。
しばらく時間が経った頃、隣に三脚を構えていた方が、「ヒシクイが飛んだ!」と教えてくださった。大いに慌てて、レンズを向ける。オオハクチョウと一緒に飛んで行く1羽のヒシクイ。北への旅立ちも、目の前に迫っている。
2017/2/18 アメリカコハクチョウ Whistling Swan
今季、なかなか出会いの機会がなかったアメリカコハクチョウ。オオハクチョウ4羽が、数日前入ったという湖面を見ていると、紛れもなくアメリカコハクチョウと思われる個体が近づいて来る。グングンぐんぐん近づいて、すぐ目の前。何という偶然であろう。北への旅立ちが、すでに始まっている時期に、会いたいと思っていたアメリカコハクチョウに会えるとは!
すぐ隣にいるのは、アメリカコハクチョウとコハクチョウの交雑個体のようである。しばらく観察していると、この2羽は、ずっと寄り添うように仲良く広々とした湖面を泳いでいる。来季もまた、この地を訪れて欲しいものである。
2017/2/17 トモエガモ Baikal Teal
鳥に関心を持ち始めてまだ日が浅い頃、埼玉の公園に行くとトモエガモという綺麗なカモが見られると教えて頂いた。早速出掛けてみたが、マガモの光沢も綺麗だし、さっぱり分からない。現地で教えて頂いて、何とか撮影出来たのだが、シーズンが巡って来る度に、この日のことを思い出す。
先日、複数のトモエガモを同時に見る機会があった。オナガガモやマガモがたくさんいる中にトモエガモを複数確認出来たときは、嬉しかった。また、トモエガモが群れで飛ぶ中には、♀の姿もたくさん確認出来たことも心に残ることである。
旅立ちの日も間近。来季もトモエガモが、仲間と共に姿を見せてくれるだろうか。湖面は、いよいよ寂しくなっていく。
2017/2/16 ミコアイサ Smew
印旛沼の近くに位置する成田市の総合公園。公園のほぼ中央に広がる池には、冬期、たくさんのカモ類が飛来して羽を休めて行く。池の中央部には、浮き橋があり、その周辺には、たくさんのハシビロガモ、マガモ、コガモ、ホシハジロなどが悠々と泳いでいる。今季、アカハシハジロが観察されたり、メジロガモとホシハジロの交雑体が見られたりしている。
2月も半ばを迎えると、流石にカモたちの姿も少なくなり、湖面が何とも寂しくなってくる。その広々とした湖面に遠目にも白っぽいカモらしい姿が見えた。もしかしてミコアイサ♂かもしれない。双眼鏡を覗いてみると、まさしくミコアイサ♂である。光線の良い位置を目指して、ぐるっと池を回る。ミコアイサ♂が、ぐんぐん近づいて来る。すぐ近くには、ミコアイサ♀が2羽、ゆったりと泳いでいる。
お別れの日も、もうすぐ。湖面には、春の訪れを感じさせる日差しが降り注ぎ、ミコアイサを優しく包んでいる。
2017/2/15 ハヤブサ Peregrine Falcon
久しぶりに訪れた九十九里海岸。砂浜のところに大きな鳥の姿が見える。この海岸で見かけるのは、大抵、ミユビシギかハマシギである。その大きな鳥は、何とハヤブサ。どうやら大きな獲物を仕留めたらしく、一心に食事中。あまりに生々しくて、食事の様子を掲載する勇気はない。
しばらく波打ち際で、行ったり来たりしているミユビシギやハマシギを見ていると、ハヤブサが向きを変えた。その瞬間、大きな獲物の羽が少し見えた。その羽は、カモメの羽のようだ。それにしてもずいぶん大きな鳥を仕留めたものである。次の瞬間、ハヤブサが飛び立った。ハヤブサが飛び去った後の砂浜は、妙に静かに思えた。
2017/2/14 ウミアイサ Red-breasted Merganser
今シーズン、波崎・銚子方面では、ウミアイサがたくさん見られていると聞き、ずっと気になっていた。昨シーズンもウミアイサには、数回出会っているのだが、あの独特のヘアスタイルが好きで、出来れば、また出会いたい。
久しぶりに波崎・銚子方面に出掛けてみると、早速、ウミアイサ♂、♀が気持ちよく出迎えてくれた。特に♀は、かなり近くまで来てくれ、サービス満点。目の周りにアイシャドウをつけたようで、ちょっと面白い表情になって見える。近づいたり遠ざかったり。楽しい海辺のひとこまである。
2017/2/13 ヒメウ Pelagic Cormorant
風の強かった日。迷いながら波崎・銚子方面に向かった。道中、砂塵が舞い上がるところもあり、引き返そうかなとの思いもあったが、目的地に到着すると、入り江になったところにカモやオオハム、ウミアイサなどの姿が見える。波に揺られて波乗りを楽しんでいるようにも見えるハジロカイツブリの姿もあり、風の強い日ならではの出会いを楽しむことが出来た。
少し離れたところには、ヒメウの姿が見えた。ウミウやカワウに出会う機会は、多いのだが、ヒメウとの出会いは、案外少ない。そのヒメウが、ぐんぐんグングン近づいて来る。海辺では、悪天候の日、案外出会いが多いのかもしれない。
2017/2/12 ツクシガモ Common Shelduck
今月初めに、ある方のブログで見たツクシガモ。どうやらいつも良く出掛けるシギ・チのポイントのようである。気になりながら、しばらく出掛けられないでいた。ツクシガモは、以前、渡良瀬や銚子で見ているが、会えるものなら久しぶりに会ってみたい。
みぞれ交じりの翌日、青空を見上げながら、シギ・チポイントを回ってみると、田んぼの畦に2羽のカモが眠っている。どうやらツクシガモのようである。しばらく様子を見ていると泳ぎ始めた。ところが、すぐ近くの葦原からチュウヒが飛び立ち、それを2羽のトビが追い立て、大変な騒ぎになってしまった。あれよあれよという間に2羽のツクシガモは、飛び立ってしまいグングン遠ざかって行く。
久しぶりの出会いは、呆気ない幕切れとなってしまったが、馴染みのポイントでツクシガモに出会えたことは、嬉しく心に残ることである。
2017/2/11 ミユビシギ Sanderling
久しぶりに訪れた九十九里海岸。砂浜を歩くと、キュッキュッとかすかな音がする。砂浜についた小さな足跡。小さなシギの足跡だろう。少し歩いてみると、打ち寄せる波のところに小さなシギの姿。それは、ハマシギとミユビシギであった。
波に戯れるようにハマシギとミユビシギが、行ったり来たりしている。少し大きな波が打ち寄せて来た。海藻で覆われた岩にミユビシギが3羽飛び乗り、次々に集まって押しくらまんじゅうのようになった。しばらくすると1羽去り、2羽去って、最後に残った1羽も遠くに飛んで行った。波は、相変わらず、寄せては返し寄せては返ししている。
2017/2/10 ハジロカイツブリ Black-necked Grebe
波崎・銚子方面に出掛けたのは、風の強い日だった。入り江になったところには、強い風を避けるように、たくさんのカモやウミアイサ、オオハムなどが集まり、皆で楽しんでいるようにも見えた。
少し離れたところにいたのは、2羽のハジロカイツブリ。大きな波が来る度に、上手に波に乗って、それは、まるでサーファーのようにも見えた。その姿は、何とも微笑ましくて、風の強さを、しばし忘れ、2羽のハジロカイツブリの姿に見入ってしまった。
2017/2/9 ヨシガモ Falcated Duck
冬の日差しが降り注ぐ沼のほとり。♪ジュリジュリジュリジュリ♪エナガの群れが、枯れた葦原の中で飛び回っている。橋の上から見下ろすとウグイスも鳴きながら動き回っているのが見える。ジョウビタキも飛んで来た。
湖面に目を移すと、マガモ、コガモ、ヨシガモがゆったりと泳いでいる。緑の光沢が美しいヨシガモの♂は、ナポレオン・ハットを上下に振って、♀へのアピールに余念がない。何とものどかな沼のほとりの光景である。ふと気がつくとヨシガモの♂と♀が、かなり接近しつつある。様子を見ていると、どうやら交尾のようである。
沼のほとりでは、春の足音が聞こえ、鳥たちの恋の季節が始まっている。湖面に降り注ぐ日差しが、いっそう、愛おしく思われ、心がホカホカと温まってくるようであった。
2017/2/8 テグスの絡まったオオハム Black-throated Loon
波崎・銚子方面に出掛けた折、外川漁港で、遠くからでも目を引く綺麗なオオハムを見かけた。ファインダー越しに見ると何とテグスが口元に絡まっている。これまでも、クロガモなどテグスが絡まった海鳥を、何度も見ているが、いつ見ても痛々しい。他のカメラマンも、おそらく同じ思いで見ていたことであろう。帰宅後、ネットでいくつかのブログを検索すると外川漁港の同じ個体と思われるオオハムの画像が掲載されている。
何か手立てはないものか、思いあぐねて、知人に相談したところ、2日後の今日(2/7) 「捕獲し、テグスを外し、無事にリリースしました。」 との連絡をいただいた。スピーディーな対応に、何とも嬉しく胸が熱くなった。Kさん、本当にありがとうございました。
2017/2/7 ソデグロヅル Siberian Crane
2008年1月、出水平野を訪れた時、マナヅル、ナベヅル、クロヅル、カナダヅルには、出会う機会に恵まれた。しかし、この時、ソデグロヅルとアネハヅルには、残念ながら出会うことはなかった。ソデグロヅルに初めて出会ったのは、2011年の年の瀬のことである。自宅から、それほど遠くない田んぼで、1羽のソデグロヅルが、アオサギと一緒にいるのを見たのが、初めての出会いである。その時、農作業の方もカメラマンもいなくて、ゆっくり、その出会いを楽しむことが出来た。この個体は、春先まで、同じところに滞在し、ずいぶんたくさんの人たちを右往左往させたことであった。
次にソデグロヅルに出会ったのは、2016年12月3日である。やはり千葉県内での出会いであった。この時は、成鳥2羽と幼鳥1羽で、何とも仲睦まじい様子を見せてくれたが、短期間で移動してしまい、現在は、消息不明である。
ソデグロヅル成鳥は、静止時、全身が真っ白に見えるが、飛翔時は初列風切の黒色部が目立ち、他の白色部とのコントラストが明瞭で、その美しさにハッとする。全身が褐色の幼鳥も、翼を広げると、黒い羽が目を引き、同じように美しい。
いつかまた、ソデグロヅルに、ゆっくり会いたいものである。
2017/2/6 アネハヅル Demoiselle Crane
出水平野で出会ったのは、マナヅル、ナベヅル、クロヅル、カナダヅル。ソデグロヅルには、千葉県内で出会っている。しかし、アネハヅルは、日本への飛来例が少なく、2012年10月石川県七尾市に飛来したアネハヅルのニュースを知りながら出かけられなかったことを残念に思っていた。このとき、27年ぶりの飛来だったという。
昨年、埼玉県で短時間ながら見られたと言うアネハヅル、その後、利根川流域での目撃情報があり、1月に入って茨城県つくばみらい市の田んぼにアネハヅルとの情報が飛び込んできた。知人と共に、現地を訪れてみると、すでに大勢のカメラマンの姿。そして肝心のアネハヅルは、動ずる様子もなく、目の前の田んぼで熱心に餌取りしている。これがアネハヅル。長い間、会いたかったアネハヅルが今、すぐ目の前にいる。あまりにあっけない出会いの瞬間であった。
2017/2/5 トラツグミ Scaly Thrush
久しく出会いの機会がなかったトラツグミ。あちらの公園、こちらの公園とトラツグミは、姿を見せているようであるが、私には、なかなか機会が巡って来なかった。しかし、「待てば海路の日和あり」。思いがけずトラツグミが近くの公園で見られるとの情報を頂いた。
早速、出向いてみると、ツグミと一緒に、ガサゴサ落ち葉を突いている鳥影。まさしくトラツグミであった。アジサイの切り株のところを何度も何度も行き来していたが、傾斜地を登りながら、どんどん遠ざかって行く。久しぶりに出会えたトラツグミ。黒と黄色のお洒落な衣装が、実に良く似合って見えた。
2017/2/4 ハギマシコ Asian Rosy Finch
筑波山の男体山側・宮脇駅から筑波山山頂駅まで、ケーブルカーでおよそ8分。久しぶりに訪れた筑波山は、晴天に恵まれ、冬の暖かい日差しが、降り注いでいた。時期を迎えれば、カタクリの花で、埋め尽くされるところにカシラダカの姿が見え隠れする。
ベンチに座って、山の空気を胸一杯に吸い込む。木陰になっているところは、ひんやりと寒い。ヤマガラの声がして、辺りを飛び回っている。続いてジョウビタキ。モズも飛んで来た。遠くにウソの♂と♀の姿が見えるが、逆光で、あまりに遠い。ハギマシコが1羽飛んで来て込み入った枝の奥にとまった。しかし写真は、難しい。
しばらく待つと、ハギマシコが4羽になり、1羽は、至近距離で、置物のように、じっと固まったままであった。
2017/2/3 コミミズク Short-eared Owl
久しく出会っていないコミミズク。今季、渡良瀬遊水池では、7羽のコミミズクが観察されていると聞く。何とかコミミズクに会いたいものだとの思いを聞き届けてくださる方があり、先月半ばに実現した。
午後2時過ぎに到着すると、土手には、たくさんのカメラマンの姿。あまりの多さに、少々びっくり。この日、途中から風が吹き始め、ハラハラしたが、午後3時過ぎには、落ち着いて来たようで、一安心。しばらく待つと対岸の土手近くを、かなり白っぽいコミミズクが飛び始めた。嬉しい!久しぶりのコミミズクだ!400mmレンズでは、少々遠いのだが、嬉しくて力一杯シャッターを押す。
今度は、もう1羽、別の個体が飛び始め、♪ギャア♪と発しながら2羽でバトルになる。こんなシーンまで見られて、ドキドキの連続。杭ではなく、自然の木にもとまったり、コミミズクは、大サービス。感謝、感謝の一日であった。
2017/2/2 カモメに獲物を略奪されたウミアイサ(連続写真)
風の強い日だった。防波堤には、ドボン、ドボンと波しぶきをあげて海水が降り注ぐ。防波堤に近づくには、少々勇気が要るような状態であったが、海上に大きな魚を口いっぱいに悪戦苦闘しているウミアイサ♂がいる。滅多にないこのシーン。やはりカメラに収めなければ。
レンズを向けて程なく、カモメが2羽、ウミアイサの獲物を目がけて飛んで来た。カモメの略奪作戦である。ウミアイサは、折角取った大きな獲物を取られまいと必死で抵抗し、海に潜って、また、浮上する。ウミアイサには、魚が少々大きすぎたようだ。口いっぱいに頬張っているのだが、何としても飲み込めない。それを、カモメが2羽で、奪い取ろうとする。
ウミアイサの必死の抵抗にもかかわらず、遂にカモメは、略奪成功。ウミアイサの無念の顔が、何とも気の毒に思われた。
2017/2/1 ヤマドリ Copper Pheasant
車のフロントガラス越しに一瞬見る機会は、あっても、ゆっくり見る機会がなかったヤマドリ。2012年6月多摩森林科学園では、かなり間近で見る機会があった。しかし、このときのヤマドリは、尾羽が少々短かった。
先月半ば(2017/1/18)、思いがけず、立派な尾羽のヤマドリ♂に出会う機会が巡って来た。知人が「ヤマドリ!」と言って指差す方向を見て、一瞬、目を疑った。ヤマドリは、人も車も警戒する様子は、全くなく、堂々と歩いている。まさに闊歩しているという雰囲気であった。カメラマンの足元に戯れるように寄って来たのは、威嚇だったのだろうか。それとも空腹で餌をねだっていたのだろうか。近くでは、梅の花が、ほんの少し咲き始め、春近しを思わせた。